ビットコイン(BTC)の価格が2026年10月5日、約1366万円まで回復し、24時間で2.1%の上昇を記録しました。この反発の背景には、米国の利上げ観測が急速に後退していることがあります。グラスノードの分析によれば、10月28日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利上げが実施される確率は、わずか1週間前の66%から22%へと急低下しました。この確率変動はフェデラルファンド金利先物の動向に基づくもので、市場が利上げサイクルの終盤を織り込み始めた可能性を示唆しています。
世界の暗号資産(仮想通貨)市場全体の時価総額は約476兆円に達し、ビットコインのドミナンス(市場占有率)は約59.5%と安定しています。イーサリアム(ETH)は約43.1万円、ソラナ(SOL)は約1.91万円で取引されており、主要通貨は総じて底堅い動きを見せています。
米利上げ確率22%低下がもたらすビットコイン市場への影響
利上げ確率の急低下は、単なる数字の変動以上の意味を持ちます。グラスノードが参照する市場データは、投資家の金利見通しを直接反映しており、直近1週間で「追加利上げあり」と見る向きが3分の1に減少したことになります。これにより、ドル建て資産の相対的な魅力が低下し、代わりに価値保存手段としてのビットコインへの資金シフトが進みやすい環境が整いつつあります。
実際、ビットコインは9月下旬に1300万円を割り込む場面がありましたが、利上げ確率の低下と歩調を合わせる形で反発に転じています。市場参加者の間では、「米国が利上げを打ち止めにすれば、暗号資産市場全体にとって構造的な追い風となる」との見方が広がっています。
メタプラネット、経営陣の新株予約権を巡る株主との対話
ビットコインを財務資産として保有する上場企業メタプラネットは2026年9月29日、独立社外取締役一同の名義で株主に向けた書簡を公表しました。焦点となっているのは、サイモン・ゲロヴィッチCEOを含む経営陣が保有する第10回新株予約権です。同社はこれに先立ち、9月11日にCEO自らがメッセージを発信しており、今回の書簡はその補足的な位置づけとなります。
書簡には、新株予約権導入の経緯と条件変更の内容をまとめたファクトシートが添付されており、経営陣の持分が現時点で約12.5%に相当する点について、その妥当性を株主に対して説明しています。コーポレートガバナンスの透明性を重視する同社の姿勢は、暗号資産を事業の中核に据える企業としての信頼性向上につながると評価できます。
イーサリアム財団、AI向け匿名決済システム「zkAPI」を本稼働
イーサリアム財団は2026年10月1日、人工知能(AI)向けの決済システム「zkAPI」がメインネットでの稼働を開始したと発表しました。本システムの設計は、ダビデ・クラピス氏とイーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が2026年2月11日に公表したもので、実装はOpen Anonymityが財団と共同で開発しました。
プライバシー保護と利用量課金の両立
zkAPIの最大の特徴は、AIが大量に呼び出すAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の利用料金を、利用者を特定されにくい形で前払いできる点にあります。利用量に応じて課金される従来のAPI課金モデルでは、利用パターンから個人や組織が特定されるリスクがありました。zkAPIはゼロ知識証明(ZK証明)を活用することで、この課題を解決し、プライバシーを保護しながら公正な課金を実現します。
AIエージェントや自律型プログラムが経済活動に参加する時代を見据えたインフラとして、zkAPIの稼働は今後の分散型インターネット(Web3)とAIの融合において重要なマイルストーンとなるでしょう。
暗号資産市場の当面の焦点:利上げ休止と機関投資家の動向
ビットコイン価格の回復が持続するかどうかは、今後の米国の金融政策動向に大きく依存します。10月28日のFOMC会合で利上げが見送られた場合、年内の追加利上げ観測はさらに後退し、ビットコインは1400万円台を試す展開も想定されます。一方、メタプラネットのような上場企業によるビットコイン保有戦略や、イーサリアム基盤の新たなユースケースの登場は、暗号資産市場全体の底上げ要因として注目に値します。
当面は米国の経済指標とFRB高官の発言が短期的な値動きを左右するでしょうが、中長期的には金融政策の転換点を睨んだポジショニングが始まっていると言えます。