Appleは9月に開催が予定されている恒例の新製品発表イベントにおいて、iPhone 18 Proを含む次世代モデルの価格を少なくとも100ドル引き上げる見通しであることが、Bloombergのマーク・ガーマン氏の報道により明らかになった。これは、AI関連需要の急増に伴うメモリ不足が世界的な部品供給の逼迫を招き、スマートフォンやPC、ゲーム機など幅広い電子機器に影響を及ぼしていることが主因とされる。すでにAppleは、一部のMacBookやiPad、HomePodの価格を最大33%引き上げており、今回の値上げはその流れを汲むものだ。
iPhone 18 Proの価格は1,200ドルからに
ガーマン氏の報告によれば、iPhone 18 Proの販売価格は、現在の1,100ドルから1,200ドルに引き上げられる。上位モデルのiPhone 18 Pro Max、そして初の折りたたみ端末となる可能性が高い「iPhone Ultra(仮称)」も、同様に価格が上昇するとみられる。この値上げの背景には、AI駆動型の処理を支えるためのRAM不足が深刻化していることがある。The Vergeの報道でも指摘されているように、このメモリ不足はスマートフォンやノートPC、ゲーム機など、あらゆる電子機器の供給を圧迫しており、価格上昇圧力となっている。
記憶に新しいMacやiPadの値上げ、そして人員削減
今回の値上げは、Appleがすでに実施した価格改定の延長線上にある。2カ月前、同社はMacBook Neoを600ドルから700ドルへ、iMacを1,300ドルから1,500ドルへ、MacBook Proシリーズは各モデル一律300ドルの値上げを発表。同時に、一部のiPadやHomePodの価格も引き上げられた。さらに先週には、複合現実ヘッドセット「Vision Pro」およびSiri関連チームから約200人の人員を削減し、Vision Proのゲーム開発部門を閉鎖したことも明らかになっている。
SamsungやGoogleも追随、値上げは業界全体の流れに
Appleの値上げは、競合他社の動きと軌を一にする。Samsungは折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold 8」および「Galaxy Z Flip 8」の価格を引き上げ、Googleも「Pixel 11aaa」および「Pixel 11 Pro」の価格を値上げした。こうした中、ガーマン氏は「Appleにはさらに価格を上げる余地がある」と指摘しており、同社が新たに提供を開始した月額18ドルからのリースプログラム「Apple Upgrade Program」は、ユーザーの価格ショックを和らげるための施策と見られる。
消費者の購買意欲に影響は出るのか
テクノロジーアナリストのパオロ・ペスカトーレ氏は、価格上昇がAppleファンの購買意欲を大きく削ぐことはないと分析する。同氏は「Appleは巨大なインストールベース、強固なエコシステム、そして下取りや分割払い、月々の支払いプログラムの普及により、ほとんどの競合をはるかに上回る価格決定力を持っている」と指摘。その上で、より大きなリスクは「消費者がAppleから離れることではなく、むしろ今のiPhoneをより長く使い続けることだ」と述べている。ただし、ロイヤルティには限界があるとも警告する。値上げに見合った魅力的な進化がなければ、ユーザーの買い替えサイクルは長期化する可能性が高い。特に、AI機能、カメラ性能、バッテリー駆動時間、そして新しいフォームファクターにおける具体的な進歩が求められている。
「RAMageddon」は本当に原因なのか
今回の値上げラッシュについて、企業やアナリストは、部品不足、とりわけRAMとストレージデバイス(HDDやSSD)の価格高騰を主な原因として挙げている。その背景には、世界の主要テクノロジー企業によるAIインフラへの巨額投資がある。Amazon、Microsoftaa、Alphabet(Googlea)、MetaがAI関連支出に数十億ドルを投じる中、その波及効果として、Appleもメモリ不足の影響を避けられなかったと説明している。
しかし、Appleの利益率は27%という驚異的な水準にあると報じられている。この数字は、同社が十分に価格を吸収できる体力を持っていることを示している。つまり、値上げは「やむを得ない」というよりも、業界全体の流れを追い風にした戦略的な価格設定である可能性も否定できない。消費者の目には、その真価が問われていると言えるだろう。