テスラ新型ロードスター、空中浮上を実演。2028年生産開始

テスラが新型ロードスターで空中浮上を実演。2028年生産開始予定のEVスポーツカー。

投稿者 central
ハイライト
  • 新型ロードスターは4基のスラスターで空中浮上を実演した。
  • 生産開始は2028年予定で、予約金は5万ドル以上となっている。
  • デモでは電動トラックの上を宙返りで飛び越える場面もあった。

テスラ新型ロードスターが、2026年10月15日(米国時間)夜、テキサス州マクレガーにあるスペースXのロケット開発・試験施設で披露された。同社が「人間が運転する最後のクルマ」と位置づけるこのEVスポーツカーは、会場で実際に空中へ浮上。長年イーロン・マスクCEOが約束し続けてきた“飛行”が、ついに現実のものとなった。生産開始は2028年の予定である。

テスラ新型ロードスターとは? 空を飛ぶEVスポーツカー

新型ロードスターとは、テスラが2028年に生産開始を予定している電気スポーツカーです。4基のスラスターで空中浮上を実演したほか、停止状態から時速約97kmまで1秒で加速する性能を持ちます。価格は未公表で、日本では予約を受け付けています。

同社の位置づけは「人間が運転する最後のクルマ」。自動運転技術が急速に進むなか、ドライバーが自らの手で操る楽しさを追求した最終形という意味です。マスク氏の言葉を借りれば、「運転する」よりも「操縦する」と表現する方が正確かもしれません。

実演の内容:宙返りで電動トラックの上を通過

デモで新型ロードスターは、蒸気を断続的に噴き出しながら空中に浮上。会場に並んだテスラ車両の上を宙返りで飛び越えたように見える場面もありました。その際、車体は電動大型トラック(セミ)の上方1〜2メートルに浮かんでいました。

加速性能も突出しています。停止状態から時速約97kmまで1秒で到達します。マスク氏は「必ずしも安全性に最適化されたクルマではありません」と述べており、パフォーマンスを最優先にした設計思想がうかがえます。

4基のスラスターが生む「飛行」と路面への押し付け

飛行を可能にしているのは、車体に搭載された4基のスラスター(推進装置)です。テスラの車両エンジニアリング責任者ラース・モラヴィ氏は、スラスターが車載の圧縮ガスで作動すると説明しています。

この技術が生むのは浮上だけではありません。車体を路面に押し付ける下向きの力も同時に発生させるため、超高速域でのコーナリング性能が飛躍的に向上します。マスク氏は「これまでのあらゆるサーキット記録を大幅に塗り替えるでしょう」と語っています。

主要スペック一覧:最高速度の目標は「音速の半分」

項目 内容
生産開始 2028年(予定)
0→時速97km 約1秒
最高速度(量産モデル) 時速約370km(目標)
航続距離 1回の充電で約483km超
推進システム 4基のスラスター(圧縮ガス式)
グレード Performance / Thrust / Rocket

量産モデルの最高速度についてモラヴィ氏は、「うまくいけば」時速約370kmに達すると説明しています。マスク氏はさらに「音速の半分(マッハ0.5)を突破する」ことを目標に掲げています。時速約620kmという領域で、現行F1マシンの最高速度(通常時速約354km)をはるかに超える計算です。

一方、航続距離は1回の充電で約483km超。「Model 3」が最大約579kmを走れることを踏まえると、EVとしては中程度の水準になります。加速と速度に振った設計は、日常使いよりも“操縦する喜び”を優先した結果とみられます。

3つのグレード展開と日本での予約条件

新型ロードスターには3つの仕様が用意されます。公道走行向け2人乗りの「Performance」、レース対応の「Thrust」、飛行対応の1人乗り「Rocket」です。このうち15日のデモで披露されたスラスターを搭載しないのは、ベースグレードとなるPerformanceです。

価格は現時点で未公表。日本向けテスラ公式サイトで予約できるのはPerformanceのみで、予約時に注文料として68万円、10日以内に追加で614万円を支払う必要があります。予約段階で合計682万円の用意が必要です。

2017年発表から9年——繰り返された遅延

新型ロードスターが初めて世界に姿を見せたのは2017年。初代ロードスターの後継モデルとして「世界最速の量産車」になると説明されていました。当時テスラは2020年の出荷を約束していましたが、実現には至らず、生産開始時期は何度も先延ばしにされてきました。

2017年の発表時に予約したファンは、当初20万ドル(約3,160万円)と案内されていた車両に対し、5万ドル(約790万円)の予約金を支払っています。この予約金は2026年の貨幣価値に換算すると6万8,000ドルを超えます。価格や仕様が今後どう改定されるのかも注目ポイントです。

「飛行」の実演が示す、2028年への問い

マスク氏はこれまで、製品について壮大な構想を掲げながら実現に至らないことを繰り返してきました。テスラの多くの製品でも発売が予定から大幅に遅れています。2028年というスケジュールをどこまで信じられるかは、依然として不透明です。

それでも、実際の車両が空中に浮かんだ事実は重い意味を持ちます。EVが圧縮ガスによるスラスターで「空を飛ぶ」未来は、もはや構想ではなく、目の前に現れたのです。人間が運転する最後のテスラが、どこまで想像を超えていくのか。次なる実演と量産型の詳細が待たれます。

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