地獄の地下カジノを舞台に、テキサス・ホールデムとデッキ構築型ローグライクを融合させた新作「Hell Hold’em」が、スペイン・バルセロナで開催中の「SAGA Barcelona Game Fest 2026」にて初公開された。開発するのは、バルセロナを拠点にテーブルトークRPG「Nosolorol」を手がけてきたThe Twisted House。15年の経験を持つ同スタジオにとって、これが初のコンピュータゲームとなる。
「Hell Hold’em」とは?──魂を賭けた地獄ポーカー
「Hell Hold’em」とは、ポーカーの一種であるテキサス・ホールデムをベースに、デッキ構築型ローグライクの強化要素を融合させたダークファンタジーカードゲーム。主人公のマジシャンが夜な夜な悪魔たちの集う地下カジノへ足を踏み入れ、過去の悪行による人生のツケ──いわば「借金」を返済するため、自身の「魂」や特殊なチップを賭けて悪魔たちとポーカーの真剣勝負を繰り広げる。相手のヘルスを削り切れば勝利、自身のヘルスが尽きればゲームオーバーとなるシンプルなルールだ。
紙芝居風の導入部やビジュアルのアートスタイルは、大人向けのダークファンタジーとしての雰囲気を強く打ち出しており、タイトルから想像される通りの退廃的な世界観でプレイヤーを迎えてくれる。
袖に隠した1枚が戦局を変える──「イカサマ」の仕組み
本作の最大の特徴は、主人公がマジシャンであることだ。テキサス・ホールデムでは通常、場に提示された5枚のコミュニティカードと2枚の手持ちカードを組み合わせて役を作るのが基本だが、主人公は袖にもう1枚のカードを隠し持っている。この隠しカードを活用することで、手札を交換したり、土壇場で強力な役を強引に成立させたりといった「イカサマ」を仕掛けることが可能になる。
さらに、悪魔の数字「666」は本作における究極の切り札だ。「6」のスリーカードはフルハウスなどのレア役よりも強力なダメージを与えられる。デモではトリックを駆使して「6」のスリーカードを作り出す場面が用意されており、実戦でもイカサマとの組み合わせで覚えておきたいテクニックとなっている。
個性豊かな悪魔たち──「嫉妬」の試練を突破せよ
対戦相手となる悪魔たちは、ただ黙ってマジシャンのイカサマのカモにされるわけではない。それぞれが独自の思考ルーチンと強烈な特殊能力を備え、こちらのカードの数字を自らの魔力で変えたり、強烈なブラフで精神的な揺さぶりをかけてきたりする。
たとえば、チュートリアル直後に挑む地獄界の第1層「嫉妬」で対戦するバアルベリト(Baal Berith)は、ペアのカードの数字を引き上げる「Arrogant Decree」か、対戦の結果にかかわらずプレイヤーのヘルスを25ポイント奪う「Violent Blow」のいずれかを発動してくる。単なるポーカーの腕前だけでは突破できない、悪魔ごとの攻略要素が用意されているのが本作の特徴だ。
イビルカードと3つのアーキタイプ──リトライを重ねるほど楽しくなる成長設計
悪魔の攻勢に対抗するため、プレイヤーは戦術の幅を広げる特殊な「イビルカード」や、常時効果を発動する「遺物(アーティファクト)」を収集・強化しながらデッキを構築していく。さらに、対戦を重ねて経験値を獲得すれば、「Trickstar」と「Fighter」、そして「Detective」という3つのアーキタイプで構成されたスキルツリーを育てられる。
敗北するとスキルは白紙に戻されるが、手に入れた特殊カードはそのまま保持される。そのため、次の挑戦ではバトルのハードルが確実に下がっていく。本作は、カードゲームに不慣れなプレイヤーでも安心して遊べるよう、ストーリー重視のRPGとして設計されている。
15年のTRPG経験が生んだ初のデジタルタイトル──Steamにてウィッシュリスト受付中
「Hell Hold’em」を手がけるThe Twisted Houseは、バルセロナを拠点にテーブルトークRPG「Nosolorol」を展開してきたメーカーだ。TRPGとは異なるインタラクティブなストーリーへの挑戦という開発動機のもと、本作はTRPGで培われた世界観構築の手腕をデジタルゲームの対戦・成長システムと掛け合わせた意欲作といえる。
本作のSteamストアページはすでにオープンしており、ウィッシュリストへの登録が可能だ。現時点では日本語対応の予定はないものの、ポーカーを主体としたローグライクカードゲームに濃密なダークファンタジー要素を加えた本作は、国内外のインディーゲームファンにとって見逃せない一作となりそうだ。地獄の最深部で待ち受ける悪魔たちをイカサマで出し抜き、無事に魂を取り戻すことができるのか。完成版の続報を期待したい。