ドル円相場が158円台を割り込み、急落しています(日本時間15時24分時点)。きっかけは前日から本格化した米企業決算です。金利上昇による利ざや拡大が期待された大手金融機関の決算は、ふたを開ければ期待外れの内容。金融セクター主導で米国株が軟調に推移し、リスクオフの流れがドル売りにつながりました。市場の関心は今夜発表される米CPIに集中しており、結果次第ではドル円の相場展開が大きく変わる可能性があります。
期待外れに終わった米大手金融決算
米企業決算シーズンが前日から本格化し、まずは大手金融機関の発表が相次ぎました。しかし、結果は事前の期待を下回る内容です。
金利が上昇すると銀行の利ざやが拡大するため、市場では金融セクターの収益増加が期待されていました。ところが実際には、期待に応えるほどの増益幅には届きませんでした。むしろ影響が大きかったのは、トレーディング部門での債券相場下落に伴う損失です。金利上昇を見込んで債券を保有していた投資部門で、評価損が膨らんだ格好です。決算シーズンの序盤に位置する大手金融機関の結果が市場心理を左右するだけに、その失望感は株式相場全体に波及しやすいと言えます。
ドル円158円割れ、リスクオフの連鎖
金融セクターは株式市場への影響力が大きく、金融株がリードするかたちで米国株は総じて軟調な推移となりました。市場にはリスク回避の機運が広がり、その流れは為替市場にも波及しました。
米国株の弱さを映し、ドル金利は低下。これまでドル高一辺倒だった相場の流れにも変化が生じ、ドル円は158円台を割り込む局面がありました。リスクオフの局面では安全通貨とされるドルが買われやすい面もありますが、今回は米国株安と米金利低下がドル売りとして表れた形です。
今夜の米CPI、注目はコア指数
今夜は米CPIの発表を控えています。焦点となるのは、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数です。市場コンセンサスは前月比プラス0.2%程度と、低めの水準にとどまっています。
今夜の米CPIで注目すべき点は?
注目すべきはコア指数の伸びです。市場予想は前月比プラス0.2%程度で、低めのコンセンサスとなっています。プラス0.5%を超えない限り、月後半のFOMCでの政策金利変更は見込めず、予想並みならドル売り方向で調整が進みやすいとみられます。
コアの数値がプラス0.5%を超えてこない限り、月後半のFOMCでは政策金利を変更することはないでしょう。米国では選挙を控えていることもあり、当局としてはできるだけ現状維持が望ましいはずです。
コア指数プラス0.3%なら「連続利上げなし」、ドル売りで対応
仮にコア指数が前月比プラス0.3%程度で着地した場合、利上げ見通しを巡る市場の思惑は大きく後退します。連続利上げには至らないとの見方が強まり、ドル売りで対応するのが有効とみられます。
| コアCPIの水準 | FOMCへの影響 | ドル円への示唆 |
|---|---|---|
| 前月比プラス0.2%程度(市場予想) | 政策金利の変更なし | ドル売り圧力がかかりやすい |
| 前月比プラス0.3%程度 | 連続利上げには至らない | ドル売りで構えるのが有効 |
| 前月比プラス0.5%超 | 政策金利変更の可能性が浮上 | ドル買い戻しに注意 |
もっとも、深追いは禁物です。期待できるのはあくまで「いくらかのドルロングの調整」であり、それを超えてドル安方向に大きく傾く展開は想定しにくいと言えます。
選挙前のFOMC、現状維持が有力
今月後半に予定されているFOMCについては、政策金利を据え置く公算が大きいと言えます。コアCPIがプラス0.5%を大きく超えるような結果とならない限り、金融政策に変更はないとの見方が支配的です。
選挙前という政治的なタイミングも、当局の行動を制約する要因です。市場を揺さぶるサプライズを避けたいというのが本音であり、現状維持が最も無難な選択肢とみられています。
今夜のCPI発表は、FOMCの政策運営を占う試金石になります。ドル円にとっては、発表後の値動き次第で短期的なトレンドが形成される重要な節目となりそうです。