連合、2027年春闘で4年連続の5%以上要求を決定

連合が2027年春闘で4年連続の5%以上賃上げ要求を決定。中小企業には6%以上を重点配分し、格差是正を目指す。

投稿者 central
ハイライト
  • 中小企業には6%以上の賃上げ要求を重点配分し、大企業との格差是正を目指す。
  • 2026年春闘では平均5.01%の賃上げが実現したが、中小企業は4.69%にとどまった。
  • 連合は賃上げを持続可能にし、国際競争力回復と人材投資を促す考えだ。

連合(日本労働組合総連合会)は、2027年の春季生活闘争(春闘)において、4年連続となる5%以上の賃上げ要求を掲げる方針を固めた。国際情勢の不安定化に伴う経済の不透明感が強まる中、高い目標水準を維持することで、日本経済全体に賃上げの流れを定着させる狙いがある。

2027年春闘の要求内容 — 中小企業に6%以上の重点配分

連合が2027年春闘で掲げる要求の骨子は、以下の通りである。

  • 全体目標:賃上げ5%以上
  • 中小企業(組合員300人未満):6%以上
  • ベースアップ(ベア):3%以上

中小企業に対する6%以上の要求は、2026年春闘と同水準。大企業と中小企業との間で拡大する賃金格差を是正するための重点項目として位置づけられている。

連合は今月中に開く中央執行委員会で2027年の要求目標を決定し、12月の中央委員会で正式に承認する見通しだ。その後、各産業別労働組合や個別企業の労働組合が、この目標を踏まえて具体的な要求額を策定する。

なぜ5%要求を続けるのか? — 持続的な賃上げ定着と国際水準へのキャッチアップ

連合が4年連続で5%以上の高い要求水準を掲げる背景には、日本経済の構造的な課題がある。ここ数年、実質賃金(物価変動を考慮した賃金)は、大幅な賃上げを背景にようやく上昇基調に転じた。しかし、日本の賃金水準は依然として国際的に見て高いとは言えず、先進国と比較しても低位にとどまっている。

具体的には、以下の点が要求継続の理由として挙げられる。

  • 実質賃金の持続的改善:物価上昇を上回る賃金上昇を定着させるためには、今後も高い目標が必要。
  • 国際競争力の回復:諸外国との賃金格差を縮小し、優秀な人材の確保・流出防止につなげる。
  • 人材への投資拡大:企業に対し、積極的な人材投資を求めるメッセージとしての役割。

連合は経営側に対し、人材投資をコストではなく成長への投資と捉え、積極的に賃金へ反映させるよう強く求めていく方針だ。

2026年春闘の実績 — 平均5.01%も中小企業で格差顕著

2026年の春闘では、連合の目標通り、平均で5.01%の賃上げが実現した。月額では1万6400円の引き上げに相当する。これにより、2024年から3年連続での5%台達成となった。

しかし、組合員300人未満の中小企業の平均は4.69%(月額1万2866円)にとどまり、大企業との格差が改めて浮き彫りとなった。2027年春闘で連合が中小企業に6%以上の重点要求を掲げるのは、このような現状を打破するためである。

項目 2026年春闘実績 2027年春闘要求目標
全体平均賃上げ率 5.01% 5%以上
中小企業(300人未満) 4.69% 6%以上
ベースアップ — 3%以上
月額賃上げ額(全体平均) 1万6400円 —
月額賃上げ額(中小企業平均) 1万2866円 —

持続可能性と格差是正が焦点に

2027年春闘では、日本経済が直面する複数の課題が交錯する。世界的なインフレや金融引き締め、地政学リスクの高まりなど、経済の先行きは不透明だ。こうした環境下で、企業収益に与える影響は不確定要素が多い。

その一方で、2026年までに実質賃金がプラス転換したとはいえ、その動きはまだ脆弱であり、人手不足が深刻化する中で、賃上げを持続可能なものにするための制度的な裏付けが求められている。

連合が掲げる「人材への投資」というメッセージは、単なる賃上げ要求にとどまらず、日本の労働市場の構造改革や生産性向上にもつながる重要な論点だ。2027年春闘の行方は、日本経済の成長力と分配のあり方を占う試金石となる。

この記事をシェア