デス組合が手がけるローグライトRPG『勇者パーティはぜんめつしました。』の正式な発売日が、2026年11月10日に決定した。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作は、全滅した勇者パーティのメンバーがそれぞれに“壊れて”しまった状態で登場する、異色の“高湿度・激重感情RPG”として注目を集めている。発売に先駆け、近々体験版の配信も予定されている。
「高湿度・激重感情RPG」と銘打たれる本作の根源
本作は、単なるローグライトRPGではない。物語の核となるのは、冒頭から勇者パーティが全滅しているという衝撃的な状況だ。プレイヤーは救出部隊として危険極まりない迷宮へと向かうが、そこで待っていたのは、かわいい人形と化した戦士、魔力を失った魔法使い、「はい」「いいえ」しか言えなくなった勇者、そして「大事な何か」を失った僧侶という、痛々しいまでの変貌を遂げた4人のキャラクターたちである。
プレイヤーは、このうち一人だけをパートナーとして選び、迷宮からの脱出を試みる。選んだ相手によってストーリーは大きく変化し、それぞれに複数の結末が用意されている。冒険の過程で選択を迫られることで、彼らの抱える深い傷や失ったものの真相に触れ、二人だけの逃避行の中で唯一無二の関係性を築いていく。この重く、湿った感情の機微こそが、本作の最大の魅力と言える。
「致命の一撃」と「呪い」が生む、逆転可能なターン制カードバトル
ゲームプレイの軸となるのは、手持ちのアイテムをカードとして使用するターン制の戦闘システムだ。特徴的なのは、武器やポーションに使用回数が設定されている点にある。アイテムは主に敵から奪うことで補充するが、その鍵となるのが「致命の一撃」だ。敵の体勢を崩した隙に、残り使用回数が「1」となった武器(最後の一回)を叩き込むことで発動し、敵を即死させてその装備を強奪できる。つまり、戦略的に武器の使用回数を管理し、敵の弱点や行動パターンを見極めながら、いつ「致命の一撃」を仕掛けるかが重要となる。
さらに、本作独自のリソースとして「呪い」が存在する。プレイヤーは、まだ使用回数が残っているアイテムを自主的に「砕く」ことでこの呪いを獲得できる。この呪いは、致命的な罠やルーレットイベントの結果を無効化する「あらがい」に使用できるほか、プレイヤーが倒れた際のリトライ時に役立つ。死んでしまった場合、その階層からの再挑戦が可能となり、その際に貯めた呪いを消費して欲しいアイテムを生成したり、経験値に変換したりできるのだ。これにより、単に力押しで突破できない困難な階層でも、地道に装備を奪い、砕き、呪いを蓄えることで活路を見いだせる、積み重ねと逆転のバランスが練り込まれている。
パートナーと選ぶ生存戦略
救出したパートナーは戦闘にも参加する。それぞれが個性的な能力を持ち、戦術に大きな影響を与える。勇者は瀕死状態から蘇生する能力を有し、僧侶は強力な回復術でパーティを支える。戦士は捨て身の攻撃で局面を打開し、魔法使いはかわいい(が、魔力がないため攻撃魔法は使えない)。このため、選んだパートナーに応じて、プレイヤーの立ち回りやリスクの取り方が根本から変化する設計となっている。
延期を経て、ブラッシュアップされた全貌
本作は当初2026年7月22日の発売を予定していたが、品質向上を目的として同年の第4四半期への延期が発表されていた。このたび、その具体的な日程が11月10日と確定したかたちだ。Steamにおいてはウィッシュリスト登録数が15万件を超えるなど、高い注目を集めており、延期の判断はその期待に真摯に応えるための時間確保という認識が示されている。
なお、発売に先駆けて配信が予定されている体験版では、最初のボス戦までをプレイ可能で、4人すべてのパートナーを選択できる。開発チームはこの体験版を通じてプレイヤーからのフィードバックを積極的に収集したいとしている。「高湿度・激重感情」と「ローグライト」という一見相反する要素がどのように融合しているのか、その一端を実際に確かめる絶好の機会となるだろう。