ドイツ、日英伊のGCAP次世代戦闘機計画参加が浮上

ドイツ政府が日英伊の次世代戦闘機共同開発計画GCAPへの参加を検討していることが浮上した。

投稿者 central
ハイライト
  • ドイツ政府は英国から示されたGCAP参加への前向きな見解を非常に好意的に受け止めた。
  • GCAPは2035年配備を目標に日本・英国・イタリアが開発を進める次世代戦闘機計画である。
  • ドイツのGCAP参加検討の背景には、2026年6月に独仏共同の次世代戦闘機開発計画が崩壊したことがある。

ドイツ政府が、日本・英国・イタリアによる次世代戦闘機共同開発計画「GCAP」への参加を検討していることが浮上しました。ドイツ政府のシュテフェン・マイヤー首席副報道官が2026年10月9日の定例会見で、英国から示されたドイツ参加への前向きな見解を「非常に好意的に受け止めた」と表明したもので、日英伊の枠組みにドイツが加わる可能性が急速に高まっています。

GCAPとは――2035年配備を目指す日英伊の共同開発計画

GCAP(Global Combat Air Program/グローバル戦闘航空プログラム)は、日本、英国、イタリアの3カ国が2035年の配備を目標に開発を進める次世代戦闘機の共同開発計画です。開発は英国のBAEシステムズ、イタリアのレオナルド、日本の三菱重工業が主導。日本にとっては、中国の脅威に対応する防衛力の中核となるプロジェクトであり、2030年代半ばから退役が始まるF-2戦闘機の後継としての役割が期待されています。

英国首相の支持表明が発端に――前日の独英首脳会談

今回の動きの発端は、2026年10月8日に英国のアンディ・バーナム首相がドイツのフリードリヒ・メルツ首相に対し、GCAPへのドイツ参加を支持する考えを直接伝えたことです。バーナム首相は「イタリアや日本といった他のパートナーと協力しながら、今後この構想を進展させていきたい」と述べており、英国としてドイツの参加を積極的に後押しする構えです。

これを受けてマイヤー氏は定例会見で「非常に好意的に受け止めた」とコメント。その一方で、次世代戦闘機の開発をめぐっては「欧州の枠組みの中で解決策を模索していく」と述べ、ドイツとして国益を主張しながら議論をリードする考えを示唆しました。

なぜ今、ドイツなのか――独仏共同計画の崩壊という転機

ドイツのGCAP参加が取り沙汰される背景には、2026年6月に独仏共同の次世代戦闘機開発計画が崩壊した経緯があります。欧州域内で開発の受け皿を失ったドイツにとって、GCAPは新たな選択肢として映っているのです。

GCAPは当初から参加国の拡大を想定した柔軟な体制をとっており、2026年7月にはカナダが初のオブザーバー国として加わりました。将来的な本格参加への布石とみられ、サウジアラビアも長年、参加に関心を示す国の一つとして名前が挙がっています。

一部の防衛専門家がドイツを「適任」と評価する理由は、国防費の増額傾向と、英国・イタリアとともにユーロファイター・タイフーンの開発・運用実績を共有している点です。英国にとっては、軍事予算に圧力がかかる中で開発コストを分担できる利点があり、イタリアも過去に新規参加国の受け入れに前向きな姿勢を示してきました。

日本の焦点は2035年配備の維持――F-2退役という時間制約

一方、日本は慎重な姿勢を崩していません。日本にとってGCAPの2035年配備目標は、中国の軍事的脅威が高まる中で譲れないラインです。F-2戦闘機が2030年代半ばから退役を開始することを踏まえると、開発の遅延は防衛上の深刻なリスクになり得ます。

実際、一部の幹部からは「新たなパートナーの追加は開発スケジュールの遅延につながりかねない」との警告も出ています。

小泉防衛大臣「第三国との協力は英伊と連携して判断」

小泉進次郎防衛大臣は10月9日、ドイツが参加を打診したかどうかについて明言を避けつつ、「そもそもGCAP自体が、日英伊3カ国の協力に加え、同盟国・同志国の協力を見据えて開発されてきたものです」と指摘。その上で「第三国との協力については、英国、イタリアと連携しながら、GCAPがより良いプログラムになるよう取り組んでいきたい」と述べるにとどめました。

ドイツの参加が実現すれば、GCAPは日英伊の3カ国中心の枠組みから、欧州の政治力学を色濃く反映する体制へと変化します。日本が求める2035年配備の維持と、参加国拡大によるコスト負担軽減を狙う英伊の思惑が交錯する中、今後の調整が次世代戦闘機開発の行方を大きく左右しそうです。

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