パブリッシャーのNo More Robotsは6月19日、IceLemonTea Studioが手がけた異色の面接シミュレーションゲーム『ご応募ありがとうございます』をPC(Steam)向けに配信開始した。本作は「ブラック面接官」を題材に、近未来の荒廃した社会でプレイヤーが企業の面接官となり、応募者の運命を左右する極めてブラックな職場体験を描く。ゲーム内は日本語表示にも対応しており、発売記念セールとして1699円で販売中だ。
『ご応募ありがとうございます』とは?——ブラック企業の面接官を体験するシミュレーション
本作の舞台は、2066年の近未来に位置する架空の都市「空島市」。同市最大の企業に勤める主人公は、幸運にもこの街に住む権利を得たものの、生活の質は決して高くない。日々の家賃や請求書の支払いに追われ、もし支払いができなければホームレスとなり、不法滞在者として街から追放されるという過酷な状況にある。自身も失職の恐怖に怯えながら、面接官として他人の人生を決断する——これが本作の核心だ。
ゲームプレイは大きく「準備パート」「面接パート」「休息パート」の3つに分かれて進行する。準備パートでは、その日のニュースや業務マニュアルを確認し、社会情勢の変化に伴って追加・変更される面接ルールを把握する。確認後は打刻を行い、面接業務を開始する。このプロセス自体が、現実世界での「社畜」的なルーティンを如実に反映している。
電気ショックによる採用チェック——面接官の絶対的権力
面接パートでは、主人公は求職者の合否を決定する。履歴書を確認し、その内容について質問、模範的な回答をするかをチェックする。通常の質問に加えて、電気ショックによる強引な確認方法も可能だ。これは単なるブラックジョークではなく、ゲームシステムとして組み込まれており、応募者の反応を見極めるための手段として機能する。
応募者には、ビザの期限が迫る人や家庭の事情で就職活動をしている人、同郷のふりをしてくる人物など、多様なバックグラウンドを持つキャラクターが登場する。面接官である主人公は、企業側の採用基準に沿って行動するか、それとも自分の判断で採用したい人を選ぶか——その選択はプレイヤーに委ねられる。採用することで追加報酬を得られるキャラクターもおり、自分の利益と請求状況を考慮した立ち回りが求められる。
社会システムの残酷さを描く——ブラック企業の実態
本作は、現実世界での就職活動や職場の残業、苦境からインスピレーションを得て制作された作品だ。開発元のIceLemonTea Studioは香港を拠点とするインディースタジオで、本作が初リリースとなる。「たまたま大企業に入れた」主人公は、採用基準に合わせた自己変革を応募者に強要する業務を続けるうちに、社会システムの残酷さを目の当たりにする。プレイヤーの選択によってストーリーは分岐し、結末も変化するという。
面接パートが終わると、休息パートに移行する。自宅のアパートに戻り、メールの確認やネットショッピング、フォーラムの閲覧などが可能だ。面接業務で得たポイントを使い、精神状態を維持しながら仕事の効率化を図る。このサイクルが、いわゆる「ブラック企業」の社員体験をシミュレートしている点が本作の特徴だ。
配信開始と体験版——まずは無料で試せる
本作は2025年4月30日に最初のデモ版が配信されており、約1年と数ヶ月を経て製品版がリリースされた。配信日決定と同時に、新たな体験版も公開されている。興味があるユーザーは、まず体験版でゲームの雰囲気を確認することを推奨する。
『ご応募ありがとうございます』は、PC(Steam)向けに配信開始。発売記念セールとして1699円で販売中。ブラックな面接官体験を求めるユーザーは、ぜひこの機会にチェックしてみてほしい。