個人開発者アベコベ。氏が手掛ける新作ホラーゲーム『180°』が、本日2026年7月11日よりSteamにて配信を開始した。本作は、通常のホラーゲームとは一線を画す独自のシステムを採用。プレイヤーは謎の存在に追われながらも、決して後ろを振り返ってはいけないという制約のもと、手元のスマートフォンで背後を映しながら逃走するという、極めて特異な体験を強要される。価格は425円(税込)で、リリースを記念して7月18日まで10%オフのセールが実施中だ。
「決して目を離すな」— 逆転の発想が生む新感覚ホラー
『180°』は、不気味な空間で目を覚ました主人公が、謎の存在に執拗に追跡される一人称視点のホラーゲームだ。本作の最大の特徴は、追跡者を視界から外すと距離を一気に詰められてしまうというルールにある。プレイヤーは安全な場所を求めてひたすら前に進みたい衝動に駆られるが、前方だけを見て走れば背後から迫る脅威を見失い、狩られる運命にある。そこで活躍するのが、ゲーム内で所持しているスマートフォンだ。プレイヤーはスマホで背後を映しながら、後ろ歩きで逃走することになる。
この「後ろ向きで逃げる」というアプローチは、既存の追跡ホラーの文法を逆手に取ったものであり、プレイヤーに常に二重の緊張を強いる。前方の移動経路を確認しながら、スマホの画面に映る後方の状況にも神経を尖らせなければならないのだ。画面の中でじわじわと迫る影を確認しながらも、視点を切り替える余裕はない。この緊張感こそが、本作の中核的な体験となっている。
30分で完結する短編構成とジャンプスケア
プレイ時間は約30分の短編構成となっており、インストールしてすぐにプレイを開始し、一気に体験を終えられる設計だ。価格設定も425円と非常に低く、気軽に新感覚ホラーを試してみたいという層に最適といえる。もっとも、開発者は軽度のジャンプスケアが含まれていることを明言しており、恐怖演出が苦手なプレイヤーは事前に注意しておくべきだろう。
本作は、近年のインディーゲームシーンで増加している「短時間で強い印象を残す」スタイルの好例とも言える。プレイヤーは詰め込まれた恐怖体験を、集中力を切らさずに駆け抜けることになる。
スマートフォンというデバイスが生む没入感
特筆すべきは、恐怖の手段としてスマートフォンを採用した点だ。現実世界においてスマートフォンは、情報を得る、連絡を取るための道具だが、本作では「生存のための最後の眼」として機能する。画面に映る不気味な後方世界と、現実のプレイヤーの手にあるコントローラー——このゲーム内と現実のデバイスの結びつきが、独特の没入感を生み出している。単なるバックミラーの代わりではなく、「見てはいけないものを無理に見せられる」という感覚が、プレイヤーの心理的な負荷を増大させるのだ。
リリース記念セールと今後の展望
配信開始を記念したローンチセールは7月18日まで。定価425円が10%オフとなり、実質382円で購入可能だ。短編作品とはいえ、この価格帯で得られる体験としては十分なインパクトがある。ホラーゲームファンはもちろん、新しいゲーム体験を求めるインディーゲーム愛好家にとって、見逃せないタイトルとなるだろう。アベコベ。氏の今後の展開にも注目が集まる。