日本語教師不足が深刻、新制度で36%が教師未確保

新「育成就労制度」移行前に日本語教師不足が深刻化、政府調査で36%が教師未確保と判明。

投稿者 central
ハイライト
  • 調査対象組織の35.9%が日本語教師を確保できず見通しも立っていない。

日本語教師の確保が深刻な問題として浮上している。出入国在留管理庁aと厚生労働省が共同で実施した調査によると、2027年4月に始まる新たな外国人材受け入れ制度「育成就労制度」への移行を前に、回答組織の35.9%が「必要な日本語教師を確保できておらず、その見通しも立っていない」と回答したことが明らかになった。

この調査は、政府が技能実習制度の後継として位置づける「育成就労制度」の施行を目前に控え、日本語教育の受け入れ体制が整っていない実態を浮き彫りにした。新制度では、外国人が日本で働き始める前に、日本語能力試験でA1レベル以上に合格するか、日本語の授業を100時間以上受講することが義務付けられる。これにより、日本語教師の需要が急増することが見込まれていたが、供給がまったく追いついていないのが現状だ。

日本語教師の現状――約2万人の登録者では到底足りない

調査は、技能実習制度を所管する政府関連組織「技能実習機構」のメーリングリストに登録されている1,880の組織を対象に実施された。この中には外国人労働者の支援機関や受け入れ企業が含まれる。10月5日から3日間の調査期間中に、348組織から有効な回答を得た。

結果は極めて厳しい。教師を「十分に確保できている」と回答したのはわずか51組織(14.7%)にとどまった。今後、確保の見通しがあるとしたのは66組織(19.0%)で、残る106組織は「現在対応中」と回答しながらも、確実なメドは立っていない状況だ。

問題をさらに深刻にしているのは、日本語教師の絶対数自体が限られている点だ。2026年8月時点で、登録されている日本語教師の数は約2万人。仮に新制度での需要に加え、現行の技能実習制度で既に教えでいる教師をすべて振り向けたとしても、2027年度の本格稼働には到底届かない可能性が高い。

なぜ教師不足がここまで深刻なのか――発生構造を整理する

教師確保の障がいは複数ある。調査に答えた支援機関や企業からは、「登録されている日本語教師そのものが少ない」「そもそもどこに相談すれば教師を紹介してもらえるかわからない」「教師を探す方法自体がわからない」という声が相次いだ。日本語教師は国家資格制ではなく、登録制にとどまっているため、人材の流出入管理が難しく、不足が生しても迅速な補てんが働かない構造が背景にある。

また、日本語教師の報酬や労働条件が十分に整っていないことも、人材確保の妨げになっていると言える。技能実習生や新制度下の外国人材向けの日本語教育は、多くの場地で非常勤や時間貸し契約が主流を占める。安定した雇用やキャリアパスが不透明なまま、需要だけが高まる事態に対して、現場レベルで対応できる人材が広がりにくいのが実情だ。

政府の認識と今後の展望――「制度の認知不足」という課題

出入国在留管理庁の担当者は、「日本語教師登録制度そのものについて、十分に認知されていない」と指摘する。その上で、「教師確保に向けたさらなる努力を行っていく」と述べている。

具体的な対策としては、まず日本語教師登録制度の周知徹底が必要だ。自治体や業界団体と連携し、潜在的な人材に教師登録を呼びかけていくことが急務となる。さらに、教師の養成課程や研修の充実、給与・労働条件の改善も、並行して進めるべき課題として挙げられる。

日本語教師不足の問題は、単なる人手不足にとどまらない。日本社会が外国人材を「労働力」としてだけでなく、共に生きる社会の一員として迎える上での最初の壁と言える。新制度の施行まで残された時間は限られている。制度の開始時期を前に、現場の混乱を最小限に抑えるためには、教師確保のための具体的なロードマップと、国・自治体・企業が一体となった緊急的な体制整備が今求められている。

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