明治安田、英マン・グループ株5%取得を決定

低金利時代の逆ざやリスクに対応するため、明治安田生命が英マン・グループの株式5%を取得し、2000億円の運用委託も決定した大型提携だ。

投稿者 central
ハイライト
  • 明治安田生命は10月23日、世界最大の公開ヘッジファンド運用会社である英マン・グループの株式5%を約2680億円で取得すると正式に発表した。
  • ロンドン市場では、マン・グループの株価が発表後に一時4.9%上昇し、1カ月以上で最大の日中上昇率を記録した。
  • 明治安田生命は今後3年間で総額2000億円の資産をマン・グループに預託し、運用を委託する方針も併せて示した。

国内の超低金利環境が長期化する中、生命保険各社の間で、伝統的な債券運用の枠を超えたオルタナティブ投資へのシフトが加速している。その象徴的な一手として業界の注目を集めているのが、明治安田生命保険aによる英マン・グループ(Man Group)への大型出資と巨額の運用委託だ。

明治安田生命は10月23日、世界最大の公開ヘッジファンド運用会社であるマン・グループの株式5%を取得すると正式に発表した。取得総額は同日の終値ベースで約1億7900万ポンド(約239億ドル、邦貨換算で約2680億円)。これに加えて、今後3年間で総額2000億円(約13億ドル)の資産を同社に預託し、運用を委託する方針も併せて明らかにしている。

国内の「金利なき時代」がもたらした決断

日本の生命保険業界は、長引く低金利政策により、国内債中心の伝統的なポートフォリオ運用だけでは、保険金支払いに備えるための十分なリターンを確保することが困難な状況に直面している。このいわゆる「逆ざや」リスクに対処するため、メガ生保を中心に海外のプライベートクレジットやインフラファンドなど、オルタナティブ資産への配分を急速に増やしている。

今回の明治安田生命によるマン・グループへの出資は、株式取得を通じて経営への関与(ガバナンス)を確保しつつ、大規模な運用委託でリターンを享受するという、これまでにない二層構造のスキームとして注目される。マン・グループは、株式市場やマクロ経済の定量分析に強みを持つクオンツ系ヘッジファンドであり、同社の高度なリスク管理能力にアクセスできる点も、今回の提携の大きなメリットとみられる。

ロンドン市場、好感触—株価4.9%上昇

この大型契約の発表を受けて、ロンドン市場ではマン・グループの株価が一時4.9%上昇した。1カ月以上で最大の日中上昇率を記録しており、市場は今回の資本・業務提携を極めて好意的に受け止めたことがわかる。日本企業からの安定的かつ長期的な資金フローが見込める点が、投資家の信頼感を一気に高めた形だ。

日本の巨大資金が海外運用会社に向かう意味

明治安田生命によるこの決断は、国内の他の機関投資家にとっても無視できない先例となる。公的年金基金や他の生保各社は、従来の債券・株式中心の運用から、よりリスクテイクを伴うオルタナティブ戦略へのシフトを模索している。明治安田生命が今回、世界トップクラスのヘッジファンドと資本・業務の両面で強固な関係を築いたことは、今後の業界の流れを大きく変える「呼び水」となる可能性がある。

ただし、外貨建てのヘッジファンド運用には、為替変動リスクや高いボラティリティといったリスクが付きまとう。同社の戦略が想定通りの成果を挙げられるかどうかは、今後のマーケット環境とマン・グループのパフォーマンス次第。業界全体がその成否を固唾を飲んで見守っている。

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