アパレル企業のANAPホールディングスは15日、2026年8月期(2025年9月〜2026年8月)の連結決算で、ビットコイン(BTC)の評価損43億7,466万円を営業外費用として計上したと発表しました。前期に約12億円の評価益を計上していた暗号資産関連の損益が一転して大幅な損失となり、経常損失は67億6,200万円、最終損失は73億2,300万円に達しています。
前期の評価益12億円から一転、ビットコイン評価損43.7億円を計上
評価損の対象になったのは、連結子会社のANAPライトニングキャピタルが2026年8月31日時点で保有するビットコインです。期末時点の市場価格で評価した結果、帳簿価額を下回ったため、その差額を営業外費用として処理したものです。
前期(2025年8月期)には約12億円の評価益を計上していました。評価益から評価損への反転により、暗号資産関連の損益は約56億円悪化した計算になります。ビットコインの値動きが、そのまま連結決算の最終損益に反映される構図が改めて浮き彫りになっています。
経常損失67.6億円、最終損失73.2億円——2026年8月期決算の全体像
売上高は前期比20.0%増となり、増収を確保しました。その一方で、経常損失は67億6,200万円、最終損失は73億2,300万円を計上しており、ビットコインの評価損が収益を大きく圧迫する結果となっています。
| 項目 | 2026年8月期の実績 |
|---|---|
| 売上高 | 前期比20.0%増 |
| 経常損失 | 67億6,200万円 |
| 最終損失 | 73億2,300万円 |
| 暗号資産評価損 | 43億7,466万円(営業外費用) |
暗号資産評価損とは何か——期末時価評価の仕組みと影響
暗号資産評価損とは、企業が期末時点で保有する暗号資産(仮想通貨)を時価で評価し直した際に、取得原価を下回ることで生じる損失です。日本の会計基準では、期末日の市場価格との差額を当期の損失として損益計算書に計上することが求められます。
この仕組みにより、ビットコインを保有する企業は本業の業績とは別に、暗号資産の価格変動による損益を毎期計上することになります。価格が上昇すれば評価益、下落すれば評価損が発生するため、決算の予測が難しくなる要因にもなっています。
ビットコイン保有を続けるANAP——次期業績を左右する変数
アパレル事業を中核とする同社グループは、連結子会社を通じてビットコインを保有する戦略を続けています。今回の評価損計上は、暗号資産投資が企業業績に与える影響の大きさを改めて示す結果となりました。
今後も保有ビットコインの時価変動は、次期2027年8月期の業績に直接影響します。ビットコイン市場の動向次第では再び評価益を計上する局面も考えられますが、価格変動リスクを抱えた状態が続くことに変わりはありません。本業の成長と財務戦略のバランスが、投資家から改めて問われることになりそうです。