Lefto Studioは2026年6月16日、開発中の新作タイトル「BOMBANANA!」のデモ版をリリースした。本作は、爆発寸前の爆弾を前に、3匹のサルたちがそれぞれの能力を駆使して解除を目指す、まったく新しいタイプの協力型パズルゲームである。プレイヤーは「目が見えないサル」「口がきけないサル」「耳が聞こえないサル」の3体を操作し、限られたコミュニケーション手段のみを頼りに、刻一刻と迫るタイムリミットに対処しなければならない。
すでにSteamストアページで公開されているトレイラーでは、3匹のサルたちが混沌とした状況の中で奮闘する様子が確認できる。誤解や行き違いが連鎖する中で、いかにしてチームとしての意思疎通を成立させるか。本作の核心は、この「不完全な情報伝達」をゲームデザインとして昇華した点にある。
3匹のサルが担う、たったひとつの役割
それぞれのサルには、明確に定義された役割と制約が存在する。爆弾解除のマニュアルを唯一読むことができるのは「口がきけないサル」だ。彼は見た情報を声に出して伝えることができないため、隣にいる「耳が聞こえないサル」に対して、唯一許された手段であるボディランゲージで指示を伝えなければならない。
ここで重要なのは、「耳が聞こえないサル」は音が聞こえない代わりに、視覚情報を処理して爆弾に直接触れることができる「目が見えないサル」に、解除方法を伝達する役割を担う点だ。しかし、彼は口がきけないわけではないため、言葉を発することは可能である。つまり、情報の受け渡しは「口がきけないサル→耳が聞こえないサル→目が見えないサル」という一方向のチェーンではなく、プレイヤー同士がその場で臨機応変に方法を編み出していく、動的なコミュニケーションが求められる設計となっている。
「誤解」を乗り越える協力体験
本作の最大の特徴は、いわゆる「正しい攻略法」が存在しない点にある。どのようなジェスチャーがどの配線に対応するのか、誰がどのタイミングで情報を確認するのか。これらのルールは、プレイするチームごとにゼロから構築していく必要がある。開発元であるLefto Studioは、この設計意図について「大量の誤解をくぐり抜け、3人の力を合わせてさまざまな難度の爆弾解除に挑んでほしい」とコメントしている。
この「誤解を楽しむ」というアプローチは、従来の協力ゲームが重視してきた「正確な情報共有」とは一線を画す。むしろ、情報が欠落しているからこそ生まれるコミュニケーションの面白さに焦点が当てられており、同じチームで繰り返しプレイするたびに、新たな「暗号」や「合図」が編み出されていくプロセスそのものがゲーム体験の核となるだろう。
デモ版で味わえる、本作のエッセンス
今回配信が開始されたデモ版では、製品版に先駆けて、このユニークなゲームプレイを実際に体験することができる。デモ版で収録されている内容は、爆弾解除の基本を学ぶための導入的なステージ構成となっているが、それでも本作の根幹をなす「限界コミュニケーション」の難しさと面白さを十分に味わえる内容だ。
なお、デモ版はオンライン協力プレイに対応しているかどうかについて、現時点では明らかにされていない。製品版では、3人でのオンライン協力プレイが実装される予定であり、リモート環境にあるフレンド同士で、画面越しにジェスチャーや声を駆使したコミュニケーションを楽しめるようになる見込みだ。
発売時期と今後の展開
「BOMBANANA!」の製品版は、Steamにて2026年内の発売を予定している。このデモ版のリリースは、発売に向けたマーケティングの一環として位置づけられており、開発チームはプレイヤーからのフィードバックを積極的に収集し、本編のクオリティ向上に役立てる方針だ。
近年のインディーゲームシーンでは、非対称性やコミュニケーション不全をテーマにした協力ゲームが注目を集めているが、本作はその中でも特に「情報伝達のジレンマ」を純度100%で抽出した意欲作と言える。日本語を含む複数言語にも対応予定であり、国内のパーティーゲームファンからも注目が集まっている。