今週もSteamは多彩な新作が目白押しだ。特に目を引くのが、異星人とのファーストコンタクトを数学と科学だけで試みるパズルアドベンチャー「The Message from Deep Space」や、暴走ロボットによってめちゃくちゃになったスーパーマーケットを一つ一つ片づけていく整理整頓シム「Supermarket Chaos」といった、一風変わったテーマのタイトルが揃っている点だ。他にも、頼りない仲間を回復で支えるインクリメンタルRPG、カルトホラー、猫が主人公の倉庫番パズル、そして「がんばれゴエモン」シリーズ初の公式コレクションなど、ジャンルも趣向も実に多彩。本稿では、これらの注目作をピックアップして詳しく紹介する。
「The Message from Deep Space」—数学と科学だけが頼り、異星との対話
1973年の地球を舞台に、隕石から届く電波を解読していくパズルアドベンチャー。プレイヤーは調査チームの通訳者として、言語学者やプログラマーらと協力し、数学と科学という普遍的な言語だけを手がかりに異星人からのメッセージをゼロから読み解いていく。周波数を調整して返信を設計し、正しく応答することで次の信号を引き出すという「手探りの対話」が特徴だ。未知とのコンタクトを、SF的なガジェットではなく、あくまで論理的思考で紡いでいく体験は、他に類を見ない。
「Master Healer Kale with useless party」—役立たずの仲間を回復で支えるインクリメンタルRPG
魔王討伐を目指すヒーラー「ケイル」を主人公とするインクリメンタルRPG。戦闘は自動で進行し、プレイヤーの役割は回復や強化でパーティを生き延びさせること。居眠りばかりのタンク、新米アーチャー、優秀だが口の悪い魔法使いという「頼りない仲間」を支えながら、ダンジョンやボスに挑む。200以上のスキルを解禁できるスキルツリーによる育成要素も見どころで、ヒーラー主体の逆転の発想が光る。
「Supermarket Chaos」—4600点以上の商品を正しい棚に戻す、癒やしの片づけシム
散らかったスーパーマーケットの整理整頓を題材にした、落ち着いて遊べるシミュレーションゲーム。片づけロボットの暴走で全商品が定位置を失った店内で、プレイヤーは商品を一つずつ拾い上げ、正しい売り場と値札を確認しながら並べ直していく。果物やワイン、ラーメンなど16の売り場へ、4600点超の商品を戻す作業は、時間制限やゲームオーバーもなく、まさに「整える喜び」を追求した一品。近年人気の整理整頓シムの流れを汲む作品として注目したい。
「Feed The Pit」—カードを使った推理と探索が交錯する一人称ホラー
「ピット」と呼ばれる存在を崇めるカルトに加わり、森に潜む富裕層を狩る一人称視点の探索ホラーゲーム。プレイヤーは標的の居場所を問う魔法のカードを手がかりに、限られた手札から質問を重ね、広大な森の中で獲物の位置を1か所まで絞り込んでいく。任務ごとに姿を変える正体不明の怪物の生態を探りつつ、分岐する物語を生き延びるという、推理とホラーが融合した独特のゲーム性が魅力だ。
「Cat Squeeze」—子猫ココが壁を吹き飛ばす、倉庫番系パズル
山ほどの干物を求めて猫神の試練に挑む子猫「ココ」が主人公の、倉庫番系パズルゲーム。壁や箱、パイプの配置を読み解き、箱を押し動かしながら、ココがパイプから飛び出して壁を吹き飛ばせる位置を見極めていく。花畑、雨林、遺跡、雪原とエリアが進むごとに新たな仕掛けが加わり、かわいらしい見た目に反して歯ごたえのあるパズルが楽しめる。
「がんばれゴエモン大集合!」—シリーズ初の公式コレクション、全13タイトル収録
ファミコン・スーパーファミコン・ゲームボーイで展開された「がんばれゴエモン」シリーズの名作を集めた、シリーズ初の公式コレクション。1986年の「からくり道中」から「ゆき姫救出絵巻」「奇天烈将軍マッギネス」まで、初移植4作を含む全13タイトルを収録。巻き戻しやクイックセーブなど現代向けの補助機能も備えており、当時を懐かしむファンはもちろん、初めて触れる層にもおすすめの一本。
「Beso’s Shawarma」—深夜のシャワルマ店へ向かう、PSX風ナラティブホラー
深夜2時の電話を発端に、PSX風のローファイな映像で描かれる一人称視点のナラティブホラー。友人に呼び出されたプレイヤーは、人けのない夜道を抜けて怪しげなシャワルマ店を目指すうち、悪夢のように歪んだジョージアの首都へ迷い込んでいく。闇に潜む得体の知れない人物との会話が世界の空気や物音を少しずつ変えていき、選んだ道によって結末が枝分かれする。独特の雰囲気と語り口で注目を集める作品だ。
今週のSteam新作は、パズル、ホラー、シム、RPGと実にバラエティに富んでいる。中でも「Supermarket Chaos」のような整理整頓シムは、昨今の「気持ちよく片づける」体験を求めるトレンドを反映しており、コアゲーマーだけでなくカジュアル層にも訴求するジャンルとして定着しつつある。一方で「The Message from Deep Space」のような、知的な挑戦を軸に据えたパズルADVも健在で、Steamならではの多様性が改めて感じられる週となった。どのタイトルも無料デモや体験版が用意されているものもあるので、気になるものがあればまずは試してみることをおすすめする。