ユーロ/米ドルが1.12ドル台まで買い戻され、8月下旬から続いた下落局面が一服している。FXアナリストの田向宏行氏は、1.15ドル台から積み上げてきた売りポジションの利確を推奨。相場は8月21日(金)の高値1.1711ドルから10月14日(水)の安値1.1112ドルまで約2カ月で約600pips下落しており、11月3日(火)の米中間選挙を控えて様子見モードに入る可能性が高い。
ユーロ/米ドル、約2カ月で約600pips下落 — 1.12ドル台で利確のタイミング
田向氏は前回コラムで、8月の1.1668ドルから売り戦略を開始し、ピラミッディングでポジションを積み増してきた経緯を説明している。フランス国債の混乱が注目される1カ月以上前から、チャート上では下落トレンドが形成されていたという。
実際の値動きを振り返ると、8月21日(金)の高値1.1711ドルから10月14日(水)の安値1.1112ドルまで約600pipsの下落。およそ2カ月の間に、利益を狙える局面が2度あったという。
1度目は8月の1.17ドル割れから9月初めの1.16ドル付近にかけて。2度目は9月半ばの1.15ドル台から10月半ばの1.12ドル台にかけてで、合わせて約300pipsの利益を狙える水準だった。
メルマガでは日足チャートをベースに売りを推奨してきたが、10月14日(水)に安値1.1112ドルを付けた後はスタンスを変更。1.12ドル台に戻したところで売りポジションの利確を呼びかけている。
| 局面 | 値動き | 対応 |
|---|---|---|
| 第1波 | 8月の1.17ドル割れ → 9月初めの1.16ドル付近 | 売りエントリー |
| 第2波 | 9月半ばの1.15ドル台 → 10月半ばの1.12ドル台 | ポジション積み増し |
| 利確局面 | 10月14日安値1.1112ドル → 1.12ドル台への戻り | 売りポジションの利確 |
「欧州リスク=ユーロ売り」はなぜ成立しないのか
フランスで発生した暴動はイタリアにも波及しつつあるが、ユーロ/米ドルは売り込まれるどころか買い戻されている。「欧州が荒れるからユーロが売られる」という単純な図式は、実際の市場では成立していない。
そもそもFXは2国間の通貨価値の比較だ。どちらか一方の話題だけに注目すれば、もう一方を見落とすことになる。田向氏は「ネットを通じて素人が知り得る程度のニュースを追っても、後追いになる」と指摘する。
コンプライアンスが厳格化した現代の金融市場で、内部関係者が情報を外部に漏らすとは考えにくい。そのリスクはあまりにも大きいからだ。結果として一般に届く情報は重要度が低く、遅いものになりやすい。実際、マーケットは情報より先に動いているケースが多い。
そこで田向氏が重視するのが、売り手と買い手のどちらが多いかという需給バランスの視点だ。チャートから需給を分析する方が値動きを取りやすくなるという判断で、フランスの混乱がニュースになる前から相場が下落していたのも、需給の変化が情報に先んじて表れていたためと理解できる。
米中間選挙を控え、ユーロ/米ドルはどう動く?
11月3日(火)の米中間選挙を前に、ユーロ/米ドルを含む為替市場全般は動きにくい展開が想定される。世界で最も取引量が多いユーロ/米ドルの下落が止まったのは、市場が投開票を見据えて様子見姿勢を強めている可能性が高いためだ。
これは株式市場も同様で、金融市場全体でそれまでの値動きが巻き戻されるか、動意が鈍ると見込まれる。しばらくは手を出しにくい相場が続くとの見立てだ。
「積極的にリスクを取る場面ではない」と田向氏は警鐘を鳴らす。あえてリスクを取るならどのような戦略が有効かは、メルマガで詳しく解説している。
市場が再び動意づくのは、米中間選挙の結果が判明してからになる可能性が高い。それまでの間は値動きが鈍い局面が続くと見込まれ、反射的な売買は禁物だ。チャート上の需給バランスを見極めながら、次のトレンドの兆しを待つ姿勢が求められる。
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