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ビットバンクは25日、連結子会社の日本デジタルアセットトラスト設立準備株式会社(JADAT)の全株式を、三井住友信託銀行に譲渡すると発表した。譲渡は10月1日付で実施される予定で、譲渡価額は非公表。譲渡後、JADATは三井住友トラストグループ傘下の完全子会社となる。
JADATとは——暗号資産・ST・NFTの保管を担う信託会社
JADAT(日本デジタルアセットトラスト設立準備株式会社)とは、ビットバンクが暗号資産(仮想通貨)やセキュリティトークン、NFTなどのデジタル資産の保管を担う信託会社として設立を進めてきた準備会社である。デジタル資産を信託の仕組みで管理する構想のもと、設立準備が進められてきた。
従来、暗号資産の保管は取引所自身がウォレットを管理する形態が一般的だった。しかし、取引所の経営破綻や不正流出などのリスクを踏まえ、第三者による管理の重要性が指摘されている。JADATはそうしたニーズに応える存在として期待されていたが、今回の株式譲渡により、ビットバンクはデジタル資産の信託・カストディ事業から事実上撤退する。経営資源を暗号資産取引所事業などの中核分野に集中させる方針とみられる。
譲渡の背景——SBI HDのグループ戦略と三井住友信託銀行の展望
ビットバンクの完全子会社化を進めるSBIホールディングス(SBI HD)も、25日付で自社サイトに同じ内容のリリースを掲載している。同社はこれまで、暗号資産取引所やブロックチェーン関連事業への投資を積極的に拡大してきた。その過程でビットバンクの完全子会社化を決定しており、今回のJADAT譲渡も、グループのデジタル資産戦略を見直す過程の一環と位置づけられる。
取引所事業との連携を重視するSBI HDは、ビットバンクの完全子会社化を通じて、暗号資産ビジネスの中核を固めつつある。その一方で、信託・カストディ事業については、三井住友信託銀行という専門性の高いプレイヤーに譲る判断を下した形だ。
譲受側の三井住友信託銀行は、信託・カストディ業務に強みを持つ国内有数の信託銀行である。JADATの持つデジタル資産の保管・管理に関する知見を取り込むことで、機関投資家向けの暗号資産カストディサービスや、セキュリティトークン発行支援などの事業を本格化させる狙いがあるとみられる。
国内では、暗号資産取引所と伝統的金融機関との連携が徐々に広がりを見せている。今回のJADAT譲渡は、その流れを象徴する取引の一つだ。三井住友信託銀行がJADATをどのように事業に活用していくのか。そしてビットバンクとSBI HDが今後、デジタル資産ビジネスをどのように再編していくのか。暗号資産市場の新たな構造変化を予感させる出来事として、今後の動向が注目される。