個人ゲーム開発者のPocke氏は9月4日、ブラウザゲーム『ネスゴシ』を無料公開した。PCおよびスマートフォンのブラウザからインストール不要でプレイでき、日本全国約600路線・約8800駅を収録した駅当てゲームだ。寝過ごして知らない駅で目を覚ました設定のもと、窓外に見える路線図を手がかりに現在地を推理するというユニークなゲーム性が話題を集めている。
「寝過ごし」をテーマにしたゲームプレイの仕組み
ゲーム開始時に表示されるのは、現在地を示す明るい点と、そこから伸びる線路、隣接する駅のみ。駅名や路線名はすべて伏せられており、難易度によっては駅名の頭文字などがヒントとして表示される。プレイヤーは路線図の外側にある駅を選択することで、その方向へ線路をたどっていく。この際、1駅ずつ開くとは限らず、乗換駅や終点に到達するまで複数の駅が連続して現れることもある。最初は数本の線しか見えなかった路線図が、ターンを重ねるごとに枝分かれし、複数の路線が入り交じる大きな図へと広がっていく仕組みだ。
場所の見当がついたら、「駅名を当てる」機能から表示済みの駅をひとつ選び、その名前を回答する。回答する駅は最初に選ばれた現在地である必要はなく、路線図上に現れている駅ならどこでも構わない。さらに、回答を外しても「お手つき」が増えるだけで、何度でも挑戦可能。できるだけ少ないターン数で駅を当てることに加え、最初にいた駅からなるべく近い駅を回答することもスコアに影響するため、戦略的なルート探索が求められる。
3つのモードで楽しめる多彩なプレイスタイル
ゲームモードは「今日の問題」「乗り放題」「ぶらり旅」の3種類が用意されている。「今日の問題」は全プレイヤーに共通する問題が1日1問出題されるモードで、連続プレイ日数も記録される。結果は駅名や路線名を伏せたままSNSへ共有可能だ。「乗り放題」では日付に関係なく別の問題に何度でも挑戦でき、イージー・ノーマル・ハードの難易度選択に加え、駅名の頭文字や方角などのヒントを自分で設定するカスタムにも対応。ハードでは駅名の頭文字や方角も表示されず、路線図そのものから場所を割り出すことになる。一方「ぶらり旅」は、好きな駅を出発点として自由に線路をたどれるモードで、当てるべき駅は存在せず、出現した駅の名前も最初から表示される。道後温泉から松山市内の路面電車をたどるなど、駅当てとは別に各地の路線網そのものを眺めて楽しめる。
実際の鉄道データをゲームに落とし込む工夫
本作では、駅の位置を実際の緯度経度をもとに描画しており、データには「駅データ.jp」を利用。在来線や地下鉄、路面電車、モノレール・新交通システム、さらには新幹線まで収録対象としている。一方でケーブルカーやBRT(バス高速輸送システム)など一部の路線は対象外だ。こうした実データをゲームに落とし込むにあたり、乗換駅の扱いに調整が加えられている。たとえば、複数系統が同じ経路を走る路面電車では、単純に複数路線が通っているだけで乗換駅と判定すると、線路をたどっても1駅ずつしか開けなくなる。そのため、複数路線が通る駅でも線路が分岐しなければ乗換駅として扱わない仕組みを採用。また、駅名が異なる駅同士でも乗換駅として扱うケースがあり、溝の口駅と武蔵溝ノ口駅、永田町駅と赤坂見附駅などが該当する。さらに、舞浜駅とリゾートゲートウェイ・ステーションについては、元データでは乗換駅ではないものの、『ネスゴシ』側で乗換駅として設定。これはディズニーリゾートラインがほかの路線から孤立することを避けるためだという。沖縄県の「ゆいレール」は本土の鉄道路線と接続しない孤立路線だが、Pocke氏は「これはこれで面白い」として収録している。
Claude AIを活用した短期開発
本作の開発は発案から1週間強でリリースされたという。開発にはClaude ChatおよびClaude Codeを活用。最初にゲームの仕様をまとめた文書を作成し、Claude Codeにタスクを分割させたうえで、試作やテストプレイを経て本実装を進めていったそうだ。タイトル『ネスゴシ』についても、Claudeとのやり取りの中で提案された名前を採用したとのこと。駅名を隠してしまえば見慣れた路線も一転して正体不明の図形となる本作は、鉄道に詳しいユーザーはもちろん、路線図を眺めるのが好きなユーザーにも新たな発見を提供するだろう。『ネスゴシ』はPC/スマートフォン向けブラウザゲームとして無料公開中だ。