竹内順子、ヒーローに共通するのは未来への希望と語る

声優・竹内順子がAnime NYCで独占インタビュー。ヒーローに共通する希望とナルト役の変化を語る。

投稿者 central
竹内順子、ヒーローに共通
ハイライト
  • 竹内順子はヒーローの共通点として未来への希望を挙げている。
  • ナルト役を演じる中で声のトーンや重みを成長に合わせて変化させた。
  • 竹内順子の飼い猫の名前が作中に登場するエピソードを明かした。

声優・竹内順子氏が、Anime NYC 2026にて本誌の独占インタビューに応じた。「NARUTO -ナルト-」のうずまきナルト役、「HUNTER×HUNTER」(1999年版)のゴン役、「リボーン」のランボ役、「イナズマイレブン」の円堂守役など、少年漫画の主人公を中心に数多くのキャラクターを演じてきたレジェンド声優は、ヒーローの本質、そしてデジタル時代に急速に変化するアニメ業界とファンとの向き合い方について、自身の言葉で深く語った。

ヒーローの共通項——未来への希望

数多くのヒーロー像を体現してきた竹内氏だが、彼女が考える「ヒーロー」の共通点は、時代や作品を超えて一貫しているという。「どの時代の、どの作品のヒーローにも共通しているのは、『未来への希望』を持っていることです。役柄や声質、性格がどう変わろうとも、その部分だけは常に意識して演じています」と力強く語る。

かつては、クールで口数の少ない「サスケ」のような役柄に憧れていた時期もあったと明かす。しかし、数多くのオファーを受ける中で、感情を大きく表現し、視聴者に希望を届けるキャラクターにこそ自身の真価があると悟ったという。この自己認識の変遷こそが、30年近いキャリアの中で彼女がヒーロー像と向き合い続けてきた証と言えるだろう。

「ナルト」とともに歩んだ年月——声の変化と守るものの変化

何より象徴的なのは、うずまきナルトというキャラクターを、少年期から父の代まで一貫して演じ続けてきたことだ。

「技術的な面で言えば、私は女性なので、ナルトの成長に合わせて声のトーンや重みを意識的に変化させてきました。思春期を経て声が成熟していくプロセスを演じるのは、大きな挑戦でした」と語る。声の高さや勢いだけでなく、キャラクターの「落ち着き」を表現するために、話す速度や間の取り方も年齢とともに巧みに変化させてきたという。

そして何より、ナルトというキャラクターの根底にある「守るもの」の変化を最重要視している。「幼い頃のナルトは『自分を認めさせること』が全てでした。しかし、成長するにつれて、それは『仲間』『家族』そして『里』を守ることへと変化しました。守る対象が変わることで、キャラクターの感情の核は根本的に変わります。その変化に常に寄り添うことが、長年この役を続けられた理由かもしれません」

まさに、声優とキャラクターが共に成長してきたからこそ語れる深い洞察である。

変わりゆく声優業界と「武器」としての声

ロングランシリーズと季節ごとの短期シリーズの違いについて、竹内氏は「演じる愛情や努力の量に差はないが、共演者との距離感は変わる」と語る。日本のアフレコ現場では、同じ回の出演者が一堂に会して録るスタイルが一般的であり、シリーズが長くなるほどスタッフやキャストとの「濃さ」や「親密さ」が増すという。逆に、短期シリーズではすぐに仲良くなるが、すぐに別れが来る寂しさもあると、業界の変化を客観視する。

また、リメイク作品と新作へのアプローチの違いについても興味深い考察を聞かせてくれた。「リメイクでは過去の自分と、新作では現在の自分との戦いになります。同じキャラクターであっても、時間を経た自分の解釈や声の変化と向き合う作業は、全く新しい役を演じるのとはまた違った難しさがあります」

そして、大きく変わったのがファンとの接し方だ。「あまり言いたくないことですが、私は基本的に人前に立つタイプではありません。私の武器はあくまで『声』です。しかし近年は、イベントやコンベンションで顔を売り、キャラクターではなく『竹内順子』という人間性を求められる機会が格段に増えました。それには、正直なところ少なからず戸惑いを感じています」と、飾らない本音を漏らした。

さらに、SNSや動画配信サービスの普及に伴う「誤解」のリスクについても警鐘を鳴らす。インタビューの内容がショート動画や見出しだけで切り取られ、本来の意図とは異なる形で拡散されるケースが増えているからだ。「だからこそ、今回のこのインタビューを含め、メディアとの応対には以前よりはるかに深く思考を巡らせるようになりました。一言一言をどう伝えれば誤解されず、真意が届くのか。そのためには、メディアとインタビュイーの間の絶対的な信頼関係が必要不可欠です」と、現代の情報伝達の難しさと、プロフェッショナルとしての向き合い方を力説した。これは、本記事を読んでいる読者自身にも突きつけられた、重いメッセージと言えるだろう。

少年役を演じること、女性声優として

少年役を演じる機会が多いことについては、ファンから直接「ナルトに育てられた」「人生を変えられた」という言葉をかけられることが、この上ない誇りだと語る。

男女の声の演じ分けについては「特に意識はしていません。性別ではなく、『そのキャラクターの人間性』を追及することが全てです」と明確に述べた。業界における女性声優の立ち位置の変化については、自身のキャリアが長く、実感としては変化を感じにくいとしつつも、「若い世代の声優には、より多様な役柄のチャンスが広がっているのではないか」と期待を寄せる。

キャラクターソングと微笑ましいエピソード

2000年代に多く制作されたキャラクターソングについては、その意義を強く支持する。「ナルトが歌うなら、決してプロ並みに上手であってはならないと思います。大切なのは『あのキャラクターがどう歌うか』という表現です。ファンの皆さんも、私が素晴らしいシンガーであることではなく、ナルトがそこにいることを聴きたいのだと思います。そうした機会がもっと増えれば嬉しいですね」

最後に、インタビューを締めくくるとっておきのエピソードを聞かせてくれた。作中に登場するサスケの「忍猫」、デンカとヒナについて尋ねると、「あれ、実は私の飼い猫の名前なんです(笑)。岸本先生がそのまま使ってくださって……。ナルトはガマブン太も素晴らしいですが、やはり猫派の私としてはサスケが少し羨ましいです」と笑顔を見せた。長年の付き合いだからこその、制作陣との信頼関係を感じさせる、微笑ましい逸話である。

竹内順子氏のキャリアは、アニメというメディアの普遍的な力——すなわち「未来への希望」を体現し続けてきた。業界の変化に柔軟に対応しつつも、声優としての核を決して曲げないその姿勢は、まさに彼女が演じてきたヒーローたちそのものだ。竹内氏は、ニューヨーク・コミコン2026にも出演予定であり、引き続きその活躍から目が離せない。

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