KADOKAWA、5スタジオ統合StudioOneBase2026年11月設立へ

KADOKAWAが5つのアニメスタジオを統合し、新会社Studio One Baseを2026年11月に設立することを発表。

投稿者 central
ハイライト
  • KADOKAWAはENGI、Studio KADANなど5社を統合し、Studio One Baseを設立する。
  • 新会社は東京都豊島区のサンシャインシティ内に本社を置き、総面積約1,400坪となる。
  • 各スタジオのブランドは維持されつつ、バックオフィス統一による効率化を図る。

KADOKAWAは、アニメーション制作子会社5社を統合し、新会社「Studio One Base」を2026年11月に設立すると発表した。同社はこれに先立ち、9月30日には電撃文庫と電撃の新文芸を自社コーポレートサイトへ統合することも明らかにしている。アニメスタジオの再編は、持続可能な制作環境の構築とグローバルに拡大するアニメ需要への対応が目的だ。

統合対象となるのは、ENGI(『メダリスト』『探偵はもう、死んでいる。』)、Studio KADAN、Chiptune、Bellnox Films、Raging Bullの5社。KADOKAWAはこの再編により、アニメ制作体制の強化とクリエイターにとってより持続可能な労働環境の実現を目指す。特にChiptuneは2025年2月にKADOKAWAが買収したばかりで、アニメ制作パイプラインの効率化、品質管理の向上、次世代コンポジット人材の育成を目的としている。

Studio One Baseとは——新たなアニメ制作拠点の全容

Studio One Baseは、東京都豊島区のサンシャインシティ内にKADOKAWAが新設するアニメーション制作拠点に本社を置く。この施設自体も「Studio One Base」の名称を持ち、2026年秋に開業予定。総面積は約1,400坪(約4,600平方メートル)に上り、KADOKAWAグループのアニメ制作の中核拠点となる。今回の統合は2026年3月に発表済みで、設立スケジュールを正式に確定させた形だ。

企業統合にもかかわらず、既存のスタジオ名——ENGI、Studio KADAN、Chiptune、Bellnox Films、Raging Bull——は引き続き使用される。各スタジオの制作ライン、ブランディング、個々の強みは新しい体制のもとでも維持される。KADOKAWAのトップである夏野剛CEOは今年初め、「アニメ・出版会社が多すぎる」と業界の現状を批判的に指摘しており、複数企業のバックオフィスを統一することでクリエイターが制作そのものに集中できる環境を整える狙いがある。

5スタジオ統合によるシナジー効果と目指す姿

新会社では、経営管理やバックオフィス業務を一元化し、従業員の福利厚生、労働条件、スケジューリング、業務運営の改善を進める。KADOKAWAは、統一された体制によりクリエイターがより直接的に制作に専念できるようになり、スケジュールの安定化、品質と生産性の向上につながると説明している。

もう一つの重要な目標は、アニメーション、3DCG、撮影、美術制作といった5つのスタジオが持つ異なるケイパビリティを結集することだ。チームを単一拠点に集約することで、ナレッジ共有の促進、人材交流、若手クリエイターの育成を強化し、大規模プロジェクトにおけるスタジオ間の協業も容易になる。

KADOKAWAによれば、グループのアニメスタジオは2018年以降、合計48作品・486エピソードを制作している(各スタジオがグループに加入する前の作品は除く)。なお、KADOKAWAは5スタジオのほかに動画工房(『【推しの子】』『できそこないの姫君たち』)も傘下に持ち、キネマシトラス(『盾の勇者の成り上がり』『グッバイ、ララ』)には31.8%出資している。

Studio One Baseの基本情報——Q&A形式で整理

Q: Studio One Baseとは何ですか?
A: KADOKAWAが5つのアニメ制作子会社を統合して2026年11月に設立する新会社。サンシャインシティに約4,600平方メートルの制作拠点を持ち、約310名の従業員を擁する。

新会社はKADOKAWAが全額出資し、代表取締役社長には菊池剛氏が就任。KADOKAWAのアニメ最高責任者である田中翔チーフアニメオフィサーは、「グローバルなアニメ需要が拡大し続ける中、各スタジオの個性と創造力を維持しながら、より持続可能な制作基盤を構築していく」とコメントしている。

業界再編の流れとKADOKAWAの戦略

KADOKAWAによる今回のスタジオ統合は、アニメ業界全体で進む再編の流れを象徴する動きだ。制作本数の増加に伴い、人材不足や労働環境の悪化が長年課題となっており、スタジオの統合・集約による効率化とブランド力の強化が業界全体のトレンドになりつつある。

特に、バックオフィスの統一によるコスト削減と、単一拠点での共同作業によるノウハウの共有は、中堅・小規模スタジオが抱える経営課題への有効な解決策として注目される。KADOKAWAは、電撃文庫の自社サイト統合など出版部門でもデジタルシフトを加速しており、グループ全体でコンテンツIPの創造基盤を強化する方針だ。

2026年11月の新会社設立を機に、KADOKAWAグループのアニメ制作がどのように進化するのか。各スタジオの個性を残しながら、大規模な協業をどう実現するか——その手腕が業界全体の注目を集めている。

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