NTTドコモは7月10日、電解質をゲル状にすることで発火リスクを大幅に低減した「準固体モバイルバッテリー01M」を、全国のドコモショップおよびドコモオンラインショップで発売した。容量は10000mAhで、カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色。価格は5500円(税込)だ。併せて、過去にドコモで購入した不要なモバイルバッテリーを無料で回収するサービスも、同日から全国のドコモショップで開始されている。
準固体電池とは——液体含有量を約7%に抑えた安全設計
本製品の最大の特徴は、内部の液体含有量を約7%にまで抑え、電解質をゲル状にした「準固体電池」を採用している点だ。従来の液体型リチウムイオン電池と比較して、液漏れや気化が発生しにくい構造となっている。外部からの衝撃による液漏れや、短絡(ショート)時の過剰な発熱も抑制されるため、従来品よりも格段に安全性が高い。動作保証温度は0〜40℃で、猛暑日のキャンプや野外イベントなど、厳しい環境下でも安心して使用できる。
充電繰り返し回数は約2000回——前モデル比で2倍の長寿命
安全性だけでなく、寿命も大幅に向上した。準固体電池は充放電を繰り返しても劣化しにくい特性を持ち、前モデル「ポケットチャージャー07M」(5000mAh)の約2倍となる約2000回の繰り返し充電が可能とされる。サイズは従来モデルとほぼ同じで、航空機内への持ち込みにも対応している。長期間の使用を考えるユーザーにとって、コストパフォーマンスの面でもメリットは大きい。
発売記念割引——ドコモショップで880円引き
発売を記念し、9月30日までの期間限定で割引キャンペーンが実施される。ドコモショップで購入すると880円引きの4620円で入手可能だ。ただし、ドコモオンラインショップは割引対象外となる。また、北海道、沖縄および島しょ部での発売は、7月中旬以降に順次開始される予定だ。
事故増加の背景とドコモの取り組み
今回の製品投入の背景には、モバイルバッテリーによる事故が市場で増加している現状がある。総務省消防庁の令和7年調査によれば、発火や発煙といった事故報告が年々増加傾向にある。ドコモは2011年に初めてモバイルバッテリーの提供を開始して以来、自社販売製品における「事故件数ゼロ」を維持している。より安全性の高い準固体バッテリーの投入は、業界全体の事故減少に寄与する狙いがある。
不要バッテリー無料回収——対象製品と注意点
同日から開始された無料回収サービスは、過去にドコモが販売した「ポケットチャージャー」シリーズなどが対象となる。全国のドコモショップおよびd gardenで受け付け、回収した製品は適切にリサイクル処理される。モバイルバッテリーは強い圧迫や衝撃を受けた状態で放置すると、発煙・発火の原因となり得るため、不要になった製品を適切に処分できる本サービスは重要だ。ただし、すでに発煙や発火の症状が確認できる製品については、安全上の理由から回収を断る場合がある。対象商品は今後、順次拡大される予定である。
準固体モバイルバッテリーの展望——市場とユーザーへの影響
ドコモが準固体電池を採用したモバイルバッテリーを製品化したことは、携帯アクセサリー市場における安全基準の新たな指標となる可能性がある。液体リチウムイオン電池が主流だった市場に、ゲル電解質を用いた「準固体」の選択肢が加わることで、他社の製品開発にも影響を与えるだろう。ユーザーにとっては、安全性と長寿命を両立した選択肢が増えたことになる。価格は5500円と従来の大容量製品と大きな差はなく、発売記念割引を活用すればさらにお得に購入できる。アウトドアや旅行での使用はもちろん、日常的に持ち歩くモバイルバッテリーとして、安心感を重視するユーザーに適した製品と言える。