IO Interactive、Xbox撤退でレイオフ実施

IO InteractiveがXboxとの協業終了に伴い、Project Fantasy関連のレイオフを実施。業界再編の余波が広がる。

投稿者 central
IO Interactive、Xbox撤退による人員削減を公式発表。独立スタジオの今後が注目される。
ハイライト
  • IO Interactiveは外部パブリッシャーXboxとの協業解消に伴い、Project Fantasy関連のレイオフを実施した。
  • Bloombergの報道により、同パブリッシャーがXboxであることが確認され、Xboxの大規模再編が噂される。
  • IOIは自社IPへの100%のコミットメントを宣言し、新たなパートナーシップの模索が避けられない状況だ。

IO Interactive(IOI)は6月30日、外部パブリッシャーとの協業解消に伴い、自社開発中のオンラインファンタジーRPG『Project Fantasy』に関連する人員削減(レイオフ)を実施したと発表した。対象となるスタッフへの支援を最優先に行うとしている。このパブリッシャーがXboxであることは、Bloombergの報道により同日中に確認された。Xboxは現在、さらに大規模なスタジオ閉鎖を含む組織再編の波を来週にも発表する計画とされ、日本のゲーム業界にもその余波が及ぶ可能性が浮上している。

IO Interactiveは公式X(旧Twitter)アカウントを通じて声明を発表。「ここしばらく、IO Interactiveからは良いニュースしか発信してきませんでした。若く実績のないボンドを起用した最新作への反響に、我々は謙虚であり、誇りに思っています。しかし、本日は残念なお知らせを共有しなければなりません。自社IPである『Project Fantasy』における外部パートナーとの関係が終了しました。これは、新たな現実に適応する必要があることを意味し、短期的にはスタッフ体制の決定を伴います。影響を受けるメンバーがこの困難な移行期を乗り越えられるよう、全面的に支援してまいります。『Project Fantasy』は我々が愛してやまないゲームであり、世界であり、IPです。今後も100%コミットし続けます。この素晴らしいユニバースは必ず世に出します」と述べている。

Xboxの「Project Fantasy」撤退——FTC裁判資料が端緒

今回の動きの発端となったのは、米連邦取引委員会(FTC)対マイクロソフトの法的手続きにおいて公開された内部文書のリークだった。この文書により、IO Interactiveが2023年2月に発表した『Project Fantasy』のパブリッシングパートナーがXboxであることが初めて明らかになった。Bloombergの取材に対し、Xboxの広報担当者は「ゲーム全体への投資額を削減しているわけではない」と説明。「前年と同程度の投資を予定している。変化しているのは、どこに投資し、どのようなプロジェクトを支援するかという点だ」と述べ、戦略的なポートフォリオ見直しの一環であることを示唆した。

IOIにのしかかる現実——『Project Fantasy』はどうなるのか

IO Interactiveにとって、『Project Fantasy』は『HITMAN』シリーズや新作『Project 007』(未発売)に次ぐ、自社IPの中核を担うタイトルとして位置づけられていた。Xboxという大口パブリッシャーを失ったことで、当面の開発資金やリソースの確保が課題となる。しかし、声明で「100%コミットし続ける」と明言した通り、プロジェクトそのものは継続される方向だ。当面は人員整理によるコスト削減と、新たなパブリッシングパートナーや追加投資の獲得が急務となる。同社がデンマーク・コペンハーゲン、スウェーデン・マルメ、英国・ブライトン、スペイン・バルセロナ、トルコ・イスタンブールとグローバルに拠点を持つことを考えれば、今回のレイオフの規模は拠点ごとに異なる可能性が高い。

Xbox、さらなるリストラの波へ——「より強いXbox」へのリセット

IO Interactiveへの影響は、Xbox全体の大規模な再編計画の氷山の一角に過ぎない。複数の報道によれば、Xboxは来週にも少なくとも5つのスタジオを閉鎖またはスピンオフさせる方向で調整を進めており、Xbox CEOのAsha SharmaおよびエグゼクティブバイスプレジデントのMatt Bootyは社内メモで「リセット(Next 100 Days Xbox Reset)」の方針をスタッフに伝達済みだ。この再編の波は、IO Interactiveとのパートナーシップ解消に象徴されるように、「投資先の選別」と「AAAタイトルへの集中」という明確な意図が読み取れる。日本市場においては、Xbox Game Passのコンテンツ戦略にも直接影響を与える可能性があり、日本のデベロッパーとの協業関係にも変化が生じるかもしれない。

『Project Fantasy』とは——IO Interactiveが描く未知の世界

『Project Fantasy』は、IO Interactiveが2023年2月に突如発表した、オンライン専用のファンタジーRPGである。同社はこれまで『HITMAN』シリーズに代表されるステルスアクションに特化してきたが、本作は全く新しいジャンルへのチャレンジとなる。詳細なゲームプレイや世界観は未公開ながら、北欧神話や民話をベースとしたオープンワールドが噂されており、『Project 007』と並ぶ同社の次世代を担う大型プロジェクトとして期待を集めていた。Xboxの撤退は、ゲームそのものの品質や方向性に問題があったわけではなく、あくまでパブリッシャー側の経営判断によるものとみられる。

業界全体に広がる影響——なぜ今、再編が加速するのか

今回の一連の動きは、グローバルゲーム業界が2025年以降続けてきた「成長の鈍化」と「効率化の追求」という大きな流れの中で起きている。COVID-19特需による急拡大の反動、金利上昇に伴う投資資金の引き締め、そして開発費の高騰が、パブリッシャーに厳しいポートフォリオ管理を強いている。Microsoftもその例外ではなく、2023年のActivision Blizzard買収完了後、既存スタジオの整理やプロジェクトの取捨選択を急速に進めている。IO Interactiveのケースは、才能ある独立系スタジオであっても、大手パブリッシャーの戦略変更によって振り回されるリスクを如実に示している。

日本ユーザーへの直接的な影響は?

現時点で、今回のレイオフやXboxの再編が日本のゲーマーに直接影響するのは、主にXbox Game Passのラインアップ変更を通じてだろう。『Project Fantasy』のリリースが遅れる、あるいはプラットフォームが変更される可能性は高い。また、Xboxスタジオの閉鎖が現実のものとなれば、一部のAAAタイトルの開発中止や、日本市場向けのローカライゼーション体制の縮小も考えられる。IO Interactiveに関しては、『HITMAN』シリーズは引き続き全プラットフォームでサポートされるとみられるが、『Project 007』や『Project Fantasy』の今後の展開は、注視が必要だ。

展望:IO Interactiveの今後と業界の行方

IO Interactiveは創業以来、独立系デベロッパーとしての立場を堅持し、『HITMAN』シリーズでの成功を経て、自社パブリッシングのノウハウも蓄積してきた。Xboxという大口を失ったものの、「自社IPへの100%のコミットメント」を宣言した以上、新たな資金調達やパートナーシップの模索は避けられない。中国系大手パブリッシャーやSony、あるいは独立系投資ファンドとの提携など、様々なシナリオが考えられる。日本市場にとっても、もしIOIが日本のパブリッシャーと組むことになれば、新たなコラボレーションの可能性が開ける。業界全体としては、大型パブリッシャーによる「選択と集中」が一段と加速し、中間規模の開発スタジオが生き残るための戦略が問われる時代に入ったと言えるだろう。今後のXboxの正式発表と、IO Interactiveの次なる一手に、引き続き注目が集まる。

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