米国人の56%、16歳未満のSNS禁止を支持

Pew Research Centerの最新調査で、米国成人の過半数が16歳未満のSNS禁止を支持。親の支持率は65%に上昇した。

投稿者 central
米国成人の56%が16歳未満のSNS全面禁止に賛成。党派を超えた共通の関心事に。
ハイライト
  • 米国成人の56%が16歳未満のソーシャルメディア利用の法的禁止を支持している。
  • 18歳未満の子どもを持つ親の支持率は65%に達し、子育て世代の危機感が浮き彫りになった。
  • オーストラリアでは同様の禁止法が施行され、英国やスペインでも審議が進んでいる。

米国の成人の56%が、16歳未満の子どもによるソーシャルメディアの利用を政府が法律で禁止することに賛成していることが、Pew Research Centerの最新調査で明らかになった。特に18歳未満の子どもを持つ親に限ると、この支持率は65%にまで跳ね上がる。インターネットの普及とともに古くから続く「子どものオンライン安全」をめぐる議論は、今や具体的な法規制という形で大きなうねりを見せ始めている。

過半数が支持する16歳未満禁止、親の支持はさらに高い

Pew Research Centerが2026年7月1日に発表した全米調査報告によると、米国成人の56%が16歳未満の子どもに対するソーシャルメディアの全面禁止を支持した。この数字は、18歳未満の子どもを持つ親の間では65%に上昇し、子育て世代の危機感の強さを如実に示している。調査結果は、子どものSNS利用を制限しようとする世界的な政策の流れを強く後押しする内容だ。

この問題は党派を超えた共通の関心事となっている。データによれば、共和党支持者の59%、民主党支持者の54%が禁止を支持しており、賛否の差は政党間でわずか5ポイントにとどまる。反対意見は共和党支持者で19%、民主党支持者で23%と、いずれも少数派に留まっている。

拡大する世界的な規制の動き

子どものSNSアクセスを制限する動きは、米国内にとどまらない。オーストラリアでは2025年後半に可決された16歳未満のソーシャルメディア禁止法がすでに施行されている。英国とスペインでも、同様の規制を導入する新法案が議会で審議中であり、2027年にも施行される可能性が取り沙汰されている。

米国国内では、10以上の州が若者向けのソーシャルメディア規制を法制化しており、全米で数百もの関連法案が議論の俎上にのぼっている。さらに注目すべきは司法の場での動きだ。ニューメキシコ州とカリフォルニア州の画期的な裁判では、陪審員がMetaやGoogleといったソーシャルメディア大手に対して、若者を搾取し害を与えているとの判断を下した。こうした判決は、今後の規制強化の流れにさらに拍車をかける可能性がある。

終わりなき戦い:過去20年にわたる模索

オンラインにおける子どもの安全を確保するための解決策は、過去20年にわたって数多く提案されてきた。しかし、専門家の間で広く支持される統一的な解決策は、いまだに確立されていない。今回の調査で示された禁止措置は、提案されている中でも極端な部類に入る。

プライバシー擁護派や若者の活動家は、一律の禁止がLGBTQ+の若者のような弱い立場にあるグループをさらに孤立させかねないと懸念を示している。また、10代の表現の自由を著しく制限するという批判も根強い。禁止という強硬手段が、かえってデメリットを生む可能性を指摘する声は無視できない。

代替案への支持:保護者承認と年齢確認

Pew Research Centerは、子どものSNS利用を抑制する他の手段への支持が「2023年よりも今日、さらに広がっている」と分析している。具体的には、以下の対策が高い支持を集めている。

  • 保護者の承認義務化:10代がSNSアカウントを開設する前に、保護者の許可を得ることを義務付ける制度に対し、85%が支持を表明。
  • 年齢確認の義務化:ソーシャルメディアのフィードを閲覧する前に年齢確認を義務付けるべきと考える人は78%に上る。
  • 利用時間制限:10代のスクリーンタイムを制限する方法として、利用時間制限の導入を78%が支持している。

これらの数字が示すのは、全面禁止という極端な手法ではなく、保護者の関与やプラットフォーム側の責任を求める現実的な解決策への期待の高まりだ。

安全機能の非実効性と回避の実態

ソーシャルメディアプラットフォーム各社は、年齢確認やペアレンタルコントロールといった安全機能を導入してきた。しかし、その信頼性と効果は極めて不十分なものにとどまっている。テクノロジー監視団体が発表した最新の調査によれば、Instagram、TikTok、Snapchat、YouTubeの安全機能のうち、半数以上が実際には機能していなかったという。

規制をかいくぐる方法を見つけるのは、決して難しいことではない。英国の非営利団体Internet Mattersの報告によると、英国の子どもの3分の1が、VPNを利用したり、ひげを描くといった単純な方法で年齢確認を回避している実態が明らかになっている。これは、法規制だけでは問題の根本的な解決に至らないことを如実に示している。

日本への示唆と今後の展望

今回の調査結果は、日本にとっても他人事ではない。子どものネット利用をめぐる議論は日本でも活発化しており、海外の動向は直接的な影響を与える可能性がある。法規制の是非、保護者の責任、プラットフォーマーの役割、そして若者の表現の自由。この複雑な問題に対して、「禁止」という単一の答えで片付けられるほど、状況は単純ではない。

今後の議論においては、規制の実効性を高めるための技術的対策と、子ども自身のメディアリテラシー向上を両輪で進める、より多層的なアプローチが求められる。Pew Research Centerのデータは、そうした複雑な課題に取り組むための、ひとつの重要な出発点となるだろう。

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