Nothing Ear (3a)発売、通話録音と文字起こし機能を搭載

投稿者 central

Nothingは、完全ワイヤレスイヤホン「Ear (3a)」を発売した。価格は1万5800円。最大のトピックは、イヤホン本体に32GBのメモリを内蔵し、通話やオンライン会議の録音、さらにはアプリ上での文字起こしと要約までを可能にした点にある。2024年に発売され、同社イヤホン史上最大のヒット作となった「Ear (a)」の正統後継モデルとして、引き続き若年層を主なターゲットに据える。

本機は、左右合計32GBの内蔵メモリを搭載し、イヤホンの軸をつまむ操作で録音を開始する「サウンドキャプチャー」機能を実装した。これはイヤホンで再生しているBluetooth音声を記録する仕組みで、通話やZoomなどのオンライン会議は1回あたり最大2時間、音楽などのメディア音声はプライベート利用の範囲で最大60秒まで保存できる。録音開始時にはカウントダウンの通知音が流れるため、誤操作を防ぐ配慮もされている。ただし、マイクを使ったボイスメモや、対面での会議録音には対応しない点は注意が必要だ。

録音データはアプリで管理、文字起こしと要約にも対応

録音されたファイルはスマートフォンに転送され、専用アプリ「Nothing X」上で管理できる。アプリ内では、音声データの文字起こしと要約が可能だ。この機能は、Nothing製スマートフォンのAI機能「Essential Space」と同じ基盤を利用しており、録音データをNothing XとEssential Spaceの間で共有することもできる。対応端末はNothing製スマートフォンに限らず、iPhoneや他社製のAndroidでも利用可能だ。Nothing Japanのマネージングディレクターを務める黒住吉郎氏は、「AIを使う時の一番最初のインターフェースになる」と述べ、イヤホン自体をAI活用の入り口として位置づけている。

12mmドライバーで低域強化、ノイズキャンセリング性能も向上

音質面では、ドライバー径を前モデルの11mmから12mmに拡大。マグネットを含む駆動系も見直され、特に250Hz以下の低域が約5dB強化された。大口径化により振幅に余裕が生まれ、歪みも抑制されているという。これにより、従来モデルよりも低音の量感が明確に感じられるチューニングとなった。ハイレゾ再生およびLDACコーデックに対応し、Bluetoothは最新のVer.6.0をサポートする。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)の最大低減量は45dBで前モデルから変わらないものの、効きは全体で約17%向上した。電車や飛行機の走行音といった低域に加え、オフィスでの話し声などの中域ノイズの低減性能が改善されている。外音取り込みモードの自然さも増した。連続再生時間はイヤホン単体で10時間、充電ケース併用で42時間。本体とケースはともにIP54の防塵防滴性能を備える。

音質のカスタマイズに関しては、簡易設定モード、8バンドイコライザーによる詳細設定モードに加え、プロのDJが作成したカスタムEQをダウンロードして適用できるモードを用意。将来的にはコミュニティメンバーが作成したプリセットの提供も予定している。通話品質については、2800万通りの騒音シナリオで学習したノイズ低減処理を採用。片耳3基、左右合計6基のマイクにより集音性能を高めている。

新色ピンクを含む4色展開、ケースデザインも刷新

カラーバリエーションは、定番のホワイトとブラック、Ear (a)から継承したイエローに加え、新色のピンクを加えた4色をラインナップ。ピンクは、スマートフォン「Phone (4a)」の桜色とは異なり、マゼンタ寄りの濃い発色で仕上げられている。

充電ケースも刷新され、中央部と四隅の丸みが増した。外寸はほぼ変わらないものの、手に持った際の印象はよりコンパクトになった。ケースには、Phoneシリーズの「Glyphインターフェース」を想起させるドット状のLEDを搭載。充電状態やペアリングの状況を3段階の点灯で表示する。

文字起こしは無料と有料の2段階、プロモードは一部期間限定で無料

文字起こし機能には3つのモードが用意されている。速度を優先する「高速」と精度を優先する「高精度」の2つは標準モードとして無料で利用可能。一方、最上位の「プロ文字起こしモード」は将来的に有料化が予定されている。Ear (3a)の購入者については、アクティベーションから3カ月間、月120分まで無料で使える。料金については、無料期間が終了する発売から3カ月後までに発表されるという。

Nothing Ear (3a)は、録音・文字起こし機能という明確なユースケースを打ち出したことで、単なるオーディオ機器から、情報収集や業務効率化にも貢献するデバイスへと進化を遂げた。競合の多い完全ワイヤレスイヤホン市場において、Nothingがどのようなポジションを確立するのか。今後の市場の反応が注目される。

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