個人ゲーム開発者のPico Gamesは本日(2026年7月6日)、PC向けアクションゲーム『奈落のキッチン』を7月24日にSteamでリリースすることを正式に発表した。価格は現時点では未定とされている。
本作の最大の特徴は、プレイヤーが前線で戦う戦士や魔法使いではなく、冒険者パーティに同行する「冒険料理人」となり、後方支援に徹するという斬新な視点にある。主人公ロップは、探索や魔物の解体を通じて食材を調達し、キャンプで料理を振る舞いながら、自動で進軍するパーティメンバーをサポートする。通常のアクションゲームとは異なり、ロップ自身が直接敵と戦う機会はない。先行する仲間たちが自動で敵を蹴散らしていくため、彼のもとに敵が接近することは基本的にないのだ。
ただし、戦場は決して安全ではない。前方で繰り広げられる戦闘の余波として、時折飛来する流れ弾や範囲攻撃を巧みに回避しながら、料理人ならではの能力を駆使してパーティ全体を支えるという、緊張感のあるプレイが求められる。この「弾避け」の要素は、シューティングゲーム的な反射神経と集中力を要求するものだ。
オートバトル×探索×弾避け——三つの要素が織りなす異色のゲーム体験
『奈落のキッチン』が提供するゲーム体験は、複数のジャンルの要素が巧みに融合している点にある。まず、前線のパーティメンバーによる戦闘は自動で進行する。これはいわゆるタワーディフェンスの要素を持ち、プレイヤーは後方から全体の状況を見守りつつ、適切なタイミングで料理やアイテムによる支援を行うことになる。
一方、探索フェーズでは、ダンジョン内に点在する大量のオブジェクトを採掘し、食材や素材を収集する。この探索要素は、単なる収集作業に留まらず、いかに効率的に資源を確保し、パーティの強化に繋げるかという戦略性を帯びている。収集した食材を使って調理した料理は、パーティメンバーにさまざまなバフ効果をもたらす。どの料理を作るか、どのタイミングで振る舞うか——その判断がダンジョン踏破の成否を分ける鍵となる。
さらに、上述の通り、戦闘中にはシューティングゲームのような弾避けアクションが要求される。前方の激しい戦闘から飛来する予測不能な攻撃をかわしながら、同時に食材の確保や料理の準備を進めるというマルチタスク的なプレイスタイルが、本作に独特の中毒性と奥深さをもたらしている。
『奈落のキッチン』とは——後方支援者にスポットを当てたアクションゲーム
ここで改めて、本作の基本コンセプトを整理しておきたい。『奈落のキッチン』は、「後方支援者視点の戦い」を体験できるアクションゲームである。RPGやアクションゲームにおいて、前線で戦う勇者や戦士に注目が集まりがちだが、本作はその陰で尽力する「料理人」という存在に光を当てた点が最大のアピールポイントだ。
主人公ロップの役割は、あくまでも支援に特化している。戦闘力が高いわけではない彼が、パーティの勝利に貢献するためには、限られたリソースを最大限に活用し、的確な判断を下す必要がある。この「非力な存在が知恵と工夫で戦局を変える」という構造は、従来のRPGにはない新鮮な没入感を生み出している。
Steam体験版は配信中——発売前にゲーム性を確かめられる
リリースに先駆け、Steamストアページでは現在体験版が配信されている。本作の独特なゲームシステムに興味を持ったプレイヤーは、発売前にその手触りを確かめることができる。価格は未定ながら、この体験版をプレイすることで、製品版への期待値を測る良い機会となるだろう。リリース日は7月24日。夏休みのスタートに合わせた絶好のタイミングとも言え、多くのインディーゲームファンから注目を集めている。