BTC、値動きの半分がウォール街の9時間に集中

ビットコインの価格変動がウォール街の取引時間に偏る構造的変化が明らかに。機関投資家の影響拡大を解説。

投稿者 central
ハイライト
  • 米国市場の9時間がビットコインの日次変動の50.6%を占める。
  • ビットコイン現物ETFの承認が価格発見機能をウォール街に集中させている。
  • アジア太平洋地域の流動性拡大が今後の分散要因となる可能性がある。

24時間休みなく動き続けるビットコイン(BTC)の価格変動が、米国株式市場の取引時間帯に偏る傾向が顕著になっている。2022年から2025年にかけての分析によれば、UTC13時から21時59分までの9時間が日次実現分散の50.6%を占めており、これは2016年から2018年における38.4%から約12ポイント上昇した値である。この9時間は、1日の37.5%に過ぎない時間帯であり、ビットコインの値動きの半分がウォール街の時計に連動している実態が浮き彫りとなった。

ビットコインの値動き、半分がウォール街の9時間に集中する構造的変化

仮想通貨市場は伝統的に「24時間・年中無休」のグローバル市場として知られてきた。しかし、近年のデータはその前提が大きく変わりつつあることを示している。調査によると、米国株式市場が活況を呈する時間帯、すなわちニューヨークの午前9時から午後5時(日本時間で午後10時から翌朝6時)に相当する9時間に、ビットコインの日次価格変動の過半数が集中している。

この傾向は、ビットコインが単なる投機的なデジタル資産から、機関投資家によるポートフォリオ運用の一部として組み込まれるようになったことを反映している。具体的には、米国でビットコイン現物ETFが承認され、ウォール街の大手金融機関が仮想通貨関連商品を取引するようになったことで、BTCの価格発見機能が米国市場の取引時間帯に依存する割合が増加したと考えられる。

ビットコインの値動きがウォール街の時間帯に集中する理由としては、以下の点が指摘されている。

  • ビットコイン現物ETFの取引が米国市場の時間帯に集中していること
  • CMEビットコイン先物の取引高が米国市場の時間帯に偏っていること
  • マクロ経済指標の発表やFRBの発言が米国時間に行われること
  • ヘッジファンドや運用会社のトレーディングデスクが活動する時間帯であること

この9時間の集中度が今後さらに高まるか、あるいは他の地域の取引時間帯にも分散が進むかは、グローバルな規制環境や市場参加者の地域分布に左右されるだろう。特にアジア太平洋地域における仮想通貨取引の流動性がどの程度拡大するかが、今後の分岐点となる。

メタプラネット、340億円相当の新株予約権が事実上消滅

国内のビットコイン投資企業として知られるメタプラネットは、2026年9月11日付で第10回新株予約権(有償ストック・オプション)の発行要項を再変更した。1個当たりの対象株式数を従来の696株から410株へと引き下げる内容で、これにより総額約340億円相当の新株予約権が事実上消滅することとなった。

この新株予約権は2023年2月、経営難に直面していた同社が人材の流出を防ぐ目的で株主総会の特別決議を経て発行されたものだ。しかし、発行条件が既存株主にとって過度に希薄化を招くとして批判が高まっていた。今回の要項変更は株主からの厳しい声を受けた措置とみられ、メタプラネットのガバナンスが問われる局面となっている。

メタプラネットはビットコインを財務資産として保有する戦略で注目を集めてきたが、今回の新株予約権問題は、企業としての内部管理体制や株主との関係構築に課題が残ることを示す事例と言える。

USバンク、独自ステーブルコイン「USBDC」で越境送金の実証実験完了

米国の大手銀行であるUSバンクは、自社発行の米ドル建てステーブルコイン「USBDC」を活用した越境送金の実証実験を完了したと、9月9日に発表した。送金は北米と欧州に所在する同行の法人間で行われ、パブリックブロックチェーンのStellar上でトークンが移動した。

この実証実験の目的は、既存の金融コンプライアンスや内部統制を維持したまま、パブリックチェーン上でトークンを安全に移動させることが可能かを検証することにある。従来の国際送金はSWIFTなどを通じて行われ、決済完了までに数日を要するケースが多い。一方で、ステーブルコインを用いた送金はブロックチェーン上でほぼリアルタイムに決済が完了し、コスト面でも優位性があるとされる。

USバンクはUSBDCの商用化については時期を明らかにしていないが、今回の実証は大手金融機関がパブリックブロックチェーンを決済インフラとして活用する方向性を示す重要なマイルストーンとなる。規制当局との調整や内部統制の整備が完了次第、本格的な商用展開が視野に入る。

暗号資産と伝統金融の融合が加速する構図

ビットコインの値動きがウォール街の時間帯に集中すること、そしてUSバンクのような大手銀行がステーブルコインによる越境送金の実証を進めること。これらの動きは、暗号資産と伝統的金融システムの融合が着実に進んでいることを示している。

一方で、仮想通貨を日常的な決済手段として利用したいというユーザーニーズも拡大している。例えば、Visa加盟店での支払いに仮想通貨を利用できるクレジットカードサービスも登場しており、日本国内のユーザーにとっても身近な決済手段としての選択肢が広がりつつある。

現在、アジア地域のユーザーを対象に10%キャッシュバックキャンペーンを実施しているEther.fiカードは、Apple PayやGoogle Payに登録することでスマートフォン決済として利用できる。対応する仮想通貨は15種類以上で、エントリーモデルは年会費無料となっている。仮想通貨を保有しているが、日常生活での活用方法に悩んでいるユーザーにとって、実用的な選択肢の一つと言える。

9月12日現在、ビットコインの価格は1186万円前後で推移しており、イーサリアム(ETH)は約38.5万円、ソラナ(SOL)は約1.56万円で取引されている。世界の暗号資産時価総額は420兆円、ビットコインのドミナンス(市場占有率)は約59.1%と、引き続きビットコインが市場全体を主導する構図は変わらない。

暗号資産市場が伝統金融との結びつきを強める一方で、個人投資家にとっては値動きの時間帯を意識した取引戦略が重要になりつつある。ウォール街の時間帯に価格変動の多くが集中するという構造的な変化は、今後の投資判断において無視できない要素となるだろう。

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