モンハンワイルズ拡張、全14武器種にブーストブレイサー実装へ

投稿者 central
モンハンワイルズ拡張、全

カプコンが2027年にリリースを予定する『モンスターハンターワイルズ:アセンダンス』(以下、アセンダンス)について、同社プロデューサーの辻本良三氏、ディレクターの平岡拓朗氏、エグゼクティブディレクター兼アートディレクターの藤岡要氏への独占インタビューが実現した。本拡張パックの最大の目玉は、全14武器種に新アクション「ブーストブレイサー」を実装する点にある。本稿では、その開発背景と設計思想、そしてマスターランクへの影響について詳報する。

「ワイルズの正当進化」がコンセプト――ブーストブレイサー誕生の経緯

平岡氏はアセンダンスの開発にあたり、『モンスターハンターワイルズ』(以下、ワイルズ)の長所を伸ばし、改善点を徹底的に見直す「正当進化」を掲げたという。特に、ワイルズで好評だった「傷システム」や「集中モード」を基盤に、さらに奥行きのあるアクションを追求した結果がブーストブレイサーだと説明する。

「モンスターの隙や攻撃チャンスは、ハンターが罠や閃光玉、環境利用で作り出すものです。そこにプレイヤー側から新たなチャンスメイク手段を加えられないかと考えました」。平岡氏はこう語り、ブーストブレイサーが単なる火力増強ではなく、戦術の幅を広げるギミックとして設計されたことを強調する。

ブーストブレイサーとは?――全14武器種に個別実装された新アクションの仕組み

ブーストブレイサーは専用ゲージを消費して発動する一時的な強化状態で、発動中はハンターのアクション速度が上昇する。武器種ごとに固有のブーストアクションが設定されており、例えば大剣は推進力による瞬間的な間合い詰め、ハンマーは空中への飛び上がりなど、各武器の特性を伸ばす設計になっている。

「『ここで行ける』と思ったタイミングで使ってほしい」と平岡氏。ゲージは時間経過や被弾でも溜まるため、気づけば満タンになっていることも多い。開発チームは「ゲージを温存してダウン時に一気に使う遊び方も、こまめに使って立ち回るスタイルも、どちらも正しい」とし、プレイヤーの習熟度や好みに応じた多様な使い方を認めている。

バランス調整の難しさ――「使いこなせないと倒せない」は否定

注目すべきは、ブーストブレイサーが必須要素ではないという点だ。平岡氏は明確に「ブーストブレイサーを使いこなせないとマスターランクのモンスターが全部きつい、という内容には絶対にしてはいけない」と断言する。

「あくまでワイルズのアクションベースの延長です。ゲージが溜まったときにプレイヤーの思考が瞬間的に変わる、選択肢が広がる――そういうアクセントとして置いています」。一方で、マスターランクでは当然モンスターのパラメータが強化され、既存モンスターにも新アクションや変更が加わる。過去シリーズのマスターランクと同様、新鮮な気持ちで狩猟を楽しめる設計だという。

開発現場のノウハウ継承――チーム間の流動性が生む一貫性

平岡氏は過去に『モンスターハンターポータブル3rd』『クロス』『ダブルクロス』『ワールド:アイスボーン』とシリーズの中核を担ってきた。今回のアセンダンスでは、特定のタイトルからノウハウを持ち込むのではなく、自身の人生全体で培った感覚を反映させているという。

藤岡氏はチーム運営について「資料やノウハウを残す取り組みに加え、担当者がタイトルを跨いで流動的に動くことで、経験が蓄積されていく」と説明。別々のラインが独立して走るのではなく、人が行き来しながら知識が共有される体制が、シリーズ全体の品質維持に貢献している。

ラオシャンロンが復活――「歩いているだけで災害級」をどう表現するか

インタビューでは、PVで一瞬映ったラオシャンロンに関する質問も飛び出した。平岡氏は「そのまま持ってくるのは良くない」とし、ワイルズのベースに合わせて遊び方を大きく変更したことを明かす。

「ラオシャンロンの特徴である『歩いているだけで災害級』という部分をどう表現するか。技術的な進化も踏まえ、アセンダンスに出すならこういう風に変えた方がいいと考えて作っています」。具体的な変更点については伏せられたが、「体験として進化していると思っていただいて構わない」と語り、ファンの期待をあおった。

ストーリーは古龍が鍵――『アイスボーン』とは異なる展開

物語面では、古龍の出現がキーワードになる。藤岡氏は「今回は『古龍が現れ出した』という話が一つのキーになる展開」と説明。『ワールド:アイスボーン』とはまったく異なる形で古龍が物語の核を担い、禁足地となっている竜都や東の地域自体のバックボーンも描かれるという。

「古龍という存在が何を引き起こすのか、なぜこうした背景になっているのか。そこに古龍を絡めながら、ストーリーを展開していきます」。既存シリーズとの差別化を強調し、新たな物語体験を約束した。

ブーストブレイサー関連スキルの有無と今後の調整

ブーストブレイサーに関連する防具スキルについては、平岡氏は「何も言えません」と笑いながらも、辻本氏が「TGS2026のデモ版はイベント用・体験用の設定」と補足。藤岡氏は「開発途中であり、プレイヤーの意見や遊び方を見てコンセプトに合った形に調整する」と述べ、スキルの有無は今後の発表を待つ構えだ。

また、新フィールド「曇りの遺跡」については、投げてぶつけられるモンスターや環境生物は存在するものの、大規模なダイナミックギミックは今回の試遊版には未実装。続報が待たれる。

編集部の見解

ブーストブレイサーの全武器種実装は、シリーズ史上初の試みであり、バランス調整の難易度は極めて高い。しかし平岡氏の「必須にはしない」という発言からは、かつての『アイスボーン』におけるクラッチクロー批判を教訓とした設計思想が透ける。あくまでアクセントとして、プレイヤーの自由度を奪わない方向性を打ち出した点は評価できる。

一方で、ラオシャンロンの復活はシリーズファンにとって大きなトピックだ。過去作で単調とされた戦闘が、ワイルズのシステムとどう融合するのか。2027年の発売に向け、今後の情報公開がますます注目される。

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