SMBC日興証券、Uniswap v4活用DeFi基盤を5社共同開発

SMBC日興証券がNethermind、Uniswap Labs、Base、Nyx Foundationと規制対応型DeFiゲートウェイを共同開発。

投稿者 central
SMBC日興証券、Uni
ハイライト
  • SMBC日興証券は5社と規制対応型DeFiゲートウェイ「DeFiGateway」を共同開発する。
  • Uniswap v4のフック機能を活用し、AML/CFT審査をスマートコントラクトに組み込む。
  • 本格稼働により機関投資家向けの新たな資産運用商品が提供可能になる。

SMBC日興証券aaは2026年10月2日、英ブロックチェーン開発企業Nethermind、Uniswap開発元のUniswap Labs、Coinbase傘下のBase、そして機関投資家向けDeFiインフラを手掛けるNyx Foundationの4社と、規制対応型DeFiゲートウェイ「DeFiGateway」の共同開発に関する覚書を締結したと発表した。国内の大手金融機関が主要DeFiプロトコルであるUniswap v4を軸に据えた協業に踏み切るのは極めて異例であり、長らく停滞していた日本の機関投資家による分散型金融(DeFi)利用の現実的な道筋を提示するものとして大きな注目を集めている。

コンプライアンスと分散性の両立——DeFiGatewayの中核技術

本プロジェクトの核心は、Uniswap v4の流動性プロトコルをラッピングし、日本の金融規制に準拠した形で運用できる独自の流動性プール「DeFiGateway」を開発する点にある。最大の特徴は、AML(アンチマネーロンダリング)およびCFT(テロ資金供与対策)の審査ロジックを、オンチェーンのスマートコントラクトに直接組み込んだことだ。

DeFiGatewayとは、SMBC日興証券ら5社が共同開発する、日本の金融規制に対応したDeFi接続基盤である。Uniswap v4の流動性を活用しつつ、国内の投資家が法令を順守しながら分散型金融にアクセスする環境を提供する。

Uniswap v4が選ばれた背景には、同バージョンで標準化された「フック(Hooks)」機能の存在がある。このフックを利用することで、流動性プールへの参加条件をスマートコントラクトレベルで制御することが可能となる。具体的には、SMBC日興証券が管理するホワイトリストアドレスからのみスワップを許可する準拠型プールの構築などが想定されており、DeFi本来の透明性や効率性を維持しながら、法令遵守を実現する仕組みとなっている。

5者が担う役割と開発スケジュール

今回の覚書締結は、5者の役割を明確に定義した上で進められる。

  • SMBC日興証券:プロジェクトの共同リーダー。日本市場向けのコンプライアンスフレームワークの策定と、投資家への窓口を担当。
  • Nethermind:共同リーダー。イーサリアム実行クライアントの開発実績を活かし、Uniswap v4のカスタマイズおよびホワイトリスト機能の実装を主導。
  • Uniswap Labs:プロトコルの標準提供と技術監修。
  • Base(Coinbase):決済・実行レイヤー。Coinbaseのセキュリティ基盤を活用したトランザクション処理を提供。
  • Nyx Foundation:機関投資家向けカストディ(保管)ソリューション。エンタープライズグレードの秘密鍵管理を提供。

スケジュールとしては、今後数カ月以内に基本設計を完了。2027年前半にはテストネット上での概念実証(PoC)を開始し、同年半ばのメインネット稼働を目標に掲げている。

日本の金融市場に与えるインパクト

世界的には、BlackRockやFidelityなどの大手金融機関がパブリックブロックチェーン上のDeFiプロトコルに資金を投じる動きが加速している。しかし、日本では金融庁(FSA)の厳格なガイドラインや証券業協会の規則が障害となり、国内金融機関のDeFi参入は大きく遅れを取ってきた。

SMBC日興証券は、すでに暗号資産(仮想通貨)カストディ事業やセキュリティトークン(STO)で先行しており、本プロジェクトはそれらの取り組みをDeFiの世界まで拡張する位置づけとなる。本格稼働により、機関投資家向けのレンディングやステーキングなど、従来の証券では実現できなかった新たな資産運用商品が提供可能になることが期待される。

残された課題と今後の展望

とはいえ、ブリッジのセキュリティ、価格オラクルの操作リスク、スマートコントラクトのバグ対応といったDeFi特有の課題は依然として残る。これらのリスクに対して、日本の保険法制やガバナンスの仕組みをどのように適合させるのかが、今後の実運用に向けた最大の論点となる。

SMBC日興証券による今回の挑戦は、伝統的な証券ビジネスと分散型金融を架橋する日本発の「制度的イノベーション」として位置づけられる。金融庁の規制動向や、他のメガバンクの追随が、今後の日本の金融DXの行方を大きく左右することになるだろう。

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