ゲーム実況グループ「ナポリの男たち」のメンバーとして知られるshu3氏が開発した『デスゲームの報告書』が、9月1日にPC(Steam)向けに配信を開始した。配信直後から話題を集め、Steamユーザーレビューでは203件中98%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。最大同時接続プレイヤー数は2363人を記録し、インディーゲームとしては異例の滑り出しを見せている。
断片的な記録から全容を解き明かす推理システム
本作は、無人島で行われたデスゲームの記録を復元し、参加者全員の死の真相を突き止める推理アドベンチャーゲームだ。プレイヤーに与えられる任務は、デスゲーム終了後に破損した記録を調査し、報告書を完成させること。古びた端末を操作しながら、死者たちが最期に残した記録を読み解いていく。
調査に利用できる主な手がかりは「死者の記録」「生徒名簿」「島の地図」の3種類のみ。プレイヤーは、記録名を端末に入力して破損した記録を復元し、そこに記された生徒たちの最期の言葉や行動を読み解く。そして、所属や支給武器が記された名簿や、島内の位置関係を示す地図の情報と照らし合わせ、それぞれの人物について「死因・凶器・加害者」を割り出す仕組みだ。
報告内容は、3人分が正解するごとに確定する。また、復元した記録から別の記録につながる情報を見つけ、さらに調査を進めていくことになる。報告書をひとつずつ埋めていくことで、それまで断片的だった記録同士の関係も徐々に明らかになっていく。ゲーム内には、段階的に情報が提示される「ヒント機能」のほか、文章の一部を保存できる「引用メモ機能」や「文字サイズ変更機能」も実装。想定プレイ時間は4〜5時間程度とされている。
98%好評率、ユーザーが評価するポイント
Steamユーザーレビューでは、映画「バトル・ロワイアル」を想起させる世界観や、生徒たちが残した記録から人間関係や出来事を読み解いていく構成が高く評価されている。特に、離れた情報同士がつながる推理部分の気持ちよさや、行き詰まった際に段階的に利用できるヒント機能の親切設計が好評だ。モノクロ2色のビジュアルやBGMについても、デスゲームの陰鬱な雰囲気に合致しているとの声が寄せられている。
一方で、プレイ時間が4〜5時間と短めであることや、一度クリアするとリプレイ性が低い点を指摘する声もある。しかし、価格が500円と低価格であることから、コストパフォーマンスの高さを評価するレビューが多数を占めている。
実況者からゲーム開発者へ、shu3氏の挑戦
本作の開発を手がけるshu3氏は、ゲーム実況グループ「ナポリの男たち」のメンバーとして活動する一方、自身でゲーム開発も行っている。2025年8月には、短編アドベンチャーゲーム『でておいで、猫』をSteam向けに無料配信。同作は、本稿執筆時点でSteamユーザーレビュー605件中97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。前作に続き、今回はデスゲームを題材とした推理ゲームで好調な滑り出しを見せた。
shu3氏は、X(旧Twitter)上で「デスゲームに参加した全員の死因を特定し、報告書にまとめるゲームです」と紹介。実況者として培ったストーリーテリングのセンスを、ゲームデザインに活かしている点が注目される。
デスゲームジャンルにおける新たな試み
「デスゲーム」をテーマにした作品は、『バトル・ロワイアル』や『ダンガンロンパ』シリーズなど数多く存在する。しかし、本作はプレイヤーが直接的に生存競争に参加するのではなく、終了後の記録を調査するというメタ的な視点が特徴だ。死者たちの断片的な記録をパズルのように組み立て、全容を解明していくプロセスは、従来のデスゲーム作品にはない新鮮な体験を提供する。
特に、記録の復元や情報の照合といった行為が、単なる推理ゲームの枠を超えて、プレイヤー自身が「調査員」となり、過去の出来事を再構築する没入感を生み出している。現在の好評率からも、こうしたアプローチが多くのプレイヤーに受け入れられていることがうかがえる。
『デスゲームの報告書』は、PC(Steam)向けに配信中。価格は500円と手頃で、4〜5時間で完結するコンパクトなボリュームながら、推理の面白さと世界観の没入感を高いレベルで両立している。デスゲームやパズル推理が好きなプレイヤーは、一度手に取ってみる価値があるだろう。