WEBTOON、RI Gamesの株式60%取得——Overgearedなど人気作品のゲーム化を本格加速

WEBTOONがRI Gamesの株式60%を取得。人気Webtoon『Overgeared』のMMORPG化を2026年秋に計画。

投稿者 central
WEBTOONがRI Gamesを買収し、Overgearedなど複数作品のゲーム化を4年間で加速する。
ハイライト
  • WEBTOONはRI Gamesの株式60%を取得し、筆頭株主となった。
  • OvergearedのMMORPGは2026年秋、テレビアニメと同時期にリリース予定だ。
  • 今後4年間で複数のWebtoon原作ゲームがリリースされる計画がある。

韓国発の世界的デジタルコミックプラットフォーム「WEBTOON Entertainment」は、ゲーム開発会社「RI Games Holdings Inc.」の発行済株式の60%を取得したことを正式に発表した。本投資により、WEBTOONはRI Gamesの筆頭株主として、同社が保有するスタジオの経営権を掌握。『Overgeared(オーバーギア)』や『全知的な読者の視点』といった人気Webtoon作品の本格的なゲーム化を、今後4年間で加速させる戦略の中核を担うことになる。

RI Games買収の背景——WebtoンIPをゲームへと橋渡し

WEBTOON Entertainmentが今回株式を取得したRI Games Holdings Inc.は、傘下に開発スタジオGrayGamesおよびOffbeatを持つゲームホールディングス企業である。両スタジオは、Webtoon原作のゲーム開発においてすでに実績を積み始めており、今回の資本提携は、IP(知的財産)の権利元であるWEBTOONと開発現場との距離を劇的に縮めるものだ。

この買収の狙いは明確だ。WEBTOONがこれまで培ってきた『神之塔』『梨泰院クラス』『私のIDは江南美人』など、全世界で熱狂的なファン層を持つ数百におよぶオリジナル作品群を、ゲームという新たなエンターテインメント領域に展開するためのエンジンとして、RI Gamesを位置づけることにある。

注力タイトルとスケジュール——Overgeared MMORPG、今秋冬に始動

今回の提携において、最も注目を集めるプロジェクトは、やはり『Overgeared』のゲーム化だ。本作はすでにGrayGamesが開発を担当し、韓国ゲーム大手のNexonがパブリッシングを行うMMORPGとして正式にアナウンスされている。

注目すべきはそのリリース戦略である。本ゲームのリリース時期は、2026年10月から放送が予定されているテレビアニメ『Overgeared』の放映とほぼ同時期の2026年内を目標としている点だ。アニメの放送開始とゲームの発売を連動させるこのクロスメディア戦略は、原作ファンのみならず、アニメ視聴で新たに作品を知った層をゲームへと誘引する極めて効果的な手法と言える。

一方、もう一つの大型タイトルである『全知的な読者の視点』(Omniscient Reader’s Viewpoint)については、Offbeatスタジオが開発を手がけ、Com2uSがパブリッシングを担当する。こちらのリリースはやや長期を見据えており、2028年中の発売を予定している。

業界構造の変化——IPホルダーによる開発会社囲い込みの加速

WEBTOONによるRI Gamesの買収は、単なる一企業の投資案件以上の意味を持つ。世界的なゲーム業界では、有力なIPを保有するエンターテインメント企業が、そのIPを高品質なゲームとして具現化できる開発スタジオを自社グループに取り込む動きが活発化している。

例えば、Netflixは自社IPのゲーム化を加速させるために複数のスタジオを買収し、ディズニーもライセンス依存から自社開発へのシフトを進めている。WEBTOONの今回の決断も、この世界的な潮流に沿ったものだ。

特に、Webtoonというデジタルコミックのフォーマットは、すでに原作としてのストーリー性、キャラクター設定、世界観が完成されているため、ゲーム化におけるシナリオ開発コストを大幅に削減できるという強みがある。また、連載中から蓄積された膨大なデータ——どのキャラクターが人気か、どの展開が読者の反応を呼んだか——をゲームデザインに反映させることが可能であり、ヒットの確率を高めるための科学的なアプローチが取りやすいという点も、投資家やパブリッシャーから見た大きな魅力となっている。

日本市場への影響——韓国IPゲームの新たな波

日本市場において、今回の動きは特に重要な意味を持つ。日本は世界的に見てもWebtoonの読者層が急速に拡大している市場の一つであり、『Overgeared』のアニメ放送も日本のテレビ局で行われる可能性が高いと見られている。

これまで、韓国発のWebtoon作品が日本でゲーム化されるケースは、IPの権利関係が複雑で進展が遅いことが多かった。しかし、WEBTOONが自ら開発会社の株式を取得し、ライセンス許諾から開発、パブリッシングまでのプロセスをグループ内で一気通貫させることが可能になれば、日本市場向けのローカライズやマーケティング戦略も大幅にスピードアップするだろう。

また、NexonやCom2uSといった日本市場にも深く根を下ろしたパブリッシャーが開発に参画している点も、日本ユーザーにとっては安心材料だ。これらの企業は、オンラインゲームの運営や日本語ローカライズにおいて豊富なノウハウを持っており、品質面での期待が持てる。

今後の展望——4年間で何が変わるのか

WEBTOONとRI Gamesのパートナーシップでは、今後4年間で複数のWebtoon原作ゲームをリリースする計画が掲げられている。単に『Overgeared』と『全知的な読者の視点』だけに留まらず、WEBTOONが誇る膨大なカタログの中から、続々とゲーム化プロジェクトが立ち上がる可能性は十分にある。

特に、すでにアニメ化やドラマ化で成功を収めた作品——『神之塔』や『ホットストンプ』など——のゲーム化は、リスクが低くリターンが見込みやすいため、次の候補として自然である。

一方で、ゲーム業界は常に開発リソースの確保とクオリティコントロールが課題となる。優秀な開発者をいかに集め、複数プロジェクトを同時に進行させながらも、一本一本のクオリティを落とさないか。その舵取りは、RI Gamesの経営陣とWEBTOONの戦略チームに委ねられている。今回の買収が、杞憂に終わるのか、それともWebtoonエコシステムを変革する起爆剤となるのか。その成否は、まずは2026年秋にリリースされる『Overgeared』MMORPGの評価によって明確になるだろう。

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