「iPhone 18 Pro」および「iPhone 18 Pro Max」の分解調査で、ディスプレイの裏側にあるプラスチック製フレームが複数台で破損する事例が報告されている。修復・分解を行うiFixitが4台の新型iPhone Proモデルを分解したところ、うち3台でこのプラスチック枠が割れた。Appleはこの部品を単体では販売しておらず、破損した場合の修理はディスプレイモジュールごと交換となる。外観は先代の「iPhone 17 Pro」と同一寸法ながら、内部ではバッテリー容量の増加、新チップ「A20 Pro」の搭載、大型の蒸気冷却機構、メインカメラのレンズに機械式絞り羽根が新設されるなど、構造は大きく変化している。
プラスチックフレーム破損が4台中3台、iFixitが分解で確認
iFixitが実施した分解では、先に背面ガラスの取り外しは比較的スムーズに進んだものの、その後に問題が生じた。ディスプレイを取り外す段階で、その裏側に配置されたプラスチック製のフレームが、分解した4台のうち3台で割れたという。このフレームはディスプレイパネルと本体ボディの間を埋める役割を担っているが、Appleはこの部品を単体では提供していない。そのため、修理にはディスプレイモジュール全体の交換が必要になる。なお、プラスチック枠を外したままでディスプレイを載せ直すことも理論上は可能だが、その場合、本体と面一にならず、浮いた状態になる。
iFixitのサステナビリティ担当ディレクターであるリズ・チェンバレン氏と、リペアビリティエンジニアのカーステン・フラウエンハイム氏は、ブログで「4台という母数は故障率を確定するには少なすぎる」と指摘。接着剤の強度、加熱の方法、分解時の技術、プラスチック素材の個体差など、複数の要因が考えられるとしている。一方で「このプラスチックフレームはiPhone 15 Pro以降に採用されているが、これまでのモデルでここまで問題になったことはない」とも述べており、今回の設計変更が何らかの影響を及ぼしている可能性が示唆される。なお、分解動画を公開しているザック・ネルソン氏(JerryRigEverything)の作業では、同様の破損は発生しておらず、彼はディスプレイ取り外し後に「修理しやすさに関しては合格点」と評価している。
バッテリー容量は最大5,567mAhに拡大、eSIM専用モデルとSIMトレイ搭載モデルで差
今回の分解調査および関連情報により、新型「iPhone 18 Pro」と「iPhone 18 Pro Max」のバッテリー容量が明らかになった。日本を含む多くの地域で販売されるモデルは、SIMカードスロットを本体内部に確保する必要があるため、バッテリー容量は以下の通りとなっている。
- iPhone 18 Pro(SIMカード + eSIM):4,056mAh
- iPhone 18 Pro(eSIMのみ):4,288mAh
- iPhone 18 Pro Max(SIMカード + eSIM):5,391mAh
- iPhone 18 Pro Max(eSIMのみ):5,567mAh
北米向けのeSIM専用モデルと比較して、SIMトレイ搭載モデルは最大で176mAh程度小さくなっている。それでも先代のiPhone 17 Proシリーズと比較すれば、いずれのモデルもバッテリー容量は増加している。特に注目すべきは、筐体サイズが先代から変わっていないという点だ。外形寸法が同一でありながら内部設計を見直し、より大容量のバッテリーを収めたことになる。これは、基板の高密度実装やバッテリーセルのエネルギー密度向上など、内部構造の効率化があって初めて達成できる設計であると言える。
可変絞り機構は修理不可、カメラユニットごと交換に
新型iPhone Proのメインカメラに搭載された可変絞り機構は、6枚の極薄メタルブレードで構成されている。f/1.4相当からf/2.2相当の間で絞りを切り替えられるこのシステムは、スマートフォン用カメラとしては異例の機械的構造を持つ。iFixitがこのメインカメラを分解して検証した結果、絞り機構が故障した場合の修理は現実的ではないと結論づけられた。絞りユニットだけを取り外して交換するのではなく、メインカメラアッセンブリ全体を交換することになるという。
この可変絞りは、光量が多い屋外での撮影時にシャッタースピードやISO感度とは別の軸で露出を制御できるため、映像表現の幅を広げる機能として注目されている。特にシネマティックな映像撮影や、ポートレート撮影におけるボケ味の変化は、固定絞りの従来モデルと比べて大きなアドバンテージとなる可能性がある。しかしその一方で、精密な機械部品であるがゆえに、落下や経年劣化による故障リスクは固定絞りより高いとも考えられる。購入後の長期使用を見据えるなら、この点は理解した上で選ぶべき要素だと言える。
iFixitの修理難易度スコアは7/10、前世代から横ばい
iFixitによる総合的な修理難易度評価は、iPhone 18 Pro / 18 Pro Maxともに暫定スコア7点(10点満点中)となっている。これは先代のiPhone 17 Pro / 17 Pro MaxおよびiPhone 16 Pro / 16 Pro Maxと同じ水準だ。高いスコアの背景には、バッテリー交換が比較的容易であることや、多くの内部部品がモジュール化されていることが挙げられる。その一方で、今回明らかになったプラスチックフレームの脆弱性や、カメラユニットの一体交換主義など、ユーザー自身が修理を行う際に考慮すべき点も浮き彫りになっている。
日本では2026年に向けて、修理可能期間の長さを求める機運が高まっており、EU圏を中心にバッテリー交換の容易さを義務付ける規制の動きもある。このような環境下で、Appleがこうした分解調査の結果をどのように今後の設計に反映するのかは注視に値する。少なくとも、次世代モデルでプラスチックフレーム周りの設計が改善されるかどうかが、修理のしやすさという観点からは一つの焦点となるだろう。
iPhone 18 Proの分解調査はいつ公開された?
今回の一連の分解調査に関する動画およびブログ記事は、2026年6月中旬に公開されたものです。具体的には、ザック・ネルソン氏の耐久テストおよび分解ビデオが最初に投稿され、その後を追う形でiFixitが自社の公式YouTubeチャンネルとブログで分解結果を発表しています。新型iPhone Proの内部構造に関心があるユーザーは、これらのコンテンツを参照することで、外観では伺い知ることのできない設計思想の一端を確認できます。
穴あき絞りの仕組みと、故障時の対応は?
穴あき絞り(可変絞り)とは、レンズの内部に配置された羽根の開閉によって、カメラに入る光の量を調節する機構です。デジタルカメラでは一般的なこの機構がスマートフォンに搭載されるのは異例のことですが、iPhone 18 Proシリーズでは6枚のブレードによって実現されています。
もしこの絞り機構が故障した場合、ユーザーができる選択肢は限られます。iFixitの分解調査によれば、絞りユニットの単体交換は設計上想定されておらず、修理にはメインカメラモジュール全体の交換が必要です。Appleの修理プログラムを利用する場合、保証期間内であれば無償で対応される可能性がありますが、保証切れの場合は修理費用が高額になることが予想されます。カメラの異音や絞り値の切り替え不良に気づいた場合は、早めにApple Storeまたは正規サービスプロバイダへ相談することをお勧めします。
修理の難しさという観点では、今回の分解調査は一つの警鐘を鳴らす結果となった。しかし、日常的な使用において、可変絞り機構が直ちに壊れやすいというわけではない。精密機械であることを理解し、落下時の衝撃に注意すること、またカメラホールド時にはストラップを活用するなど、丁寧な取り扱いを心がけることが結果的に長持ちの秘訣となるだろう。