累計収益17億円を達成した専業FXトレーダーのジュン氏が、「感情に左右されないスキャルピング手法」を公開した。行動経済学で知られる「プロスペクト理論」がトレードの判断を歪めるという人間の本能的な性質を認めた上で、それを克服するのではなく、技術でカバーする戦略の重要性を説いている。自身も「適性がない側の人間」と告白するジュン氏は、感情の影響を受けにくいスキャルピングという手法にこそ、勝ち残る鍵があると指摘する。
プロスペクト理論がトレードを難しくする理由
ジュン氏は、トレーダーが本来従うべき「期待値」に言及する。期待値とは、同じ選択を繰り返したときに見込まれる1回あたりの平均損益であり、理論上は高い方を選ぶのが合理的だ。しかし、人間の心理はそう単純ではない。
「利益は早く確定したいが、損失は確定したくない。わずかな望みにすがりたい」——この心理こそ、行動経済学におけるプロスペクト理論である。同氏は、この理論がトレードを著しく困難にする最大の要因だと分析。多くのトレーダーが「目標価格まであと少しだが怖いから決済する」「含み損を見たくないから画面を消す」といった非合理的な行動を取ってしまう現状を挙げる。
重要なのは、この理論への対策を「克服すること」と捉えない点にある。ジュン氏は明確に線を引く。「適性がある人は最初から合理的にトレードできる。適性がない人は最後まで感情に邪魔される」。そして自身を「完全に適性のない側の人間」と定義し、今でも「ターゲットの手前で跳ねたから利確してしまった」という失敗が絶えないと明かす。
「リバ取り」が感情に強い理由
では、適性がないトレーダーはどう勝つのか。ジュン氏の答えは「手法と技術で補う」ことだ。具体的な局面として、瞬間的に50pips急落した場面を例示する。
急落後の買いには、①リバウンド(反発)を狙う「リバ取り」と、②相場が反転して上昇トレンドに入るのを狙う「反転狙い」の2種類がある。このうち、感情に邪魔されにくいのは①のリバ取りだとジュン氏は断言する。
リバ取りの手順は極めてシンプルだ。「急落後に拾う。リバウンドしたら利確する。リバウンドしなかったら損切りする」。これだけである。考える時間が長くなればなるほど、恐怖や欲望といった感情が入り込む隙が生まれる。結果的に上昇トレンドになったとしても、途中の細かな値動きで感情が揺れ、理想的なトレードを維持するのは難しい。
「考える時間が短いほど、感情の入り込む余地が少ない」。これがジュン氏の核心的な主張である。リバ取りで本当に重要なのは、底の見極めやリバウンド終了の判断といった、純粋な技術と経験の領域だと説明する。
スキャルピングは技術で適性の差を埋められる
プロスペクト理論に邪魔されにくいトレードの代表格として、ジュン氏が推すのがスキャルピングである。極めて短い時間軸で売買を繰り返すこの手法は、1回のトレードにおける保有時間が短く、感情が介入する前に結果が決まる。
「適性のない人がプロスペクト理論を克服しようとしても難しい。であれば、スキャルピングの技術を磨くことが、現実的な対策のひとつになる」と述べる。ここで重要なのは、スキャルピングが「感情をコントロールする」方法ではなく、「感情が入り込む構造そのものを回避する」方法だという点だ。
ジュン氏は連載の中で、スキャルピングに必要な要素として、取引コストの低さを何よりも重視している。スプレッド(売買手数料に相当するコスト)が広いと、短い値幅で利益を積み上げるスキャルピングでは利益が圧迫されるからだ。同氏は自身の連載内で、スプレッドの狭いFX口座の比較情報も紹介しており、実践的な視点を忘れていない。
適性より技術——ジュン氏が示す成功への現実解
17億円という驚異的な収益を上げながらも、自らを「適性がないトレーダー」と定義するジュン氏の姿勢は、多くの投資家に示唆を与える。「才能」や「メンタルの強さ」といった測定が難しい要素に頼るのではなく、誰でも磨ける「技術」で勝負するという考え方は、FXトレードに限らず、あらゆる投資に通じる普遍性を持つ。
「トレード適正がない人間でも、スキャルであれば技術でカバーできる」という同氏の金言は、FXで結果を出せずに悩む初心者から中級者まで、多くのトレーダーに一筋の光明を投げかけている。今後も連載で公開される詳細な手法と、実践的な口座選びの情報に注目が集まる。