伝説のSFアクションマンガ『Eat-Man』が、約27年ぶりに新作アニメ化されることが決定した。新作のタイトルは『Eat-Man: The Over Order』。このほど博報堂DYミュージック&ピクチャーズが公式サイトを開設し、メインキャスト、主要スタッフ、ティザービジュアル、そして告知PVを一挙に公開している。
主人公である謎の冒険者ボルト・クランクを演じるのは、1997年放送のTVアニメ第1期『Eat-Man』と、1998年放送の第2期『Eat-Man ’98』で同役を務めた江原正士。27年という時を経て、同じ声が再びボルトに命を吹き込む。
約27年ぶりの新作アニメ化『Eat-Man: The Over Order』とは?
『Eat-Man: The Over Order』は、吉富昭仁氏のマンガ『Eat-Man』を原作とする約27年ぶりの新作アニメだ。金属を食べて武器を再生・生成できる能力を持つ冒険者ボルト・クランクの旅を描くSFアクションである。
今回発表された主要スタッフは以下のとおり。
- 監督:大賀俊二(『ゴルゴ13』TVシリーズのチーフディレクター)
- 原作・脚本:吉富昭仁
- キャラクターデザイン:平山智(『幕末義人伝 浪漫』)
- アニメーション制作:Studio Cab
原作者の吉富昭仁氏が自ら脚本を手がける点も大きな特徴だ。連載開始から四半世紀以上が経過したいま、原作者自身の筆によって新たに紡がれる物語が、どのような形で映像化されるのか。約27年ぶりとなる新作アニメ化への期待は、発表と同時に各方面から集まっている。
ボルト・クランク役・江原正士が続投、27年ぶりの“再登板”
主人公ボルト・クランクを演じるのは、TVアニメ第1期および『Eat-Man ’98』で同役を務めた江原正士。『ダークギャザリング』など近年も精力的に活動するベテラン声優だ。同じキャストが約27年ぶりの新作で再び主人公を務めるケースは決して多くない。それだけに、今回の続投は製作陣の原作に対する敬意の表れと受け取れる。
素顔を明かさず、自らの過去を語らない無口なヒーロー。円熟味を増した江原氏の声が、ボルト・クランクにどんな新たな深みをもたらすのか。当時を知るファンにとっては、記憶の中の“声”がそのままスクリーンに戻ってくる瞬間になるはずだ。
原作マンガの歩み——『電撃コミックGAO!』連載から続編『The Main Dish』まで
原作の『Eat-Man』は、1996年1月から2003年7月まで『電撃コミックGAO!』で連載されたアクションSF。単行本は角川から全19巻が刊行されている。北米ではVIZ Mediaが英語版をライセンスし、2巻までを出版したものの、その後はライセンスを返上している。
シリーズの歴史はこれで途切れなかった。2014年5月から2019年6月にかけて、続編『Eat-Man: The Main Dish』が講談社の『少年シリウス』で連載され、全6巻が刊行。1996年の連載開始から数えれば、実に約30年。ボルト・クランクというキャラクターは脈々と生き続けてきた。
1997年と1998年に放送されたTVアニメ、その後のソフト展開
テレビアニメとしては、スタジオディーン制作の第1期が1997年冬に全12話で放送。続く『Eat-Man ’98』も同じスタジオディーンが手がけ、1998年秋に全12話が放送された。新作を手がけるのはStudio Cabで、約27年ぶりに新たなスタジオの解釈で映像化される。
映像ソフトの歴史も、本作の来歴を物語っている。第1期は全3巻のDVDとして東芝デジタルフロンティア(現・博報堂DYミュージック&ピクチャーズ)がリリース。2001年にはこれらを収録した限定版DVD-BOXも発売された。2015年にはNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンが、2シリーズを収録したBlu-ray BOXを発売している。
そして今回、その東芝デジタルフロンティアの後身にあたる博報堂DYミュージック&ピクチャーズが、新作アニメの製作を主導する。シリーズの誕生から映像化までを見届けてきた会社が、約27年の時を経て再び『Eat-Man』に関わる。この巡り合わせは、作品に対する深い愛情の表れにほかならない。
『Eat-Man: The Over Order』のあらすじ
今回発表されたあらすじは以下のとおり。
金属を食べ、あらゆる武器を再生することができる——謎の冒険者ボルト・クランク。彼は自らの過去を語らず、目的も明かさない。依頼を受け、世界を旅する彼の前には、数多の事件と運命的な出会いが待ち受ける。出会いと別れ、失われた記憶、誰かが失くしたもの、誰かが守ろうとしたもの、世界のどこかに眠る真実——。語られざる物語を背負い、ボルト・クランクは今日も歩き続ける。
独自の能力設定、寡黙でミステリアスなヒーローの魅力、90年代の空気をまとったスタイリッシュな世界観。それらが一体となった本作の魅力は、時代を超えて色あせていない。
告知PVも公開中、今後の続報に注目
発表にあわせて告知PVも公開された。公式サイトは「eatman-anime.coma」、公式X(旧Twitter)は「@EATMANanime」。放送時期や追加キャストなどの情報は、今後これらのチャンネルで発信されていく見込みだ。
近年のアニメ業界では、旧作のリブートや続編の制作が相次いでいる。本作が特に注目されるのは、原作者による脚本、オリジナル声優の続投、旧作DVDのリリース元の後身企業による製作——という、なかなか見られない3つの要素が重なるプロジェクトだからだ。90年代に作品へ夢中になった世代にとってはもちろん、初めて『Eat-Man』に触れる新世代にとっても、27年越しの復活劇は大きな意味を持つ。伝説の“食う男”ボルト・クランクの新たな冒険から、しばらく目が離せない。