NEC、国内大企業初のAI自律組織を設置—人間は管理役に

NECが国内大企業初のAI自律組織を設置し、AIエージェントが業務を自律遂行、人間は管理役に徹する。

投稿者 central
NECが8月1日付で設置したコーポレートAI・Workforce部門は、AIエージェントによる4階層で構成される。
ハイライト
  • NECが国内大企業初のAI自律組織を設置し、AIエージェントが業務を自律遂行する。
  • 実証実験では業務時間を従来の約7分の1に短縮した。
  • 人間の役割はAIが働きやすい環境整備にシフトし、AIは自ら改善する。

NECは8月10日、従業員数万人規模の国内大企業としては初めて(同社調べ)となる「コーポレートAI・Workforce部門」を8月1日付で設置したと発表した。同部門は、部門長から社員に至るまでをAIエージェントで構成し、人間は管理役に徹するという、極めて先進的な組織体制を採用する。AIネイティブ企業への変革を加速する狙いがある。

AIエージェントが職務を定義、実行、自己進化——4階層で構成

新設された「コーポレートAI・Workforce部門」は、「AI部門長」「AIボード(経営陣)」「AIマネージャー」「AI社員」の4階層で構成される。職務の定義、実行、さらには自己進化に至るまでをAIが自律的に行う。人間は品質管理と統制に役割を限定する。

具体的には、AI部門長が組織全体のAIエージェントの稼働状況を把握・管理する。AIボードは経営視点からAI組織の状況を評価する。AIマネージャーは品質やコストなどの観点から業務を横断的に管理し、AI社員が個々のタスクを遂行する仕組みだ。

AIマネージャーは、社内の業務ニーズに応じてAI社員を都度生成し、役割を付与する。生成されたAI社員は、NECの行動規範やグループ活動の目的、社内規定、業務遂行の前提となる知識や判断基準などの範囲内でタスクを実行する。タスク遂行に必要な機能(スキル)が不足している場合は、自動で学習し、継続的に更新される。

実証実験で業務時間を約7分の1に短縮

同部門は7月に仮設され、1カ月間の社内実証を経て正式な組織となった。実証では、役員会議に提示する経営分析、シミュレーション、リスクの予兆検知をAIが一貫して遂行。その結果、所要時間は従来の約7分の1に短縮されたという。

AIの全活動は「AI統合マネジメントコックピット」でリアルタイムに可視化され、人間が常に監視できる状態にある。また、毎週の調査では、全てのAI社員から業務上の課題や改善提案を収集し、AIボードが審議と決議を行う。AIは性能改善を自ら行うものと、人間の対応が必要なものとを切り分け、人間が不要な場合は自律的に改善する。一方、データや権限、ナレッジ、コンテキストなど整備が必要な項目は、人間に対して要求を出す。

人間の役割は「AIが働きやすい環境整備」へ

この新組織の導入により、NECは業務をコーポレートAI・Workforce部門に集約・移管させ、個別の部門や従業員がバラバラにAIエージェントを構築・運用することを抑制する。これにより、安全で統制されたAI活用を推進すると説明する。

人間の役割は、AIが働きやすい環境を整備することにシフトする。人間は意思決定や変革実行など、AIが不得意とする領域に集中し、人間とAIが協調して業務精度とスピードの継続的な向上を図るという。NECの試みは、日本の大企業におけるAI活用の新たなモデルケースとして、今後の動向が注目される。

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