8月27日、ビットコイン(BTC)の価格は1254万円前後、イーサリアム(ETH)は約39.7万円、ソラナ(SOL)は約1.61万円で推移している。世界の暗号資産時価総額は439兆円、ビットコインのドミナンス(市場占有率)は約60.1%に達している。こうしたなか、市場の関心は29日までワイオミング州で開催されるジャクソンホール経済政策シンポジウムに集中。ビットコインは7万8000ドル台で膠着状態が続いている。
ジャクソンホール控えビットコイン膠着、市場が警戒する「利上げ」リスク
ジャクソンホール経済政策シンポジウムは、8月27日から29日までの日程で開かれている。28日金曜午前にはケビン・ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長にとって初の基調講演が予定されており、金融政策の方向性を見極める重要イベントとして注目を集めている。
ビットコイン市場が過去2年と決定的に異なるのは、市場が身構えているのが緩和の後ずれではなく、利上げの可能性そのものだという点にある。タカ派転換リスクを織り込み始めた市場心理が、ビットコインの上値を抑えている。FRBのインフレ対策が長期化する兆しが見えるなか、仮想通貨市場はリスク資産としての位置づけから売り圧力にさらされやすい局面にある。
特に注目すべきは、ウォーシュ議長が今回の講演でどの程度タカ派的なシグナルを発するかだ。もし利上げの可能性に言及すれば、短期的にビットコインを含む暗号資産全体に下落圧力がかかる可能性がある。一方で、想定よりもハト派的であれば、買い戻しのきっかけとなり得る。
リップル、8月は約32%高も足元で調整——1ドル割れからの反発とその背景
リップル(XRP)は、8月に入って1ドルを割り込む水準から回復し、月間で約32%の上昇となる見込みだ。2025年7月の約35%以来の大きな月間上昇率となる。ただし足元では調整局面に入っており、先週の相場全体の上昇局面で1.70ドルまで買われた後、現在は1.40ドル前後と24時間で約5%下落している。
XRPの上昇背景には、リップル社を巡る法廷闘争の進展や仮想通貨規制を巡る環境の改善期待があるとみられている。さらに、時価総額上位の主要暗号資産に比べて出遅れ感があったことも押し目買いを誘った要因の一つだ。しかし足元の調整は、短期的な利益確定売りやジャクソンホールを前にした様子見ムーブが広がっていることを示唆している。8月の急騰が持続的な上昇基調につながるかどうかは、今後のマクロ経済指標と規制動向にかかっている。
「AIが仮想通貨を運用」で38億円集める——詐欺15件の有罪評決
米連邦地裁の陪審は、Profit Connectのオーナーであるブレント・C・コバー被告に対し、詐欺とマネーロンダリングの計15件で有罪の評決を下した。AIを用いた仮想通貨事業であるとする虚偽の説明により、少なくとも400人の投資家から約2400万ドル(約38億円)を集めた事件だ。
9日間の審理の末、電信詐欺11件、郵便詐欺2件、資金洗浄2件の罪状が認定された。米司法省の発表によれば、被告は「AIが自動的に仮想通貨を運用し高い収益を生み出す」と謳い、実際にはそのような仕組みは存在しないにもかかわらず、投資家から資金を集め続けた。暗号資産分野ではAI関連のプロジェクトを装った投資詐欺が後を絶たず、今回の有罪評決は投資家保護の観点からも重要な判例となり得る。
暗号資産市場は今、ジャクソンホールでのFRBの政策シグナルを最大の材料に静かに身構えている。ビットコインの膠着が続くなか、リップルの急騰と調整に代表される個別銘柄ごとの値動きのばらつきも顕著だ。AIを謳った詐欺事件の有罪評決は、市場の透明性と規制強化への圧力を一段と強めることになる。投資家は短期的な値動きに惑わされず、マクロ経済の要因とプロジェクトの実態を見極める慎重な姿勢が求められている。