115%、ビットコインETF流入でIBIT1本が市場全体を突破

ビットコイン現物ETF市場でBlackRock IBITへの資金集中が加速。8月27日、IBIT1本の流入額が市場全体の115%に達した現象を分析。

投稿者 central
IBITの流入シェアが100%を超え、市場全体の資金フローを牽引。集中のリスクも浮き彫りに。
ハイライト
  • 8月27日、IBITの純流入額は2億7,760万ドルで、市場全体の純流入額2億4,230万ドルを上回った。
  • IBITは8月17日から9営業日連続で流入を記録し、シェアは53.8%から115%に上昇した。
  • 市場全体がIBIT1本に依存する構造は、流出局面で脆弱性を露呈するリスクがある。

米国のビットコイン現物ETF市場で、資金流入の一極集中が極端な水準に達している。8月27日、ブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」には2億7,760万ドルが流入した一方、市場全体の純流入額は2億4,230万ドルにとどまった。単純計算でIBIT1本の流入額が市場全体を上回る現象が発生し、その比率は約115%に達した。この日、IBIT以外のファンドを合計すると3,530万ドルの純流出となっており、フィデリティのFBTCが8,360万ドル、グレースケールのGBTCが2,720万ドルの流出を記録。ビットワイズやアーク21シェアーズなど中小ファンドが集めた合計7,550万ドルの流入を、IBIT以外のファンドが相殺した形だ。

この現象は単日の異常値ではない。8月17日から9営業日続いた流入局面で、市場全体が集めた資金は約30億5,000万ドル。そのうちIBITは約23億ドルを占め、比率は75.4%に及ぶ。IBITはこの期間、全営業日で流入を記録し続けた。

IBITのシェアは8月17日53.8%から27日100%超へ

Farside Investorsの公表値に基づくと、IBITの集中度は8月を通じて一方向に高まっている。8月17日が53.8%、19日が55.0%だったところ、20日に83.0%、26日に86.5%と切り上がり、27日には100%を突破した。連騰の初期には他社ファンドにも資金が入っていたものの、後半はブラックロック以外がほぼ横ばいか流出に転じている。「ETFに資金が戻った」という表現は、実態としては「IBITに資金が戻った」に近いと言わざるを得ない。

なぜIBIT1本に集中するのか——流動性の自己強化が加速

背景には流動性の自己強化メカニズムが存在する。IBITは運用資産500億ドル到達までの速さで史上最短記録を樹立。2024年11月に始まったオプション市場も、ビットコイン・オプションの主要な取引場所のひとつに成長した。機関投資家がETFを選ぶ際、原資産の値動きよりも先に取引量やスプレッド、オプションの厚みを確認する。このため、いったんついた差は縮みにくい構造になっている。加えて、運用資産10兆ドルを超えるブラックロックの販売網が、IBITの圧倒的な資金集めを支えている。

集中がもたらすリスク——流入局面と同じ速さで流出も

ただし、集中は上昇局面だけの現象ではない。米ビットコイン現物ETFは2026年上半期に54億ドルの純流出を記録し、上場以来初めて半期ベースでマイナスに沈んでいる。市場全体の資金フローが単一の商品と単一の販売チャネルに依存する状態では、流入局面と同じ速さで流出局面が訪れる可能性も高まる。IBIT1本に依存した市場構造は、上昇時には強力な推進力となる一方で、下落時には市場全体の脆弱性を露呈させるリスクを内包している。

9月以降の焦点——寡占のさらなる進行か、巻き返しの動きか

9月以降、フィデリティなど他社が巻き返しに出るのか、それともIBITの寡占がさらに進むのかが焦点となる。現時点ではIBITの優位を覆す要素は見えにくい。流動性の差は時間とともに拡大する傾向があり、ブラックロックのブランド力と販売網は他社の追随を許さない。しかし、投資家の分散リスク認識や規制環境の変化によって、流れが一変する可能性も否定できない。ビットコイン現物ETF市場の今後の動向は、暗号資産市場全体の資金フローを占う上でも重要な指標となりそうだ。

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