『装甲騎兵ボトムズ』シリーズの完全新作アニメーション『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇a(Die Graue Hexe)』が、2025年11月20日に前編となる劇場版第1作目を公開する運びとなった。本作は、伝説的なクリエイター・押井守氏が監督を務め、サンライズが制作、Production I.Gが制作協力として名を連ねる一大プロジェクトである。この度、その圧巻の声優陣と追加スタッフが一挙に解禁され、40年以上にわたるシリーズの歴史に新たな一章が刻まれることへの期待が一層高まっている。
11月公開決定——待望の新作『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』とは
本作『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』は、1983年に放送されたTVシリーズから続く正統な系譜に連なる新作であり、2部作の劇場版として構成される。第1作目が11月20日に全国公開されることが公式サイトを通じて正式に発表され、シリーズファンのみならず、メカアニメ史に残る金字塔の新展開として広く注目を集めている。
押井守監督が『ボトムズ』に携わるのは、OVA『装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』(1988年)以来、実に30年以上の時を経ての帰還となる。脚本は押井監督と山村桂氏(『Vlad Love』)が共同で執筆。音楽は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などで知られる川井憲次氏が担当し、かつての重厚な世界観を現代の技術で鮮やかに蘇らせる。
超豪華声優陣——錚々たる顔ぶれが集結
今回解禁されたキャストは、シリーズの新たな舞台を彩るにふさわしい、まさにオールスター級の布陣である。
主人公と見られるアリックス・バラック役に三木眞一郎氏(『BLEACHaa』)。イグニス・シュヴァインシュタイガー役に梶裕貴氏(『進撃の巨人』)。フリッツ・ゲルスドルフ役に中村悠一氏(『呪術廻戦』)。ブルンハルト・ミュラー役に鶴岡聡氏(『Fate/Zero』)。エイドリアン・ダイスラー役に杉田智和氏(『銀魂』)。マット・フンメルス役に三宅健太氏(『僕のヒーローアカデミア』)。
さらに、ソルティグ・ヴァン・グンナル役に茶風林氏(『ひぐらしのなく頃に』)、ヴィット・ヒルデブラント役に大塚芳忠氏(『NARUTO -ナルト-』)、メテウス・ユリアン・ポドルスキー役に小野大輔氏(『黒執事』)、ヴァイスヴァイラー役に菅生隆之氏(『天元突破グレンラガン』)、オリヴァー役に櫻井孝宏氏(『モブサイコ100』)、メカニックガール役に上坂すみれ氏(『イジらないで、長瀞さん』)と、ベテランから実力派まで、各々がどのようなキャラクターを演じるのか、今から想像が膨らむ。
【声優キャスト一覧】
- アリックス・バラック:三木眞一郎
- イグニス・シュヴァインシュタイガー:梶裕貴
- フリッツ・ゲルスドルフ:中村悠一
- ブルンハルト・ミュラー:鶴岡聡
- エイドリアン・ダイスラー:杉田智和
- マット・フンメルス:三宅健太
- ソルティグ・ヴァン・グンナル:茶風林
- ヴィット・ヒルデブラント:大塚芳忠
- メテウス・ユリアン・ポドルスキー:小野大輔
- ヴァイスヴァイラー:菅生隆之
- オリヴァー:櫻井孝宏
- メカニックガール:上坂すみれ
メカと世界観を支える——追加スタッフ情報
映像クオリティの中核を担うスタッフ陣も、並み居る実力者が結集した。メカニックデザインには、オリジナルのメカニックデザインを務めた大河原邦男氏が「オリジナルメカニックデザイン」として参加。さらに常木志伸氏(『怪獣8号』)、曽野由大氏(『うる星やつら』2022年版)、石口十氏(『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』)、伊奈航氏(『Reincarnation no Kaben』)が新たなアーマードトルーパーをデザインする。
キャラクターデザインは西尾鉄也氏(『怪獣8号』)、小島崇史氏(『きみと、波にのれたら』)、小木曽伸吾氏(『アルスラーン戦記』)の3人が担当。コスチュームデザインには寺田克也氏(『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』原案)が参加し、美術設定・美術監督・色彩設計・撮影監督といったビジュアル面の主要ポストに、それぞれ『HELLO WORLD』や『Guilty Crown』、『86-エイティシックス-』、『ヴィンランド・サガ』といった近年の話題作を手がけたスタッフが名を連ねている。
音響監督には『千と千尋の神隠し』の若林和弘氏が就任。これにより、シリーズ最大の魅力の一つである、重厚で臨場感あふれる戦場の音響が再現されることは間違いない。
「装甲騎兵ボトムズ」シリーズの系譜——1983年から未来へ
『装甲騎兵ボトムズ』は、1983年から1984年にかけて全52話が放送された、高橋良輔監督によるオリジナルSFロボットアニメである。人型戦闘機械「アーマードトルーパー(AT)」と、数々の戦場を渡り歩く主人公・キリコ・キュービィーの運命を描いたハードボイルドな作風は、今なお熱狂的な支持を集めている。
その後も、1988年のOVA『野望のルーツ』、1994年のOVA『赫奕たる異端』、2007年から2008年にかけてのOVA『ペールゼン・ファイルズ』、2010年の『幻影編』、2011年の『孤影再び』など、幾多のスピンオフや続編が制作されてきた。2010年には『ケース;アービン』や『ボトムズ ファインダー』といった、シリーズの世界観を拡張する意欲作も発表されている。
押井守が描く「幻影」——待望の新作が持つ意味
監督・押井守という存在は、『ボトムズ』シリーズにおいて特別な意味を持つ。彼が手がけたOVA『野望のルーツ』は、TVシリーズとはまた異なる視点で「レッドショルダー」という特殊部隊の悲劇を描き、作品世界の深みを一気に増大させた。その押井守が、再び『ボトムズ』と向き合う。タイトルに冠された「幻影篇(Die Graue Hexe)」——ドイツ語で「灰色の魔女」を意味するこの言葉が、どのような物語を予感させるのか。公開前から、謎と期待が交錯する。
劇場版『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』はいつ公開されるのか?
前編となる第1作目は、2025年11月20日(木)より全国の劇場で公開される。後編の公開時期は現時点では未発表だが、今後の続報が待たれる。
業界からの視点——レジェンドシリーズの復活が示すもの
1980年代のリアルロボットアニメブームを牽引した『ボトムズ』が、2020年代に本格的な新作劇場版として復活するという決定は、アニメ業界全体にとっても大きなトピックである。近年、『機動戦士ガンダム』シリーズなども新たな映像プロジェクトを次々と立ち上げており、旧作のリメイクや続編ではなく、完全新作として“世界観の継承”を打ち出す動きが加速している。
押井守監督の起用は、単なるノスタルジーに頼らない、作家性の強い作品を志向していることの現れと言える。サンライズとProduction I.Gという二大スタジオが協力するという体制も、本作への並々ならぬ力の入れようを示している。
『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』は、単なる過去の遺産ではなく、今を生きるクリエイターたちによって新たに血肉を与えられる、未来への架け橋となるだろう。公開まであと半年。続報を待ちたい。