House Houseが開発し、Panicが8月4日にリリースした協力型アドベンチャーゲーム『Big Walk』が、発売直後から世界的な人気を博している。そんななか、ゲーム内で突如として現れ、困ったプレイヤーを助けるという謎の人物「John Bigwalk」の存在が、国内外のコミュニティで大きな話題を集めている。
『Big Walk』とは:12人協力で探索するオープンワールド
『Big Walk』は、最大12人でのマルチプレイに対応した協力型アドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)、PS5、Nintendo Switch 2で、ゲーム内の日本語表示にも対応している。プレイヤーは3つの球で構成されたトリのような生物を操作し、さまざまなチャレンジやパズルが待ち受ける広大なオープンワールドを、仲間とともに探索していく。
本作はリリース後たちまち人気を集め、Steamにおける同時接続プレイヤー数は一時4万6409人を記録。さらにPS5向けに8月度のフリープレイとして提供されながらも、発売から1週間足らずで売上本数が100万本を突破したことがPanic公式から報告されている。この異例の盛り上がりは、『Untitled Goose Game』で知られるHouse Houseの新作に対する期待の高さと、フリープレイによる爆発的なユーザー獲得が要因と考えられる。

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John Bigwalkとは何者か?伝説の“お助けキャラ”の正体
本作のコミュニティで“伝説”となっているのが、その名も「John Bigwalk」だ。海外掲示板Redditではリリースから約1週間が経過した頃から遭遇報告が相次ぎ、現在では一種のカルト的な人気を誇る存在となっている。報告によると、John Bigwalk氏の特徴は以下の通りだ。
- 基本的にはその場にいて、プレイヤーを見守っている
- 困った時にはパズルのヒントを与えたり、仲間のもとまで誘導したりする
- 声はラジオ向きの、落ち着いたトーン
- 見た目は赤い個体が多いが、時折シルバーやゴールドのカラーリングをしている
本作はロビーのコードとパスワードを入力して合流する形式を採用しており、プレイヤーはDiscordなどで仲間を募集してプレイするのが一般的だ。John Bigwalkはそうしたロビーに突如として参加し、本当に困っている時だけ手を差し伸べる“お助けキャラ”として機能しているという。
Kotaku記者が7時間待って直接対話
この“John Bigwalk伝説”の真偽を確かめるべく、海外ゲームメディアKotakuの記者Rebekah Valentine氏が行動を起こした。同氏はReddit上でロビーを開設し、待つこと7時間。ついにJohn Bigwalk氏との直接遭遇に成功し、インタビューを実施している。
その結果、John Bigwalk氏の正体が明らかになった。彼は開発陣とは無関係の一般プレイヤーであり、「John Bigwalk」ではない別の名義で活動するストリーマーだった。しかし最近、PCトラブルにより配信活動を休止中。さらに愛犬を亡くすという悲しみを経験し、しばらく配信から離れてリラックスするために『Big Walk』をプレイしていたという。
なぜ彼は“John Bigwalk”になったのか
John Bigwalk氏は、House Houseの前作『Untitled Goose Game』のファンだった。そのため『Big Walk』も当然のように購入し、すぐにクリアした。しかしゲームをクリアした後も、この美しいオープンワールドで遊び続けたいと考えた彼は、Redditを通じて他人のロビーに参加し始めた。
彼が他人のロビーで守っているルールは明確だ。ロビーのホストが許可しない限りはパズルを手伝わないこと、そして手伝う際にもヒントを少しずつ与えること。あくまでホストの意図を尊重し、介入は最小限に留めている。こうした紳士的な振る舞いが、コミュニティ内で「伝説」として語り継がれる理由の一つだろう。

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作品が生むコミュニケーションの力
John Bigwalk氏は、自分との別れを泣いて惜しんでくれたプレイヤーがいたことを明かし、その経験を「It crushed my heart in a good way(いい意味で胸が締め付けられる思いがした)」と振り返っている。このエピソードは、『Big Walk』というゲームが単なるパズル解決のツールではなく、人と人との間に深い感情的な繋がりを生み出すプラットフォームであることを示している。
こうした“お手伝い助っ人プレイヤー”の存在は、ゲーム業界では決して珍しいものではない。フロム・ソフトウェアの『エルデンリング』において、最強ボス「ミケラの刃、マレニア」を協力プレイで延々と討伐し続けた「Let me solo her」ことKlein Tsuboi氏が代表的な例だ。『Big Walk』に『エルデンリング』ほどの超高難度なシチュエーションは存在しないものの、他者との協力を前提としたゲームデザインが、今回のような“助っ人”の登場を促したと言えるだろう。
近況と今後の展望
John Bigwalk氏は10月に配信活動を再開する予定であることを明かしており、「John Bigwalk」としての活動を今後も続けるのか、その動向が注目される。本作のコミュニティではすでに「John Bigwalk遭遇ツアー」のような形で彼を探すプレイヤーも登場しており、伝説はさらに広がりを見せている。
『Big Walk』はPC(Steam)、PS5、Nintendo Switch 2向けに販売中だ。もし本作をプレイする機会があれば、赤いトリが静かにこちらを見つめていたら、それは運命的な遭遇かもしれない。