伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が2026年8月に発表した2026年度(2027年3月期)第1四半期(2026年4~6月)の連結決算は、売上収益が前年同期比14.4%増、営業利益が同26.7%増、純利益が同27.1%増と大幅な伸びを示し、第1四半期として過去最高の業績を更新した。特に受注高は前年同期比54.3%増と急拡大し、受注残高も全四半期を通じて過去最高となる約6000億円に迫る水準に達している。同社の新宮達史社長は決算会見で「IT需要は幅広い業種で旺盛に推移している」と述べ、好調の背景を説明した。
CTC第1四半期、売上収益は16年連続増収——受注残高も過去最高更新
CTCの業績は複数の指標で過去最高を記録した。売上収益は第1四半期として16年連続の増収を達成。営業利益と純利益もそれぞれ大幅な増益となった。新宮社長は「当社が強みとする幅広い顧客基盤と、注力領域であるクラウドネイティブ、セキュリティ、高度AIなどのビジネスによって、旺盛な需要を着実に捉えてきた」と手応えを語る。
同社のビジネスは「サービス」「開発」「製品販売」の3つのセグメントで構成されており、第1四半期はすべての領域で売上収益が伸長した。特に、AI関連の大型案件の獲得や、半導体メモリ不足に伴う価格高騰を懸念した顧客からの先行受注が、受注残高の大幅な増加につながったと分析している。
通期進捗率22.3%と高いスタート——売上総利益率も高水準維持
今回の決算の特徴として、通期の売上収益に対する第1四半期の進捗率が22.3%と、過去3カ年で最も高い水準に達した点が挙げられる。新宮社長は「受注残高は第2四半期以降に順次、売上収益に貢献していく見込み」と述べ、今後の業績押し上げに期待を示した。
また、同社は顧客への付加価値の高いソリューション提案を継続した結果、売上総利益率は過去最高だった前年同期並みの高い水準を維持。売上総利益も過去最高を記録した。さらに、成長投資を継続しつつ社内業務の効率化を進め、販売管理費の伸びを抑制したことで、営業利益の拡大につなげたと説明している。
「SIerナンバーワングループの中核的存在へ」——新宮社長の宣言
新宮社長は今回の決算結果を「総じて非常に好調な決算で、2026年度の良いスタートダッシュを切ることができた」と総括。その上で「引き続き、当社のブランドコピー『世界をGOODに』を合言葉に、ITでお客さまや社会の課題を解決する取り組みを通じ、SIerナンバーワングループの中核的存在になるべく尽力していきたい」と力を込めた。
同社の好調な業績は、日本のIT業界全体にとっても明るい材料だ。しかし、ITからデジタルトランスフォーメーション(DX)、さらにはAIトランスフォーメーション(AX)へとテクノロジーの潮流が急速に変化する中で、日本企業のテクノロジー活用の在り方や、SIerのビジネスモデルそのものも変革を迫られている。好业绩の裏で時代が大きく動いていることを認識し、ユーザー企業もベンダーも、的確な戦略を迅速に打ち出すことが求められている。