ポニーキャニオンは12月19日、完全新作オリジナルTVアニメ『Maiden Blood』の公式サイトを公開し、メインキャスト、スタッフ情報、ティザービジュアル、そしてティザーPVを一挙に解禁した。放送は2027年に決定している。同作は、2020年のパンデミック下においてシリーズ構成を務める上江洲誠が「放送コードを一切気にしない、ダークでハードコアなアクションアニメ」を企画したことから始まったプロジェクト。その過激な内容から、岸誠二監督は複数の初期エピソード草案が、テレビ放送に不適格と判断された経緯を明かしている。制作委員会は現在も各放送局と調整を続けており、原作者の意図した妥協なきダークファンタジーを、テレビ画面上で完全な形で届けるべく交渉を重ねている。
「Maiden Blood」とは?──死への恐れが生み出した終末世界
本作の舞台は、人類が死を恐れる心の弱さにつけ込まれ、邪神が台頭したことで終末=アルマゲドンを迎えた世界。80億もの人々が犠牲となり、わずかな生存者は永遠の闇に覆われた世界で、神の玩具としてのみ存在を許されている。論理が崩壊したこの歪んだ世界では、人間の血がすべての価値基準となっている。それは通貨であり燃料であり、さらに魔術師たちが悪魔を駆逐するために生み出した禁断の武器でもある。
物語の中心にいるのは、この黙示録の中で宿命に縛られた一組の姉妹、エヴァとエピカだ。妹のエピカは魂を失った最強の血戦人であり、姉のエヴァは生まれつき歩くことができない。しかし、世界を冒涜する悪魔たちと戦うエピカの力を覚醒させることができるのは、エヴァの血だけなのである。
スタッフ陣容:『Angel Beats!』から『サマータイムレンダ』まで、実力派が集結
『Maiden Blood』のスタッフ陣は、まさに錚々たる顔ぶれだ。
監督は『Angel Beats!』や『暗殺教室』で知られる岸誠二が務める。シリーズ構成・脚本には、『暗殺教室』や『アサルトリリィ BOUQUET』の上江洲誠が名を連ね、物語の骨格を設計する。オリジナルキャラクターデザインは、『takt op. Destiny』のキャラクターデザインを手がけたイラストレーターのLAMが担当。色彩豊かでありながら退廃的なビジュアルは、本作の世界観を強烈に印象づけるだろう。
音楽面では、『サマータイムレンダ』や『NieR:Automata』で知られる岡部啓一を筆頭に、高橋邦幸(『真夜中ハートチューン』)、淨楽太一(『勇者パーティーに可愛い子がいたので、告白してみた。』)という3名の作曲家が参加。音楽プロデュースはポニーキャニオン、制作協力にはMONACAが名を連ね、サウンド面からも高いクオリティが期待される。
そして、アニメーション制作を手がけるのは、『蒼き雷霆 ガンヴォルト』や『ULTRAMAN』など、3DCGアニメーションに定評のあるポリゴン・ピクチュアズだ。同スタジオが本作でどのような映像表現を追求するのか、注目が集まる。
キャスト:佐伯伊織と安済知佳、宿命の姉妹を熱演
メインキャストには、妹エピカ役に佐伯伊織(『ネコぱら』など)、姉エヴァ役に安済知佳(『私が恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』など)が起用された。静かでありながら強い意志を秘めたエヴァと、魂を失いながらも圧倒的な戦闘能力を発揮するエピカ。原作の持つ暗くも美しい姉妹の関係性を、二人の声優がどのように演じ分けるのか、ティザーPVからもその一端を垣間見ることができる。
2020年に始まった企画、放送コードとの闘い
本プロジェクトが始動したのは2020年。世界的なパンデミックの中で、上江洲誠がプロデューサーに「制約のないダークなアクションアニメをやりたい」と提案したことが発端だ。着想の源には、海外のRPG作品に代表されるような、過激で生々しい暴力表現への憧れがあったという。
実際に脚本の執筆が進むにつれ、その残虐性とダークなストーリー展開は、従来のテレビアニメの放送コードを度々超えるものとなった。岸誠二監督は、シリーズ初期に書かれた複数のエピソード草案が、一度は放送不可能と判断された事実を明らかにしており、制作側がどこまで表現の自由を貫けるかが、本作の最大の注目点の一つとなっている。
ティザーPVと公式情報:2027年の放送に向けて
今回公開されたティザーPVでは、終末的な世界観、血に彩られた戦闘シーン、そして姉妹の神秘的な関係性が断片的に描かれている。映像はポリゴン・ピクチュアズによる美麗な3DCGと、LAMによるキャラクターデザインの融合が印象的だ。公式サイト(https://maiden-blood.com/)および公式Xアカウント(@maidenblood_x)では、今後の追加情報が随時公開される予定である。
2027年の放送開始に向けて、表現の自由度とテレビ放送の現実をどう折り合わせるのか。業界全体が注目する問題作の今後の動向から、目が離せない。