日本、トランプ後も米国関係改善に信頼わずか26%、調査で判明

シドニー大学の調査で、トランプ後も米国を信頼する日本人はわずか26%と判明。日米同盟の信頼低下を分析。

投稿者 central
日米関係の信頼低下を示す調査結果。トランプ政権後の認識ギャップが浮き彫りに。
ハイライト
  • トランプ第二期政権後、米国がより良い同盟国になると信じる日本人はわずか26%にとどまった。
  • 53%の日本人がトランプ第二期政権は日本にとってマイナスだったと回答した。
  • 日本では米国が日本を守るという拡大抑止への信頼が2023年の77%から2025年に大幅低下した。

日米関係の根幹を揺るがすような調査結果が、このほど明らかになった。トランプ米大統領の第二期政権が終了した後、米国が「より良い同盟国」になるという確信を抱いている日本人は、わずか26%にとどまることが、シドニー大学米国研究センター(USSC)の最新調査で判明した。この数値は、同じ質問に対し45%が肯定したオーストラリア、46%が同様の見方を示したアメリカ本国との間に、顕著な認識ギャップがあることを浮き彫りにしている。

本調査は、日米豪印の4カ国で構成される「Quad(クアッド)」の各国で、それぞれ1000人以上を対象に実施された。調査結果は、トランプ氏の「取引型」の外交姿勢、同盟国に対する関税の武器化ともいえる戦術が、日本の対米認識に深刻な影響を及ぼしている実態を如実に示している。同盟関係の維持が不可欠であると認識しつつも、その信頼性には懐疑的な見方が広がっているのだ。

同盟の必要性と信頼の断絶——日本の複雑な対米認識

調査によれば、回答者の36%が「日米同盟はかつてないほど必要とされている」と評価している。米国との関係を引き続き極めて重要と位置づける点では、他国と大差はない。しかし、「トランプ大統領の第二期政権が日本にとってマイナスだった」と答えた割合は53%に達し、プラスと評価したのはわずか8%だった。この数字は、同盟の戦略的必要性と、現政権への失望感が日本国内で複雑に絡み合っている状況を物語っている。

研究チームは、日本の回答者が米国に対して「はるかに自信を持っていない」と指摘する。その背景には、トランプ氏が伝統的な安全保障の枠組みを軽視し、同盟国との関係をコストベースで再定義しようとする姿勢がある。外交儀礼よりも実利を優先するその手法は、長年にわたって培われてきた日米間の信頼関係に、目に見えない亀裂を生じさせている。

「米国が日本を守る」という前提の揺らぎ

より深刻な変化は、日本の安全保障の中核をなす「拡大抑止」への信頼低下に表れている。

2023年の調査では、日本が中国から攻撃を受けた場合に米国が援助に来ると確信する日本人は77%に上っていた。しかし、2025年の今回の調査では、その数字は60%にまで急落した。わずか2年で17ポイントもの低下であり、日本の安全保障政策の根幹に疑念が生じていることを示す極めて重要なシグナルである。

この信頼低下の背景には、トランプ政権の対外政策の不安定さに加え、日本の安全保障環境そのものの変化もある。石破前政権から引き継ぎ、2025年11月には高市早苗首相が、中国による台湾への武力攻撃が発生した場合に「日本が軍事介入する可能性」に言及するなど、日本の安全保障政策は従来の枠組みを超えつつある。台湾海峡の安定は日本の安全保障に直結する問題であるが、同時に自らの発言が中国との緊張を高めるリスクもはらんでいる。

中国認識——日本と豪州で鮮明に分かれるスタンス

調査は、中国に対する各国の認識の違いも明確に描き出している。

日本では66%が中国を「脅威」と見なす一方、経済的パートナーとして評価する割合は28%にとどまった。アメリカでも55%が脅威と回答し、43%が経済的パートナーと見なしている。インドでは59%が脅威、43%が経済的パートナーと、これも類似した傾向を示した。

しかし、オーストラリアの認識はこれらと明確に異なる。豪州では、なんと64%が中国を経済的パートナーと評価し、脅威と見なす割合は47%だった。中国経済への依存度が高いオーストラリアの現実を反映した結果であり、同じQuadのメンバーでありながら、対中認識がここまで分かれていることは、今後の同盟戦略の調整に影響を及ぼす可能性がある。

さらに興味深いのは、自国政府の対中政策に対する評価だ。アメリカでは「自国政府の対中対応は攻撃的すぎる」と考える割合が20%に達し、Quadの中で最も批判的だった。これに対し、日本では同じ回答はわずか7%、オーストラリアでは4%にとどまっている。

日本の同盟戦略が直面する新たな現実

本調査の結果は、日本が長年依存してきた米国の安全保障の傘が、もはや無条件のものではなくなったという冷徹な現実を突きつける。日本人の間で「日本は米国を必要なパートナーと見なしているが、その信頼性には確信が持てない」という姿勢が定着しつつあるのだ。

一方で、66%が中国を脅威と見なす日本の対中認識は、外交・安全保障政策の選択肢を狭める要因ともなっている。経済的な相互依存関係を維持しながら、米国のコミットメント低下リスクにどう備えるか——日本はかつてないほど困難なバランスを迫られていると言える。

調査結果は、日本が単なる同盟関係の深化だけではなく、自国の防衛力強化や、インド太平洋地域における他のパートナー国との連携を含む、複層的な安全保障戦略を模索する必要性を示唆している。2026年以降、日本の外交政策がどのような方向性を打ち出すのか。そのかじ取りは、同盟国の信頼回復と、新たな安全保障環境への適応という二つの課題を同時に解決できるかどうかにかかっている。

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