鹿児島県・屋久島町に、22日午前5時10分、気象庁により土砂災害警戒情報の最も高いレベル5が発表された。台風24号(クロヴァン)と熱帯低気圧の影響で線状降水帯が断続的に発生し、同町では記録的な大雨となった。同日午前11時30分にはレベル4に引き下げられたものの、気象庁は引き続き土砂災害への厳重な警戒を呼びかけている。
屋久島町で観測された記録的な大雨と強風
屋久島町の小域地区では、午前5時30分までの24時間雨量が490.5ミリに達し、観測史上最多を更新した。また、22日午前0時30分過ぎには最大瞬間風速25.9メートルを記録。台風本体というよりも、台風と熱帯低気圧の周辺から流れ込んだ暖かく湿った空気が、東よりの風と衝突し、積乱雲が発達したことが原因とみられる。
気象庁予報課の細見卓也氏は、このメカニズムについて「台風と熱帯低気圧の影響で、南東から屋久島に向けて非常に湿った空気が流入し、これが東風とぶつかることで積乱雲が次々と発生した」と説明している。いわゆる線状降水帯が断続的に形成されたことで、長時間にわたって猛烈な雨が降り続いた。
台風24号の現在位置と勢力
22日午前9時現在、台風24号は沖縄県・久米島の北約170キロの海上を、時速15キロで南南西に進んでいる。中心気圧は990ヘクトパスカル、最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートル。暴風域はないものの、中心の北西約440キロ、南東約280キロの範囲では風速15メートル以上の強風域となっている。
一方、沖縄の南東海上には熱帯低気圧が存在しており、この熱帯低気圧が北上する影響で、23日(日曜日)にかけて東日本や西日本の太平洋側を中心に大雨となる恐れがある。気象庁の予報によれば、22日午前6時から23日午前6時までの24時間に予想される雨量は、九州南部で200ミリ、鹿児島県・奄美地方で180ミリ、東海地方で100ミリ、沖縄、近畿、関東甲信で80ミリに達する見込み。
土砂災害への警戒と政府の対応
土砂災害警戒情報のレベル5は、文字通り「災害がすでに発生している可能性が極めて高い」状況を意味する。今回のケースでは、屋久島町の広い範囲で地盤が緩み、少しの雨でも新たな崩落が発生する危険性が高い状態にある。気象庁は、レベル4に引き下げられた後も「斜面から離れる」「周囲の状況を常に確認する」など、住民へ自発的な避難行動を促している。
内閣府によると、鹿児島県は22日、屋久島町に対し災害救助法の適用を決定。避難所の設置費用などは国と県が負担する。このような初動対応の早さは、2020年7月豪雨などの過去の大規模災害の教訓を踏まえたものとみられる。
今後の天候と注意点
気象庁の予報では、前線が東日本と西日本の太平洋沿岸に停滞し、熱帯低気圧が接近する23日にかけて、西日本から東日本の広い範囲で大気の状態が不安定となる。特に、線状降水帯の発生リスクが指摘されており、気象庁は「少しでも異変を感じたら、躊躇せずに避難するよう」呼びかけている。
気象庁は、土砂災害警戒情報の対象地域が拡大される可能性にも言及しており、最新の気象情報と自治体の避難情報を随時確認することが求められる。屋久島町では、記録的な大雨で地盤が緩んでいるため、今後の降雨予報が比較的少なくても油断はできない。特に、夜間の豪雨は視界が悪く、避難のタイミングを逃しやすいため、明るいうちからの安全な場所への移動が推奨される。