Toto、ユニットバス受注を全面再開 供給懸念が解消

イラン情勢に端を発した供給懸念が解消、Totoがユニットバス受注を通常再開。

投稿者 central
2025年6月3日、Totoが約1カ月半ぶりにユニットバス受注を全面再開。原材料ナフサの供給改善で通常納期対応に移行。
ハイライト
  • Totoは2025年4月中旬からユニットバス新規受注を停止していたが、6月3日より全面再開する。
  • 受注停止の原因はイラン情勢緊迫化によるナフサ由来の有機溶剤供給懸念だった。
  • 政府の調達先多角化推進やTotoのシステム改修により、安定供給体制が回復した。

Toto(TOTO)は、2025年4月中旬から一時停止していたユニットバス(プレハブ浴室)の新規受注を、6月3日より全面再開する。同社は原材料であるナフサ由来の有機溶剤の供給懸念から受注を一時停止していたが、調達環境の改善と受注システムの改修完了に伴い、通常の納期対応に戻すと発表した。

今回の受注再開は、イラン情勢の緊迫化に端を発するナフサ供給の不透明感が和らいだことを受けたもの。Totoの広報担当者は電話取材に対し、「原材料の供給見通しが改善したことに加え、注文処理システムのアップグレードが完了した」と説明。新規受注の全面停止から約1カ月半での正常化となる。

ユニットバス受注停止の経緯と理由

Totoは2025年4月中旬、ユニットバスの壁や天井の塗料に使用する有機溶剤(シンナー類)の不足を理由に、プレハブ浴室とモジュール型浴室の新規受注を一時停止した。この有機溶剤はナフサを原料として製造されており、イラン情勢の悪化による中東からの供給途絶リスクが、調達に深刻な影響を及ぼしていた。

同社は受注停止から約1週間後には一部の受注を再開していたものの、本格的な正常化には至っていなかった。今回の全面再開により、これまで受注を見送られていた案件も含め、通常のビジネスフローに戻ることになる。

政府の対応とナフサ調達の現状

一連の動きの背景には、日本政府による再三の安定供給への働きかけがある。政府は中東情勢の緊迫化を受け、「ナフサ不足の報告は受けていない」としつつも、輸入元の多角化を推進。実際に、調達先を中東以外にシフトする動きが加速しており、供給網の強靭化が進んでいる。

具体的には、北米や東南アジアからのナフサ輸入量が増加。これにより、国内の化学メーカーや樹脂加工業界全体の原料調達リスクは低減しつつある。Totoの判断も、こうしたマクロ環境の改善を踏まえたものと言える。

ユニットバスとは?住宅設備業界における位置づけ

ユニットバスは、工場であらかじめ壁や床、天井、浴槽などを一体化して製造し、現場に搬入して設置する浴室システムのこと。在来工法に比べて施工期間が短く、品質が安定していることから、マンションや集合住宅を中心に広く普及している。Totoはこの分野で高いシェアを持ち、同社の受動再開は住宅産業全体のサプライチェーンに波及効果を持つ。

価格動向と今後の見通し

気になるのは価格への影響だが、Totoの広報担当者は「現時点で値上げの予定はない」と明言している。とはいえ、ナフサ価格の変動や為替の影響は常にリスクとして存在する。住宅設備業界では、原材料高を理由にした値上げが相次いでいるだけに、今後の動向には引き続き注意が必要だ。

業界関係者の間では、今回の受動再開を歓迎する声が強い。特に、2025年度の住宅着工が底堅く推移している中で、ユニットバスの供給停滞は建設現場の工程遅延を引き起こしかねない重大な問題だったからだ。今回のTotoの判断は、住宅業界全体の安定稼働に寄与するものと期待される。

住宅設備業界への影響と市場の反応

Totoの受動再開は、同社のサプライチェーン管理能力の高さを示すと同時に、日本企業の調達リスク対応の一つのモデルケースとなる可能性がある。特に、地政学リスクが高まる中、単一原料への依存度を下げる取り組みは、多くの製造業にとって参考になるだろう。

一方で、今回の一連の混乱は、ナフサ由来素材の重要性を改めて浮き彫りにした。有機溶剤は塗料だけでなく、接着剤や樹脂部品など、住宅設備の幅広い工程で使用されている。Totoのみならず、業界全体で調達先の多様化や代替材料の開発を進める契機となる可能性もある。

Totoは今後も、安定供給と品質維持を両立させる体制を強化していく方針だ。ユニットバスの受注再開は、その第一歩として位置づけられている。

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