パナソニックHVAC&CCと積水ハウスは7月8日、除湿熱交換型換気システム「SMART-ECS SARAWEL(スマートイクス サラウェル)」を共同開発したと発表した。8月3日に発売する。エアコンのように室内の湿気を取るのではなく、外気の湿気を「家に入れる前」に取り除く発想で、除湿力は業界最高と謳う。
外気を除湿してから給気する新発想の換気システム
屋外に設置した本体で外気中の水分を取り除き、温度を整えてから室内へ送り込む仕組みだ。定格除湿能力は3.1kg/h相当で、国内戸建て住宅向けの調湿外気処理機(風量200立方m/h以下)では業界最高という(2026年6月時点、両社調べ)。湿度を抑えた空気はリビングや寝室だけでなく、エアコンのない廊下や洗面室にも行き渡る。
「高湿度化」が進む日本の夏に照準
室温を必要以上に下げずに湿度を抑えられるため、冷房の風や冷えすぎが苦手な人にも向く。積水ハウスの実験では、室温が同じでも湿度が低い環境の方が皮膚表面から熱が逃げやすいことを確認した。熱中症予防の指標である暑さ指数(WBGT)は、同じ気温でも湿度が高いほど上がる。
背景には日本の夏の「高湿度化」がある。積水ハウスの分析では、東京の8月の外気に含まれる水分量は、2001~2004年の平均と比べて2021~2024年の平均で約26%増えた。熱中症による救急搬送は発生場所別で住居が約38%と最も多く、室温だけでなく湿度にも目を向けた住環境づくりが課題になっているという。
洗濯物の乾燥時間が37%短縮、カビ対策にも
湿度が下がれば、部屋干しの洗濯物も乾きやすくなる。積水ハウスの調べでは、洗濯物6.0kg(4人分想定)の自然乾燥にかかる時間は、通常の冷房環境(28℃・湿度60%)で約8時間だったのに対し、サラウェル環境(28℃・湿度32%)では約5時間と37%短くなった。湿気がこもりにくいため、カビやダニが繁殖しにくい環境づくりにもつながるとしている。
冬は熱交換換気、空気清浄機との連携で年間対応
冬は熱交換換気に切り替わり、室内の暖かい空気を使って外から取り込む冷気を室温に近づける。ビルトイン空気清浄機「Air Me(エアミー)」などと組み合わせ、年間を通じて住まい全体の空気環境を整える。販売地域は省エネルギー地域区分の4~7地域。価格は発表時点で明らかにしていない。
サラウェルとは?——外気除湿換気システムの仕組み
サラウェルは、外気を家に取り込む前に除湿・調温してから室内に供給する換気システム。エアコンのように室内の空気を冷やすのではなく、給気段階で湿度をコントロールする点が特徴で、冷房の風が苦手な人でも快適に過ごせる。
シックハウス対策の24時間換気と両立
日本ではシックハウス対策として住宅にも24時間換気システムの設置が求められており、外気を取り込み続けることが前提になっている。一般的な換気では外気の湿気も室内に入りやすいだけに、給気の段階で除湿する同システムは、日本の住宅の快適性を高める選択肢になりそうだ。