NAND出荷量、中国YMTCが3位浮上——キオクシア4位に後退

NAND出荷量でYMTCが3位浮上、キオクシアは4位に後退。中国半導体の躍進が鮮明に。

投稿者 central
カウンターポイントリサーチの調査で、YMTCがNAND出荷量14%で3位に浮上。
ハイライト
  • YMTCは2026年第2四半期、NAND出荷量14%で3位に浮上した。
  • キオクシアは13%のシェアで4位に後退、日本勢の地位低下が顕著に。
  • YMTCの成長は中国政府の支援と独自のXtacking技術によるコスト競争力が背景にある。

香港の調査会社カウンターポイントリサーチaaが2026年8月12日に発表した2026年第2四半期(4〜6月期)のNAND型フラッシュメモリ市場調査において、中国の長江存儲科技(YMTCa)が世界シェア14%を獲得し、キオクシアホールディングスを僅差で上回り、出荷量ベースで過去最高となる第3位に浮上したことが明らかになりました。キオクシアは13%のシェアで第4位に後退し、長年にわたって業界をリードしてきた日本企業の立場に大きな変動が生じています。

NANDフラッシュ市場、2026年第2四半期の勢力図

カウンターポイントリサーチのデータによると、2026年4〜6月期のNAND型フラッシュメモリの総出荷量は、前年同期比で約9%の増加を記録しました。この成長は、データセンター向けの高容量SSD需要の拡大と、スマートフォンやPC向けストレージの大容量化が牽引しています。

各社のシェアを見ると、首位はサムスン電子で35%のシェアを堅持、2位はSKハイニックスが19%で続きます。そして今回最大のトピックは、3位にYMTCが14%、4位にキオクシアが13%という順位となった点です。ウェスタンデジタル(WD)は12%で5位、マイクロンテクノロジーが7%で6位と、かつての業界再編後の構図が大きく変わりつつあります。

YMTC浮上の背景:中国半導体自給率向上への布石

YMTCは中国政府の強力な支援の下、独自の3D NANDアーキテクチャ「Xtacking」を武器に急速にシェアを拡大してきました。特に2025年以降、第3世代の232層NANDの量産体制を確立し、コスト競争力と性能の両面で国際的な競争力を高めています。

今回の3位浮上は、単なる一時的な成果ではなく、中国全体の半導体自給率向上戦略の一環として位置づけられます。米中対立による輸出規制が強化される中、中国政府は半導体産業への巨額の投資を継続しており、YMTCはその象徴的な存在と言えるでしょう。

また、YMTCの躍進は、スマートフォン向けメモリ市場での存在感を強めた結果でもあります。同社のメモリは、中国国内のスマートフォンメーカーであるOPPOやvivo、Xiaomiなどに広く採用されており、安定した需要を確保しています。

キオクシア4位後退の要因とは

キオクシアは、2024年から2025年にかけてのNAND市況の悪化と、需要回復の遅れに苦しんできました。同社は生産調整を余儀なくされ、その間にYMTCが攻勢を強めた構図です。特に、キオクシアとWDの共同生産体制の先行き不透明感が、一部の顧客に慎重な姿勢をもたらした可能性も指摘されています。

2025年後半からは需要が回復基調にあるものの、キオクシアのシェア回復は鈍く、競争環境の厳しさが浮き彫りとなりました。同社は2027年に予定する新工場(北上工場)の稼働開始を見据え、次世代技術である「CBA(CMOS directly Bonded to Array)」技術の量産に注力する方針です。

業界再編と今後の展望:日本の半導体産業は復権なるか

NANDフラッシュ市場は、かつては日本の半導体メーカーが世界を席巻していましたが、現在は韓国と中国の勢力が拡大し、日本勢の存在感は相対的に低下しています。キオクシアが単独で巻き返すためには、技術面での差別化とともに、需要の変動に左右されにくい安定した収益基盤の構築が急務です。

一方で、市場全体としては、AI(人工知能)やデータセンター向けの需要が引き続き旺盛であり、高付加価値なNAND製品への需要は今後も拡大が見込まれます。キオクシアが得意とする高信頼性・高性能なNAND製品は、こうした分野で依然として競争力を有しているとも言えます。

今後、2026年第3四半期以降のシェア動向が注目されます。YMTCがこの勢いを維持し、キオクシアが巻き返しを図るのか、それとも他の競合が割って入るのか。数四半期にわたって、NAND業界の勢力図は引き続き流動的な状態が続くと予想されます。

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