米ドル/円、戻り売りの好機。158円の壁は厚い

FRBと日銀の利上げ後、米ドル/円は158円の壁に阻まれ、戻り売りが有効な戦略と専門家は指摘する。

投稿者 central
米ドル/円、戻り売りの好
ハイライト
  • 米ドル/円は一時157.15円まで反発し、フィボナッチ38.2%戻しに一致した。
  • 日銀は利上げに加え量的引き締めを継続し、円安は一服するとの見方が強い。
  • 158円のレジスタンスは過去の売り圧力もあり、短期の上値トライは成功しにくい。

FRB(米連邦準備制度理事会)と日銀、両中央銀行が相次いで利上げを決定した為替市場。しかし、この結果を受けて「米ドル/円は戻り売り」が有効な戦略であるとの見方が専門家の間で強まっている。本稿では、その根拠となる金融政策の実際の読み解き方と、チャートが示すテクニカルなポイントを詳細に解説する。

「タカ派FRB、ハト派日銀」という単純な解釈に潜む落とし穴

日銀が2026年9月18日の金融政策決定会合で利上げを決定したことは、事前の市場予想の範囲内であった。しかし、FRBが2026年中の追加利上げの可能性を示唆したこと、そして日銀会合では2名の理事が反対票を投じたことから、市場参加者の解釈は「FRBは想定よりタカ派的、日銀は想定よりハト派的」という二項対立に傾きがちだ。この解釈に従えば、短期的には米ドル買い・円売りの流れが続いても不思議ではない。

問題は、この先である。筆者は米ドル高の持続性に疑義を呈する。その最大の理由は、米財務省による国債買い入れ倍増計画が継続されている点だ。この政策は米ドルの信認を棄損するリスクを内包しており、たとえFRBが利上げを続けようとも、根本的には米ドルが買われにくい地合いが続くと考えられる。

一方、日銀は今回の利上げを「ハト派的」と見る向きもあるが、量的引き締め(QT)を粛々と進めている事実は揺るがない。売られすぎた円は、いまだリバウンド過程の途上にあると見るのが妥当だろう。

戻り売りの好機:フィボナッチ戻しが示す絶好のエントリーポイント

では、具体的にどのようなトレード戦略を取るべきか。結論はシンプルだ。ジタバタせずに、米ドル/円の戻り売りを狙うべきである。米ドルがリバウンドしている今こそ、まさにその絶好の機会と捉えるべきだ。

執筆時点の現状を確認すると、米ドル/円は一時157.15円まで反発している。この水準は、今年(2026年)の高値から直近安値までの全下落幅を測定した場合、フィボナッチ38.2%戻しの位置にぴたりと合致する。リバウンドが一服するのは、むしろ自然な値動きと言える。

ただし、直近高値(9月2日)からの下落幅に対するリバウンド余地を測ると、フィボナッチ61.8%戻しの位置は157.50円前後となる。それでも上値は限定的であり、戻り売りを仕掛けるには絶好のゾーンと言える。

158円の壁は厚い:スパイクロー陰線が物語る重要なレジスタンス

プライスアクションの観点からも、上値の重たさは明確だ。特に注目すべきは、8月3日(月)に形成された「スパイクロー」の陰線である。この日のローソク足が描いた長い「下ひげ」は、本来であれば重要なサポートゾーンを示すものであったが、その後、安値を更新したことで、かえってベアトレンド(下落トレンド)を一段と強固なものにする結果となった。

現在のリバウンドは、その「下ひげ」の範囲内で推移している。ここから早期に大幅な続伸が実現するか、あるいはこの水準に定着できない場合、教科書通りに再度の頭打ちが訪れる可能性が高い。

さらに、仮に一度上値を試す動きがあったとしても、158円の節目は非常に厚いレジスタンスとして控えている。8月3日のスパイクローの高値に加え、過去の価格帯でも売り圧力が集中しているエリアであり、安易な上値トライは成功しないだろう。

超難解なファンダメンタルズよりシンプルなテクニカル分析に従う

今回の日米同時利上げというイベントを前に、多くのトレーダーは複雑なファンダメンタルズを解釈しようと躍起になっている。しかし、実際のところ、その解釈は往々にして曖昧であり、むしろ混乱を招く原因ともなる。

今、最も信頼性が高く、実効性に優れているのは、超シンプルなテクニカル分析である。上記のフィボナッチ戻しやプライスアクションが示す通り、市場はすでに明確なシグナルを発している。あとは、そのシグナルに従い、戻り売りという明確な戦略を淡々と実行するだけだ。市況は、シンプルであるほど強い。

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