ビットコイン(BTC)は2026年第3四半期(7〜9月)に約43%の上昇を記録し、2024年第1四半期以来となる最強の四半期パフォーマンスを示しました。ビットフィネックスaとコイングラスのデータによれば、第3四半期としては2013年以降で2番目、米国の現物ビットコインETFが2024年1月に取引を開始して以降では3番目に大きい上昇率となります。10月1日現在、ビットコインは1323万円前後で推移しており、イーサリアム(ETH)は約42.6万円、ソラナ(SOL)は約1.87万円で取引されています。世界の暗号資産時価総額は469兆円に達し、ビットコインの市場占有率(ドミナンス)は約59.1%となっています。
ビットコイン、2026年第3四半期に43%上昇——ETF需要とマクロ環境が追い風に
今回の大幅上昇の背景には、米国現物ビットコインETFへの継続的な資金流入と、マクロ経済環境の変化が挙げられます。2024年1月に取引が始まった現物ETFは機関投資家の参入経路として定着し、第3四半期中も安定した需要を集めました。特に9月に入ってからの価格上昇が顕著で、四半期末にかけての勢いは年末に向けた強気の見方につながっています。一部の市場関係者の間では、2026年末までにビットコインが14万7000ドル(約2100万円)に達するとの試算も出ています。
第3四半期の上昇率は43%と、直近の四半期と比較しても突出した結果となりました。ビットコインの四半期パフォーマンスは2024年第1四半期の約60%上昇をピークに、その後はやや落ち着いていましたが、再び上昇基調が鮮明になりつつあります。
ビットゲット流出事件——Zcashの匿名機能を悪用した資金洗浄が始まる
仮想通貨取引所ビットゲットから約3億8750万ドル相当が流出した事件では、攻撃者が資金の追跡を困難にする新たな手口に切り替えています。オンチェーン分析で知られるZachXBT氏が指摘したところによると、2026年9月30日、盗まれた資金の一部がZcash(ZEC)の秘匿プール「Ironwood」に移されました。具体的には、約2746ZEC(約390万ドル相当)が3回の取引でIronwoodに送金されています。これは盗まれたZEC総量1万8917ZECの約15%に相当します。
Zcashの秘匿プールは送金者、受取人、送金額のすべてを隠せる仕組みを持つため、一度資金がプール内に入ると従来のブロックチェーン分析では追跡が極めて困難になります。攻撃者は日本時間の9月30日までに約2億7340万ドル相当の資金をすでに移動させており、今回のZcashへの移行は資金洗浄ルートを封鎖された苦肉の策との見方もあります。セキュリティ専門家は、今後さらに多くの資金が匿名通貨に移される可能性があると警告しています。
ステーブルコイン連動カードの利用額、月間11.7億ドルで過去最高
法定通貨に価値を連動させたステーブルコインと連動する決済カードの利用額が、2026年9月に過去最高を更新しました。9月30日時点での月間利用額は約11億7000万ドルとなり、8月の月間合計をすでに上回っています。ビザで仮想通貨部門を率いるカイ・シェフィールド氏は、ステーブルコイン連動カードが急成長の段階にあると述べており、実際の利用データがその見方を裏付ける形となりました。
ステーブルコイン決済カードの普及は、暗号資産を日常的な支払いに使うユースケースが拡大していることを示しています。従来、暗号資産は投資対象としての側面が強かったものの、こうしたカードサービスの登場により決済手段としての実用性も高まっています。特に米国市場では、ビザやマスターカードのネットワークを通じてステーブルコイン決済が可能なカードの発行が相次いでおり、今後のさらなる成長が期待されています。
市場の構造変化——ETF、決済インフラ、セキュリティ課題が交錯する
2026年第3四半期の暗号資産市場は、ビットコインの価格上昇に加え、インフラの進化とセキュリティ課題という二つの側面で特徴的な動きを見せました。現物ETFを通じた機関投資家の参入が市場の厚みを増す一方で、取引所からの大規模流出事件は業界の安全管理体制に改めて警鐘を鳴らしています。
また、ステーブルコイン決済カードの利用額急増は、暗号資産が投資対象から決済手段へと用途を広げつつあることを示唆しています。こうした流れは、規制環境の整備が進むにつれてさらに加速する可能性があります。ビットコインの価格動向に加え、こうした市場構造の変化を総合的に見極めることが、今後の投資判断において重要性を増していくでしょう。年末に向けて、ビットコインがさらなる高値を更新するのか、それとも調整局面を迎えるのか、市場の注目は引き続き価格推移に集まっています。