ビットコイン、5年以内に25万〜84万ドルか。資金流入モデルが試算

米リバー社がビットコインの将来価格を試算。機関投資家の参入と低い普及率が上昇余地を支える。

投稿者 central
ビットコインは5年以内に25万〜84万ドルへ到達する可能性があるとリバー社が分析。
ハイライト
  • リバー社は世界の金融資産の50%を管理する機関投資家の参入余地を価格上昇の主因と見る。
  • 現在ビットコインを保有する人口は世界の約4%に過ぎず、普及初期段階の成長余地は大きい。
  • 2024年の米国ビットコイン現物ETF承認が機関投資家の参入を加速させている。

米国のビットコイン専門金融サービス企業リバー(River)は3日、ビットコイン(BTC)が今後5年以内に1BTCあたり**25万〜84万ドル**(約3,700万〜1億2,400万円)に到達する可能性があるとする強気の分析結果を公表した。同社は「世界の金融資産の50%を管理する機関投資家の参入余地」と「個人保有の拡大余地」という二つの観点から試算を行い、ビットコインの長期的な価値向上シナリオを描き出している。

ビットコインへの資金流入モデルが示す上昇余地

リバーが今回提示した価格レンジは、単なる楽観論ではない。同社の試算モデルは、ビットコインの時価総額が現在の約2兆ドル規模から、**世界の金融資産の一部を代替すると仮定した際の理論値**を積み上げたものだ。

具体的には、ビットコインのネットワークが「価値の保存手段」として成熟した場合、個人投資家および機関投資家から流入する資金額に基づいて将来価格を推算している。このモデルにおいて、下振れシナリオの25万ドルは現状の普及ペースが継続するケース、上振れシナリオの84万ドルは機関投資家の参入が加速するケースを想定している。

特に注目すべきは、試算の前提となった「世界人口のわずか約4%しかビットコインを保有していない」という現状認識だ。リバーは、ビットコインの保有率がまだ極めて低い水準にあることから、普及初期段階における成長の非対称性(リスクよりもリターンの方が大きい可能性)を指摘している。

機関投資家主導の「第2フェーズ」が価格変動を左右か

2024年に米国でビットコイン現物ETF(上場投資信託)が承認されたことは、市場構造を大きく変えた。これまでビットコイン市場の主役は個人投資家だったが、ETFという規制された投資手段の登場により、年金基金や資産運用会社といった機関投資家が参入しやすい環境が整った。

リバーの分析では、この流れはまだ緒に就いたばかりだとされる。世界の金融資産のうち、機関投資家が管理する割合は約50%に及ぶ一方、ビットコインへの配分は依然としてごくわずか。同社は、この配分比率が仮に1%〜2%に上昇した場合、ビットコインの時価総額は現在の水準を大きく引き上げられると試算している。

また、2025年に入ってからは、米国の大手投資顧問企業や伝統的な銀行がビットコイン関連サービスを拡充する動きが顕在化している。こうした動きは、暗号資産が「投機対象」から「ポートフォリオの一部」へと位置づけを変えつつあることを示唆しており、リバーの強気シナリオを後押しする要因となっている。

個人保有の拡大余地がもたらす市場インパクト

リバーの試算で特に重要なポイントは、個人投資家の保有量の少なさだ。同社の調査によれば、ビットコインを保有している世界人口の約4%の多くは、比較的少額の保有にとどまっている。

資産クラスとして成熟する過程では、多くの場合、まず初期の先駆者が大きなポジションを築き、その後、価格上昇を確認した後発層がより大きな規模で参入する。株式や金(ゴールド)がたどった歴史的経緯を踏まえると、ビットコインも保有者数の拡大とともに1人あたりの平均保有額が増加する局面に入る可能性がある。

仮に全世界の人口のうちビットコインの保有率が10%に到達し、かつ平均保有額が現状の2倍に増加した場合、需要は単純計算で現在の約5倍に膨らむ。供給量が2100万枚で上限固定されているビットコインでは、こうした需要拡大が価格上昇に直結する構造だ。

65,000ドル割れの調整相場と「今」の立ち位置

リバーがこの強気レポートを発表した一方で、ビットコイン市場は足元で調整局面を迎えている。記事執筆時点でビットコインは65,000ドルを割り込む場面があり、直近の高値圏からは15%以上下落した領域で推移している。

この調整は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に対する警戒感や、利確売りの増加などが要因とみられている。ただし、リバーの分析は短期的な価格変動ではなく、4〜5年という中長期の時間軸で見た資産価値の理論的到達点を描いたものだ。

ビットコインの価格サイクルを振り返ると、過去には85%以上下落した時期を経ても、その後、それまでの最高値を大きく更新してきた歴史がある。今回の調整相場が続くかどうかは不透明だが、資金流入モデルに基づく長期的な価格軌道は、むしろ現在の市場心理とは逆方向の可能性を示している。

リスク要因も無視できないのはなぜか

こうした強気シナリオを提示する一方で、ビットコインには固有のリスクが存在することも忘れてはならない。

最大の不確定要素は規制環境だ。米国では暗号資産に積極的な政権が誕生したものの、各国の規制方針は依然として分かれている。また、ビットコインのマイニング(採掘)に伴う環境負荷への批判や、新たなテクノロジーによる代替の可能性といった論点は、中長期的な価格形成に影響を与える要素となり得る。

さらに、リバーの試算は「資金流入額」を主要因としているが、ビットコインの価格は実際には市場心理やマクロ経済環境の影響を強く受ける。インフレ率や実質金利の動向、株式市場との相関関係の変化など、外部要因によるブレを織り込んだとしても、「レンジの下限」である25万ドルですら現在の3.5倍以上の水準である点は、いかにこの分析が野心的かを物語っている。

ビットコイン価格予測はなぜ「資金流入額」がカギを握るのか

ビットコインの価格予測に関する質問は、「いつまでにいくらになるか」という形で語られることが多い。しかし、リバーが採用したのは「どれだけの資金が流入すれば、どの価格に対応するか」というフレームワークだ。

これは、ビットコインの価格形成メカニズムが基本的には「需給バランス」で説明されるためだ。売り手が保有するビットコインは限られている一方、買い手の資金は無尽蔵に近い。特に、ETFを通じた間接的な買い付けや、企業の財務戦略としての購入など、従来には存在しなかった需要源が2024年以降、実際に市場へ参入している。

リバーのモデルはこうした需要構造の変化を定量的に評価しており、特定の価格予測を行うサプライズ系アナリストの手法とは一線を画している。「投資家がどれだけの資産配分を行うか」という行動変容に着目した点に、このレポートの独自性があるといえるだろう。

日本の投資家は「資金流入の波」にどう向き合うか

日本の暗号資産市場は、改正資金決済法による規制強化や税制の変化など、ここ数年で大きな転換期を迎えている。2024年には日本でも暗号資産を投資対象に組み入れる機関投資家の動きが一部で見られ始めたが、米国と比較するとその速度は緩やかだ。

リバーの試算は、あくまでグローバル全体の資金流入を前提にしたものであり、日本市場の動向を直接反映したものではない。しかし、ビットコインの価格決定はグローバルな需給で決まるため、仮に米国を中心とした機関投資家の参入が想定通り進めば、日本の投資家も価格上昇の恩恵を間接的に受ける構図になる。

一方で、日本では暗号資産に対する税制上の扱いが他の先進国より厳しい点は変わらない。取引で得た利益が雑所得として総合課税の対象となるため、税率が最大55%に達するケースもある。強気シナリオが現実のものとなった場合、税負担を考慮した出口戦略の重要性はこれまで以上に高まりそうだ。

ビットコインの価格が5年以内に25万〜84万ドルへ到達するというシナリオは、現時点ではあくまで一モデルによる理論的な計算値に過ぎない。実際にどのような経路をたどるのかは、金融規制の動向、マクロ経済の変動、技術開発の進展など、数多くの不確実要素に左右される。

それでも、世界の機関投資家がビットコインに対して「無視できない資産クラス」として認識を強めていることは間違いのない事実だ。資金流入という明確なチャネルを通じて、ビットコインの市場規模はゆっくりと、しかし確実に拡大している。楽観シナリオをそのまま信じるのは危険だが、現状の普及率と参入余地を冷静に見れば、上昇ポテンシャルの方が過小評価されている可能性は十分に検討に値する。

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