米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る結果となり、トランプ政権が歓迎する展開となった一方、ドル金利の低下は一時的にとどまり、為替市場ではドル円が159円台で引けるなど、やや複雑な様相を呈している。注目は今夜発表の米生産者物価指数(PPI)に移っており、ここでインフレ鈍化傾向が確認されれば、9月の利上げ観測が後退し、ドル売りが加速する可能性も浮上している。
市場予想下回るCPI、米金利は一時低下も元の水準に回帰
今回発表された米CPIは、総合指数で前月比プラス0.1%、コア指数で同プラス0.2%と、いずれも市場コンセンサスをやや下回る結果となった。インフレの落ち着きを示す数字であり、トランプ政権にとっては政策の正しさをアピールできる材料となる。
CPI発表直後、米金利は低下し、ドル円も159円台から値を崩す場面が見られた。しかし、この反応は長くは続かなかった。ニューヨーク時間の終盤にかけて金利は元の水準まで戻し、ドル円も159円台中盤で落ち着く展開となった。市場関係者の間では「翌日のPPIを見極めたい」とのムードが支配的であり、CPI単独では方向感を確定させるには至らなかったのが実情だ。
注目のPPI、9月利上げ観測を覆すカギに
今夜発表される米PPIは、市場予想でコアベースが前月比プラス0.3%と見込まれている。現時点では大幅なインフレ加速は想定されていないものの、この水準を下回る結果となれば、インフレ鈍化の流れを改めて確認する材料となる。
重要なのは、このPPIの結果が9月の連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測にどのような影響を与えるかだ。現行の先物価格には、少なからず9月利上げの織り込みが含まれている。仮にPPIが予想を下回り、インフレ懸念が和らぐような結果となれば、市場は利上げ観測を急速に巻き戻す可能性がある。
「この程度の数字であれば、9月に急いで利上げをする必要はないのではないか」との見方が強まることも考えられ、その場合、ドル相場には調整的な売り圧力がかかる展開が想定される。具体的には、ドル円が157円台まで押し込まれるシナリオも、決して荒唐無稽ではない。
PPI次第でドル円は157円台も視野
CPIが市場予想を下回りながら、ドル円の下落が限定的だった背景には、やはりPPIへの様子見姿勢が色濃く反映されていた。今夜の結果次第では、ドル円は本格的な調整局面に入る可能性がある。
市場参加者の間では、仮にPPIが予想を下回った場合、ドル円は157円台まで下落する余地があるとの見方が出ている。一方で、PPIが予想を上回る強い結果となれば、インフレ懸念が再燃し、ドル買いが再び強まることも考えられる。まさに今夜の結果が、短期的な相場の方向性を決定づけると言っても過言ではない。
日本時間の夕方以降に発表されるPPIの結果と、その後の為替市場の反応に、今後も注目が集まる。