アニメスタジオ「Science SARU」が手掛ける注目作『Jaadugar: A Witch in Mongolia』のメイキング映像が公開された。約8分に及ぶ映像では、モンゴルでのロケハンの様子や、スタッフ陣の制作舞台裏、声優陣のインタビューが収められており、緻密な世界観構築の過程が明らかになっている。
本作は、トマトスープ氏によるマンガ『天幕のジャードゥーガル』を原作とし、13世紀のモンゴル帝国を舞台にした歴史宮廷ドラマだ。エグゼクティブディレクターを務める山田尚子氏は、映像の中で、原作マンガが持つ時間の経過表現をどのようにアニメーションに落とし込むかについて、スタッフ一同が長期間にわたって検討を重ねたことを明かしている。
モンゴルでの現地ロケがもたらした生きた描写
制作チームは、モンゴルでのロケーション撮影を敢行。監督のアベル・ゴンゴラ氏、キャラクターデザイン・作画監督の吉田健一氏も同行し、広大な草原の景観や遊牧民の生活様式を実際に体験した。この現地取材で得た観察結果は、アニメにおける舞台描写に直接的に生かされているという。
映像内では、検討過程の具体例として、キャラクターの主な線画外にあるラインを削除する視覚技法など、スタジオならではの挑戦も紹介。山田尚子氏とゴンゴラ監督、吉田健一氏の3者によるディスカッションの様子も収められており、制作現場のリアルな空気感を伝えている。
実力派声優陣のコメントも収録
メイキング映像には、ヒロイン・シタラ役を務める関根明良氏、トルゲネ役の小清水亜美氏、ムハンマド役の斎藤淳氏へのインタビューも収録。それぞれが役柄へのアプローチや作品への想いを語っており、ファンにとっては見逃せない内容となっている。
国際的な評価と豪華スタッフ陣
本作は、放送開始前から国際的に高い注目を集めている。2026年のアヌシー国際アニメーション映画祭では、テレビ映画部門の公式コンペティションに選出された。さらに、原作マンガは第55回日本漫画家協会賞のコミック部門で大賞を受賞しており、そのクオリティの高さは折り紙付きだ。
スタッフ陣も豪華で、山田尚子氏(『K-ON!』『聲の形』『リズと青い鳥』『平家物語』)がエグゼクティブディレクター、アベル・ゴンゴラ氏(『ダンダダン』第2期共同監督、『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』)が監督を務める。キャラクターデザイン・作画監督は吉田健一氏(『交響詩篇エウレカセブン』『オーバーマン キングゲイナー』)が担当。シリーズ構成は加藤還一氏(『陰の実力者になりたくて!』『からかい上手の高木さん』)、音楽は伝統楽器に精通した紺野ゴロウ氏がアニメ作曲家デビューという布陣だ。
「天幕のジャードゥーガル」とは
原作マンガ『天幕のジャードゥーガル』は、2021年9月より秋田書店のウェブコミック配信サイト「Souffle」で連載がスタート。2025年4月時点で単行本は5巻まで刊行されている。宝島社『このマンガがすごい!2023』オンナ編では第1位を獲得し、マンガ大賞でも2023年、2024年と2年連続でランクインするなど、業界内外で高い評価を得てきた。
あらすじは以下の通りだ。13世紀、イランの奴隷市場にいた一人の少女。母親を失い、故郷からも引き裂かれ、完全に孤独となったシタラは、学者の家系に生まれたファーティマという心優しい女性に引き取られる。「学んで賢くなれば、どんな困難に遭っても最善の道が分かる」というファーティマの息子ムハンマドの言葉に深く感銘を受けたシタラは、知識の可能性と重要性を理解し、学問に励む日々を送る。しかし、チンギス・ハーン率いるモンゴル帝国の拡大の波は、やがて彼女の街にも押し寄せる。全てを失ったシタラは、帝国への復讐を誓う——。
監督を務めるアベル・ゴンゴラ氏とスタジオScience SARUのタッグは、これまでも『デビルマン クライベイビー』『映像研には手を出すな!』『ダンダダン』『SANDA』など、数々の話題作を世に送り出してきた。2026年7月の放送開始に向け、今後の追加情報にも注目が集まる。